サー・アーサー・イグナティウス・コナン・ドイル(Sir Arthur Ignatius Conan Doyle:1859年-1930年)が執筆したシャーロック・ホームズシリーズにおいて、拳銃を持ったシャーロック・ホームズの挿絵につき、紹介したい。
また、ホームズに加えて、ジョン・H・ワトスンや他の登場人物が拳銃を持った挿絵も掲載する。
今回も、ホームズシリーズの第3短編集「シャーロック・ホームズの帰還(The Return of Sherlock Holmes)」に収録されている挿絵について、紹介する。
挿絵を担当しているのは、挿絵画家であるシドニー・エドワード・パジェット(Sidney Edward Paget:1860年ー1908年)である。
(9)「孤独な自転車乗り(The Solitary Cyclist → 2022年12月11日 / 12月21日および2023年1月5日 / 1月8日付ブログで紹介済)」
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英国で出版された「ストランドマガジン」 1904年1月号に掲載された挿絵 - オークの樹の下で、ウィリアムスン牧師(Williamson)が、 ヴァイオレット・スミス嬢(Miss Violet Smith)と ジャック・ウッドリー(Jack Woodley)の 結婚式を執り行っているところへ駆け付けた ボブ・カラザース(Bob Carruthers)が、 ジャック・ウッドリーを 回転式連発拳銃(revolver)で撃つ場面が描かれている。 画面左側から、ヴァイオレット・スミス嬢、 ウィリアムスン牧師、ジャック・ウッドリー、 ボブ・カラザース、ジョン・H・ワトスン、 そして、シャーロック・ホームズが立っている。 挿絵:シドニー・エドワード・パジェット (1860年 - 1908年)
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「孤独な自転車乗り」は、ホームズシリーズの短編小説56作のうち、28番目に発表された作品で、英国では、「ストランドマガジン(The Strand Magazine)」の1904年1月号に、また、米国では、「コリアーズ ウィークリー(Collier’s Weekly)」の1903年12月26日号に掲載された。
同作品は、1905年に発行されたホームズシリーズの第3短編集である「シャーロック・ホームズの帰還」に収録されている。
(10)「チャールズ・オーガスタス・ミルヴァートン(Charles Augustus Milverton)」
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英国で出版された「ストランドマガジン」 1904年4月号に掲載された挿絵 - 結婚を控えたある令嬢から依頼を受けた シャーロック・ホームズとジョン・H・ワトスンの2人は、 その令嬢が田舎の貧乏貴族宛に送ったラブレターを取り戻すべく、 マスクで顔を隠した上で、 恐喝王チャールズ・オーガスタス・ミルヴァートンが住む ハムステッド地区(Hampstead)内の 屋敷アップルドアタワーズ(Appledore Towers)へと忍び込む。 その最中、一人の女性が、恐喝王ミルヴァートンの前に現れた。 その女性は、ミルヴァートンの恐喝により、 人生を破滅させられた被害者の一人で、 そのため、彼女の夫は、死に追い込まれていた。 その女性は、小型の回転式連発拳銃(revolver)を取り出すと、 自身と夫の復讐のため、ミルヴァートンに向けて、 報復の弾丸を次々と撃ち込んだのである。 画面左側の人物が復讐のために現れら女性で、 右側の人物が恐喝王チャールズ・オーガスタス・ミルヴァートン。 挿絵:シドニー・エドワード・パジェット (1860年 - 1908年) |
「チャールズ・オーガスタス・ミルヴァートン」は、ホームズシリーズの短編小説56作のうち、31番目に発表された作品で、英国では、「ストランドマガジン」の1904年4月号に、また、米国では、「コリアーズ ウィークリー」の1904年3月26日号に掲載された。
同作品は、ホームズシリーズの第3短編集である「シャーロック・ホームズの帰還」(1905年)に収録されている。
(11)「六つのナポレオン像(The Six Napoleons)」
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英国で出版された「ストランドマガジン」 1904年5月号に掲載された挿絵 - 6つのナポレオン像のうち、残った2つがある場所に、 犯人が必ず姿を現わすと予想したシャーロック・ホームズは、 ジョン・H・ワトスンと スコットランドヤードのレストレード警部(Inspector Lestrade)を伴い、 ハマースミス橋(Hammersmith Bridge)を渡ると、 チジック地区(Chiswick)ラバーナムヴェール(Laburnum Vale)の ラバーナム荘(Laburnum Lodge)の前に張り込んだ。 夜の11時過ぎ、黒い人影がラバーナム荘の中へ侵入すると、 白いものを抱えて、再び、姿を現した。 明るいところで、犯人がラバーナム荘から盗み出したナポレオン像を砕いた際、 作業に没頭している犯人の背中へ、 ホームズが虎のように飛び掛かり、犯人を取り押さえると、 レストレード警部とワトスンが片方ずつ犯人の手首をつかみ、 レストレード警部が、犯人に手錠を掛けた。 画面左側から、犯人のベッポー(Beppo)、ホームズ、 ワトスン、そして、レストレード警部。 コナン・ドイルの原作には、 「I was not surprised when Holmes suggested that I should take my revolver with me. (既に予想していたが、ホームズは、私に対して、 回転式連発拳銃を持って行くように指示した。)」と記述されているので、 挿絵のワトスンは、右手に回転式連発拳銃を持っているように見える。 挿絵:シドニー・エドワード・パジェット (1860年 - 1908年)
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「六つのナポレオン像」は、ホームズシリーズの短編小説56作のうち、32番目に発表された作品で、英国では、「ストランドマガジン」の1904年5月号に、また、米国では、「コリアーズ ウィークリー」の1904年4月30日号に掲載された。
同作品は、ホームズシリーズの第3短編集である「シャーロック・ホームズの帰還」(1905年)に収録されている。
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