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| オスカー・ワイルド作戯曲「サロメ」の英訳版に付されている オーブリー・ヴィンセント・ビアズリー (Aubrey Vincent Beardsley:1872年ー1898年)による挿画(その3) |
米国のペンシルヴェニア州(Pennsylvania)に出生して、英国人のクラリス・クルーヴス(Clarice Cleaves)との結婚後、1932年から1946年にかけて英国のブリストル(Bristol)に居を構えていた米国の推理作家で、「不可能犯罪の巨匠」とも呼ばれているジョン・ディクスン・カー(John Dickson Carr:1906年ー1977年)が、カーター・ディクスン(Carter Dickson)名義で、1942年に発表したヘンリー・メルヴェール卿(Sir Henry Merrivale)を探偵役とするシリーズ長編第13作目に該る「仮面荘の怪事件(東京創元社)/ メッキの神像(早川書房)(The Gilded Man → 2026年2月23日 / 3月10日付ブログで紹介済)」の場合、ケント州(Kent)のロイヤルタンブリッジウェルズ(Royal Tunbridge Wells → 2023年6月18日付ブログで紹介済)近くにある「仮面荘(Mask House)」と呼ばれるワルドミア荘(Waldemere - 美術評論家 / 名画蒐集家である富豪のドワイト・スタンホープ(Dwight Stanhope)の別邸)が、事件の舞台となる。
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| 東京創元社から、創元推理文庫の一冊として出版されている カーター・ディクスン作「仮面荘の怪事件」の表紙 (カバー : 村山 潤一) - 「仮面荘」と呼ばれる富豪ドワイト・スタンホープの 別邸ワルドミア荘内に陳列されている名画を盗むために 侵入した覆面の泥棒が描かれている。 |
ワルドミア荘は、元々、ヴィクトリア朝時代の女優であるフレヴィア・ヴェナー(Flavia Venner - 架空の人物)が建てたもので、屋敷内には小劇場が設けられていた。そして、その小劇場で、戯曲「サロメ(Salome)」の上演中に、彼女は急死していた。
戯曲「サロメ(Salome)」は、アイルランド出身の詩人 / 作家 / 劇作家で、シャーロック・ホームズシリーズの作者サー・アーサー・イグナティウス・コナン・ドイル(Sir Arthur Ignatius Conan Doyle:1859年ー1930年)の友人でもあったオスカー・フィンガル・オフラハティ・ウィルス・ワイルド(Oscar Fingal O’Flahertie Wills Wilde:1854年ー1900年)による一幕物の悲劇で、新約聖書を元にしている。
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| オスカー・ワイルド作戯曲「サロメ」の英訳版に付されている オードリー・ビアズリーによる挿画(その4) |
ユダヤの王(Tetrarch of Judea)であるヘロデ・アンティパス(Herod Antipas - 以下、ヘロデ王)は、自分の兄である前王を殺害の上、前王の妃であるヘロディアス(Herodias)を奪い、今の座に就いていた。その一方で、ヘロデ王は、前王とヘロディアスの娘(Daugther of Herodias)である王女(Princess of Judea)サロメ(Salome)に魅了されており、なんとか自分のものにしようとする。
ヘロデ王が自分に向けるいやらしい視線のため、サロメは、その場に居た堪れなくなり、宴の席を離れると、井戸へと向かう。井戸には、不吉な言葉を喚き散らす預言者(Prophet)であるヨカナーン(Jokanaan)が幽閉されていた。
エロドの命により、ヨカナーンとの接触は禁じられていたが、サロメは、ヨカナーンの見張り番をしていたシリアの青年(The Young Syrian, Captain of the Guard)を色仕掛けで籠絡して、ヨカナーンとの接触を果たす。
ヨカナーンの姿を見たサロメは、彼に対して恋心を抱くが、ヨカナーンの方は、彼女の忌まわしい生い立ちを詰るばかりで、彼女の愛を受け入れなかった。自分の求愛を拒まれてしまったサロメは、ヨカナーンに対して、「必ずあなたに口付けをする。」と固く誓ったのだった。
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| オスカー・ワイルド作戯曲「サロメ」の英訳版に付されている オードリー・ビアズリーによる挿画(その5) |
宴の席に戻ったサロメに対して、ヘロデ王は、踊りを披露するよう、しつこく求めた。更に、ヘロデ王はサロメに「踊りを披露すれば、望むものを何でも褒美として与える。」と約束する。
ヘロデ王の約束を得たサロメは、皆の前で「7つのヴェールの踊り(Dance of the Seven Veils)」の踊りを披露すると、ヘロデ王に対して、ヨカナーンの首を所望した。
預言者であるヨカナーンの力を恐るヘロデ王は、サロメの申し出を断るものの、残念がら、サロメは一切聞き入れなかった。
サロメの説得を諦めたヘロデ王は、ヨカナーンの首をサロメに与えることにする。ヨカナーンの首が銀の皿にのせられ運ばれてくると、サロメは、ヨカナーンの唇に接吻して、彼への愛を語り始めた。
そんなサロメを見たヘロデ王は、兵士に命じて、彼女を殺させるのであった。
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| オスカー・ワイルド作戯曲「サロメ」の英訳版に付されている オードリー・ビアズリーによる挿画(その6) |
戯曲「サロメ」は、1891年にフランス語で執筆されて、1893年にパリで出版された後、1896年にパリで上演された。
同戯曲の英訳版は、1894年に出版されているが、英国では、内容の背徳性を踏まえて、上演禁止令が出されたため、1931年まで上演が叶わなかった。






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