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英国の HarperCollinsPublishers 社から以前に出版されていた アガサ・クリスティー作「死との約束」のペーパーバック版の表紙 -本作品の事件(家族を見物に行かせて、 キャンプ地に一人残ったボイントン夫人が、洞窟の入口近くで、 多量のジギトキシンを皮下注射器で投与されて、殺害される)の舞台となる ヨルダンの古都ペトラにある遺跡が描かれている。 |
英国の Orion Publishing Group Ltd. から2023年に発行されている「エルキュール・ポワロの世界(The World of Hercule Poirot)」と言うジグソーパズル内に散りばめられているエルキュール・ポワロシリーズの登場人物や各作品に関連した112個の手掛かりについて、引き続き、紹介したい。
前回に引き続き、各作品に出てくる登場人物、建物や手掛かり等が、その対象となる。
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| ジグソーパズル「エルキュール・ポワロの世界」の完成形 <筆者撮影> |
(65)ペトラ(Petra)
ジグソーパズルの右下に設置されているガラスケース内の後列真ん中に、ヨルダン(Jordan)の古都ペトラにある遺跡の模型が置かれている。
(66)皮下注射器(hypodermic syringe)
ジグソーパズルの下段の一番左手にあるテーブルに寄せられた椅子の近くに、皮下注射器が置かれている。
これらから連想されるのは、アガサ・メアリー・クラリッサ・クリスティー(Agatha Mary Clarissa Christie:1890年ー1976年)が1938年に発表した「死との約束(Appointment with Death → 2021年3月13日付ブログで紹介済)」である。
「死との約束」は、アガサ・クリスティーが執筆した長編としては、第23作目に、そして、エルキュール・ポワロシリーズの長編としては、第16作目に該っている。
本作品は、「メソポタミアの殺人(Murder in Mesopotamia → 2020年11月8日付ブログで紹介済)」(1936年)と「ナイルに死す(Death on the Nile → 2020年10月4日付ブログで紹介済)」(1937年)に続く中近東を舞台にした長編第3作目でもある。
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| エルキュール・ポワロは、 ジグソーパズル「エルキュール・ポワロの世界」の中央に立っている。 <筆者撮影> |
エルキュール・ポワロ(Hercule Poirot → 2025年10月11日付ブログで紹介済)は、休暇を兼ねて、エルサレム(Jerusalem)のキングソロモンホテル(King Solomon Hotel)に滞在していた。エルサレムは、三大宗教にとっての聖地であり、ユダヤ教文化、キリスト教文化、そして、イスラム教文化が入り混じる魅惑の地であった。
「いいかい、彼女を殺してしまわなきゃいけないんだよ。(You do see, don’t you, that she’s got to be killed ?)」
ポワロがホテルに宿泊した最初の晩、開け放った窓から、夜の静けさをぬって、男女の危険な囁き声をポワロは耳にした。どこへ行こうとも、彼には、犯罪が付いて回るのだろうか?
同じホテルに滞在しているボイントン一家は、行く先々で皆の注目を集めていた。
家族の行動は、全て、母親であるボイントン夫人(Mrs. Boynton)中心に回っていて、全ての面において、彼女は家族の行動を監視するとともに、厳しい批判を行っていた。ボイントン夫人は、残酷な仕打ちそのものに非常な喜びを見出す精神的なサディストであり、可哀想なことに、彼女の家族全員がそのはけ口となっていたのである。


































