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英国の HarperCollinsPublishers 社から現在出版されている アガサ・クリスティー作「葬儀を終えて」の ペーパーバック版の表紙 - 大富豪で、アバネシー家の当主であるリチャード・アバネシーの葬儀に出席するために、 彼の邸宅「エンダビーホール」に親族が一堂に会した場面が、 棺桶の形に切り取られている。 なお、葬儀の参列者達が髑髏(ドクロ)の形を成している。 |
アガサ・メアリー・クラリッサ・クリスティー(Agatha Mary Clarissa Christie:1890年ー1976年)が1953年に発表した「葬儀を終えて(After the Funeral)」は、アガサ・クリスティーが執筆した長編としては、第44作目に該り、そして、エルキュール・ポワロシリーズの長編としては、第25作目に該っている。
大富豪で、アバネシー家の当主であるリチャード・アバネシー(Richard Abernethie)の葬儀に出席するために、彼の邸宅「エンダビーホール(Enderby Hall)」において、親族が一堂に会した。
リチャード・アバネシーの弟の1人であるレオ(Leo)は、第二次世界大戦(1939年-1945年)中に戦死していた。また、リチャード・アバネシーの妻は早くに亡くなっており、息子のモーティマー(Mortimer)も6ヶ月前に既に死去していた。
リチャード・アバネシーの葬儀に参列したのは、
(1)ティモシー・アバネシー(Timothy Abernethie):リチャードの弟
(2)モード・アバネシー(Maude Abernethie):ティモシーの妻 / リチャードの義妹
(3)ヘレン・アバネシー(Helen Abernethie):第二次世界大戦中に戦死したリチャードの弟レオの妻 / リチャードの義妹
(4)スーザン・バンクス(Susan Banks):リチャードの弟ゴードン(Gordon)の娘 / リチャードの姪
(5)グレゴリー・バンクス(Gregory Banks):スーザンの夫 / 薬剤師
(6)ローラ・クロスフィールド(Laura Crossfield):リチャードの妹
(7)ジョージ・クロスフィールド(George Crossfield):ローラの息子 / リチャードの甥 / 事務弁護士
(8)ロザムンド・シェーン(Rosamund Shane):リチャードの妹ジェラルディン(Geraldine)の娘 / リチャードの姪 / 女優
(9)マイケル・シェーン(Michael Shane):ロザムンドの夫 / 俳優
(10)コーラ・ランスケネ(Cora Lansquenet):リチャードの末妹
の面々だった。
アバネシー家の弁護士であるエントウィッスル氏(Mr. Entwhistle)が、リチャード・アバネシーの遺言執行者として、その内容を読み上げた。
リチャード・アバネシーの遺産の大部分は、彼の弟ティモシー・アバネシー、彼の亡き弟の妻ヘレン・アバネシー、彼の末妹コーラ・ランスケネ、彼の甥ジョージ・クロスフィールド、そして、彼の2人の姪スーザン・バンクスとロザムンド・シェーンの6人に当分されると言う極めて妥当な内容だった。
エントウィッスル氏が読み上げたリチャード・アバネシーの遺言書の内容を聞き、自分の相続分を素直に喜んだ末妹コーラ・ランスケネは、小首を傾げると、無邪気な一言を言い放った。
「だって、リチャードは殺されたんでしょう?」と。
末妹コーラ・ランスケネは、子供の頃から、少し頭が弱く、思い付いたことを何でも直ぐに口にする性格で、アバネシー家の皆は、彼女は無邪気過ぎて困ると感じていた。それ故に、リチャード・アバネシーの葬儀に参列した面々は、彼女の発言をまともには取り合わず、受け流してしまった。
その一方で、末妹コーラ・ランスケネの発言は昔から真実を突いていたため、リチャード・アバネシーの葬儀から帰途に就く人達の心に、拭いきれない疑惑が痼りのように残った。リチャード・アバネシーの遺言執行者であるエントウィッスル氏も、その例外ではなかった。
彼らの疑惑が的中したかのように、その翌日、末妹のコーラ・ランスケネが、自宅において、斧で惨殺されているのが発見される。
コーラ・ランスケネの家政婦だったギルクリスト(Miss Gilchrist)によると、「リチャード・アバネシーは、亡くなる3週間ほど前に、コーラ・ランスケネを訪ねて来ると、彼女と話をしていた。」とのことだった。
つまり、コーラ・ランスケネは、兄リチャード・アバネシーの死の原因について、何か知っており、彼の葬儀の場において、そのことを口にしたために、殺害されたのか?
末妹のコーラ・ランスケネが殺されたことを受けて、彼女の相続分はリチャード・アバネシーの遺産に戻り、最終的には、スーザン・バンクスの取り分となった。
また、家政婦のギルクリストには、コーラ・ランスケネが趣味で描いていた絵画が送られることになった。
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| エルキュール・ポワロは、 ジグソーパズル「エルキュール・ポワロの世界」の中央に立っている。 <筆者撮影> |
リチャード・アバネシーの遺言執行者であるエントウィッスル氏は、真相を知るべく、エルキュール・ポワロ(Hercule Poirot → 2025年10月11日付ブログで紹介済)に対して、事件の調査を依頼するのであった。
(87)埠頭を描いた絵(painting of a pier)
大富豪で、アバネシー家の当主であるリチャード・アバネシーの末妹のコーラ・ランスケネが殺害された後、家政婦のギルクリストには、コーラ・ランスケネが趣味で描いていた絵画(埠頭を描いた絵)が送られることになったが、その絵画には、驚くべき謎が隠されていたのである。
(88)手斧(hatchet)
アバネシー家の弁護士であるエントウィッスル氏が読み上げたリチャード・アバネシーの遺言書の内容を聞いて、自分の相続分を素直に喜んだ後、「だって、リチャードは殺されたんでしょう?」と無邪気な一言を言い放った末妹コーラ・ランスケネは、その翌日、自宅において、斧で惨殺されているのが発見される。
(89)ウェディングケーキが乗った皿(slice of wedding cake)

自宅において斧で惨殺された末妹コーラ・ランスケネの葬儀が行われた翌日の晩、家政婦のギルクリストは、郵便で送られてきたウェディングケーキを食べて、危うく死にかける。彼女が食べたウェディングケーキには、ヒ素が入っていたのである。



































