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| 英国の Titan Publishing Group Ltd. の Titan Books 部門から 2026年に出版されたブルース・ルール作 「シャーロック・ホームズの更なる冒険 / 初仕事の探偵」の表紙(部分) |
米国の作家であるブルース・ルール(Bruce Rule)が、Titan Publishing Group Ltd. から、「シャーロック・ホームズの更なる冒険(The Further Adventures of Sherlock Holmes)」シリーズの一つとして、今年(2026年7月)に発表した作品である「初仕事の探偵(The Debutante Detective)」の場合、シャーロック・ホームズは、既に諮問探偵業から引退して、ロンドンを離れ、サセックス州(Sussex)のコテージで日々を過ごしていたが、1905年4月8日の午後遅く、ベイカーストリート221B(221B Baker Street → 2014年6月22日 / 6月29日付ブログで紹介済)に居たホームズとジョン・H・ワトスンの元を、男装の女性が相談に訪れるところから、物語が始まる。
彼女は、「自分は、リリアン・ジョンスン(Mrs. Lillian Johnson)で、アリス・リー・ルーズヴェルト(Alice Lee Roosevelt:21歳)の秘書である。」と名乗った。
アリス・リー・ルーズヴェルトは、米国の軍人 / 政治家で、第25代副大統領、そして、ウィリアム・マッキンリー大統領の暗殺に伴い、第26代大統領に就任したセオドア・ルーズヴェルト(Theodore Roosevelt:1858年ー1919年 → 2022年10月21日 / 10月26日付ブログで紹介済)の娘で、現在、ロンドンに滞在していた。
リリアン・ジョンスンによると、アリス・リー・ルーズヴェルトが米国の駐英大使であるジョーゼフ・ホッジス・チョート氏(Mr. Joseph Hodges Choate)と昼の会食をしている間、ホテルの部屋(アリス・リー・ルーズヴェルト用)に一人で居た、とのこと。
その時、部屋のドアがノックされたので、彼女はホテルの従業員だと思い、ドアを開けた。アリス・リー・ルーズヴェルトは、リリアン・ジョンスンに対して、「事前の約束がない訪問者は、 部屋に入れないこと。」と言い渡していた。リリアン・ジョンスンがドアを開けたところ、そこには、ホテルの従業員ではなく、英国人の紳士が立っていたのである。 驚いたリリアン・ジョンスンがホテルの従業員を呼んでいる間に、ホテルの部屋のテーブルの上に置かれていたある重要な書類が紛失していたのである。
それは、セオドア・ルーズヴェルト大統領の指示に基づいて、アリス・リー・ルーズヴェルトがロンドンに持参した日露戦争(1904年ー1905年)にかかる大日本帝国とロシア帝国の間の講和条約に関する書類だったのだ。
リリアン・ジョンスンの話を聞いたホームズは、悪党のフィッツロイ(Mr. Fitzroy)による仕業で、彼女が呼んだホテルの従業員は、フィッツロイの共犯者であると考えた。
翌日の午後6時に、米国大使館において、ホームズは、ワトスンを伴い、アリス・リー・ルーズヴェルトと面談して、以下の話を告げる。
*米国大使館は、スイスの国境に近いフランスの村からの電報を受け取った。その電報は、ホームズが、明日の午後遅くに、ロンドンへ戻る予定と言う内容だった。
*英国政府との間に裏のパイプを持つフィッツロイに、この電報の内容は既に漏れていると考えられる。
*従って、フィッツロイは、ホームズがロンドンに戻る前に、日露戦争にかかる大日本帝国とロシア帝国の間の講和条約に関する書類を、大日本帝国とロシア帝国のどちらかに売りさばく可能性が非常に高い。
*実際、フィッツロイは、大日本帝国とロシア帝国の政府関係者達に、明日の午前10時に自分の邸宅に来るよう、既に連絡をしている。大日本帝国とロシア帝国のうち、購入価格を高く提示した方へ書類を売る筈。
翌朝、ホームズによるメイクアップを受けて、庭師に変装したワトスンは、スコットランドヤードのレストレイド警部(Inspector Lestrade)と一緒に出発、フィッツロイの邸宅へと向かった。
ホームズの予想通り、大日本帝国とロシア帝国の政府関係者達が、フィッツロイの邸宅に集まって来る。
すると、そこへ汚い身なりをした痩せた男が突然飛び込んで来て、フィッツロイに対して、「俺の妻を破滅させたのは、お前だ!責任を取って、金を払え!」とまくし立てた。全員の注意が、一瞬、汚い身なりをした痩せた男に集中。庭師に変装したワトスンは、彼がホームズによる変装だと予想。汚い身なりをした痩せた男は、テーブルの上に置かれていた書類に手を伸ばそうとしたが、間一髪のところで、フィッツロイが書類を取り戻してしまった。そこにレストレイド警部が現れて、汚い身なりをした痩せた男を拘束すると、彼を連行。見ているしかないワトスンには、ホームズによる書類のすり替えは成功しなかったように思えた。
闖入者を排除できたフィッツロイは、大日本帝国とロシア帝国の政府関係者達の間で、取引交渉を継続。最終的には、ロシア帝国の政府関係者達が取引交渉に勝利した模様で、代金を受け取ったフィッツロイは、彼らに対して、書類を引き渡した。
状況を見終えたワトスンが、元来た場所へ引き返すと、レストレイド警部と一緒に居た汚い身なりをした痩せた男は、ホームズの変装ではなく、別の人物の変装だった。
レストレイド警部達が乗った馬車が去った後に残った馬車に乗っていた米国人が、ホームズの変装だったのである。
ホームズによると、彼は取引現場に先に紛れ込んでおり、ワトスンがホームズの変装だと勘違いした汚い身なりをした痩せた男が突然飛び込んで来て、全員の注意が彼に集中した際、ホームズが既に書類のすり替えを済ませていたのだった。汚い身なりをした痩せた男が手を伸ばそうとしたが、フィッツロイがテーブルから取り戻した書類は、ホームズが既にすり替えた後の偽物だった訳である。
ホームズとワトスンは、取り戻した書類をアリス・リー・ルーズヴェルトに無事返却。そして、報酬を受け取らず、その場を去るのであった。
上記の事件から2ヶ月以上が経過した1905年6月の最後の金曜日の午後、ワトスンは、ホームズからの緊急の電報を受け取り、米国大使館へ呼び出された。
そこには、ホームズと米国の駐英大使ジョーゼフ・ホッジス・チョート氏の2人が待っていた。
2人によると、アリス・リー・ルーズヴェルトは既に米国に帰国済だが、パーティーの後、鬘(ウィッグ)を購入する件で、彼女の秘書であるリリアン・ジョンスンとの間で、激しい言い争いになり、その後、彼女は行方知らず、とのこと。
父親のセオドア・ルーズヴェルト大統領から、ホームズとワトスンの2人に対して、娘アリス・リー・ルーズヴェルトの捜索要請が、正式に下されたのである。
ホームズとワトスンは、急遽、その夜、リヴァプール(Liverpool)港を出て、ニューヨークへと向かった。ただし、表面上は、リーズ(Leeds)の商人が商用で渡米すると言う名目で。
























