英国の Laurence King Publishing Group Ltd. より2022年に出ているジグソーパズル「フランケンシュタインの世界(The World of Frankenstein)」のイラスト内には、英国の小説家メアリー・ウルストンクラフト・ゴドウィン・シェリー(Mary Wollstonecraft Godwin Shelley:1797年ー1851年)が1818年1月に発表したゴシック小説「フランケンシュタイン、或いは、現代のプロメテウス(Frankenstein; or, the Modern Prometheus. → 2021年3月24日付ブログで紹介済)」の物語に関して、各場面が散りばめられているので、前回と同様に、順番に紹介していきたい。
<怪物の話(The Creature’s Narrative)>
今回は、「その4」となる。
(17)
自分の創造主であるヴィクター・フランケンシュタインの弟であるウィリアムを絞殺した怪物は、 ウィリアムが持っていたロケットを奪うと、 納屋で眠っていたナニーのジュスティーヌ・モリッツのポケットへと入れて、 無実の罪を着せる。 |
放浪を続ける「怪物」は、自分の創造主であるヴィクター・フランケンシュタイン(Victor Frankenstein)の故郷であるジュネーヴ(Geneva)へと向かう途中、ヴィクターの弟ウィリアム(William)と出会った。ウィリアムがヴィクターの家族の一人であることを知った怪物は、ヴィクターへの強い復讐心から、ウィリアムを絞め殺してしまう。
ウィリアムが胸元に下げていたロケット(locket - 彼の母キャロライン(Caroline)の肖像画が描かれた)を奪い取ると、怪物は、納屋(barn)で眠っていたウィリアムのナニーであるジュスティーヌ・モリッツ(Justine Moritz)のポケットの中へと忍ばせたのである。
2014年に米国の出版社 Dover Publications, Inc. から発刊された 「フランケンシュタイン」のグラフィックノベル版から抜粋 - 怪物は、ヴィクター・フランケンシュタインへの復讐のため、 彼の弟であるウィリアムを殺害した後、 ウィリアムのロケットを、納屋で眠っていたナニーのジュスティーヌ・モリッツのポケットへと忍ばせた。 |
(18)
ウィリアム・フランケンシュタインのナニーであるジュスティーヌ・モリッツは、 彼を殺害していないにもかかわらず、 怪物が彼女のポケットに忍ばせた彼のロケットが決め手となり、 ウィリアム殺害の罪で捕らえられてしまう。 |
自分のポケットの中から見つかったウィリアムのロケットが、何故に、そこにあったのかについて、ウィリアムのナニーであるジュスティーヌは、何一つ説明することができなかった。ウィリアムのロケットは、非常に高価なものであり、ジュスティーヌは、ウィリアムからそれを奪うため、彼を絞殺したと疑われて、彼女は、ウィリアムの殺害犯として、絞首刑に処せられてしまう。
故郷であるジュネーヴへと戻ったヴィクター・フランケンシュタインは、彼女は無実で、弟ウィリアムを殺害した犯人は、自分が創り出した怪物であることを確信していたが、証拠がなく、どうすることもできなかったのである。
2014年に米国の出版社 Dover Publications, Inc. から発刊された 「フランケンシュタイン」のグラフィックノベル版から抜粋 - ウィリアム・フランケンシュタインの殺害について、 怪物によって無実の罪を着せられたナニーのジュスティーヌ・モリッツは、 絞首刑に処せられてしまうが、 ヴィクター・フランケンシュタインとしては、 彼女の無実を確信するものの、どうすることもできなかった。 |
0 件のコメント:
コメントを投稿