2023年4月12日水曜日

拳銃を持ったシャーロック・ホームズ - その5

サー・アーサー・イグナティウス・コナン・ドイル(Sir Arthur Ignatius Conan Doyle:1859年-1930年)が執筆したシャーロック・ホームズシリーズにおいて、拳銃を持ったシャーロック・ホームズの挿絵につき、紹介したい。

また、ホームズに加えて、ジョン・H・ワトスンや他の登場人物が拳銃を持った挿絵も掲載する。


今回も、ホームズシリーズの第3短編集「シャーロック・ホームズの帰還(The Return of Sherlock Holmes)」に収録されている挿絵について、紹介する。

挿絵を担当しているのは、挿絵画家であるシドニー・エドワード・パジェット(Sidney Edward Paget:1860年ー1908年)である。


(9)「孤独な自転車乗り(The Solitary Cyclist → 2022年12月11日 / 12月21日および2023年1月5日 / 1月8日付ブログで紹介済)」


英国で出版された「ストランドマガジン」
1904年1月号に掲載された挿絵 -

オークの樹の下で、ウィリアムスン牧師(Williamson)が、
ヴァイオレット・スミス嬢(Miss Violet Smith)と
ジャック・ウッドリー(Jack Woodley)の
結婚式を執り行っているところへ駆け付けた
ボブ・カラザース(Bob Carruthers)が、
ジャック・ウッドリーを
回転式連発拳銃(revolver)で撃つ場面が描かれている。
画面左側から、ヴァイオレット・スミス嬢、
ウィリアムスン牧師、ジャック・ウッドリー、
ボブ・カラザース、ジョン・H・ワトスン、
そして、シャーロック・ホームズが立っている。
挿絵:シドニー・エドワード・パジェット
(1860年 - 1908年)


孤独な自転車乗り」は、ホームズシリーズの短編小説56作のうち、28番目に発表された作品で、英国では、「ストランドマガジン(The Strand Magazine)」の1904年1月号に、また、米国では、「コリアーズ ウィークリー(Collier’s Weekly)」の1903年12月26日号に掲載された。

同作品は、1905年に発行されたホームズシリーズの第3短編集である「シャーロック・ホームズの帰還」に収録されている。


(10)「チャールズ・オーガスタス・ミルヴァートン(Charles Augustus Milverton)」


英国で出版された「ストランドマガジン」
1904年4月号に掲載された挿絵 -
結婚を控えたある令嬢から依頼を受けた
シャーロック・ホームズとジョン・H・ワトスンの2人は、
その令嬢が田舎の貧乏貴族宛に送ったラブレターを取り戻すべく、
マスクで顔を隠した上で、
恐喝王チャールズ・オーガスタス・ミルヴァートンが住む
ハムステッド地区(Hampstead)内の
屋敷アップルドアタワーズ(Appledore Towers)へと忍び込む。
その最中、一人の女性が、恐喝王ミルヴァートンの前に現れた。
その女性は、ミルヴァートンの恐喝により、
人生を破滅させられた被害者の一人で、
そのため、彼女の夫は、死に追い込まれていた。
その女性は、小型の回転式連発拳銃(revolver)を取り出すと、
自身と夫の復讐のため、ミルヴァートンに向けて、
報復の弾丸を次々と撃ち込んだのである。
画面左側の人物が復讐のために現れら女性で、
右側の人物が恐喝王チャールズ・オーガスタス・ミルヴァートン。
挿絵:シドニー・エドワード・パジェット
(1860年 - 1908年)

チャールズ・オーガスタス・ミルヴァートン」は、ホームズシリーズの短編小説56作のうち、31番目に発表された作品で、英国では、「ストランドマガジン」の1904年4月号に、また、米国では、「コリアーズ ウィークリー」の1904年3月26日号に掲載された。

同作品は、ホームズシリーズの第3短編集である「シャーロック・ホームズの帰還」(1905年)に収録されている。


(11)「六つのナポレオン像(The Six Napoleons)」


英国で出版された「ストランドマガジン」
1904年5月号に掲載された挿絵 -
6つのナポレオン像のうち、残った2つがある場所に、
犯人が必ず姿を現わすと予想したシャーロック・ホームズは、
ジョン・H・ワトスンと
スコットランドヤードのレストレード警部(Inspector Lestrade)を伴い、
ハマースミス橋(Hammersmith Bridge)を渡ると、
チジック地区(Chiswick)ラバーナムヴェール(Laburnum Vale)の
ラバーナム荘(Laburnum Lodge)の前に張り込んだ。
夜の11時過ぎ、黒い人影がラバーナム荘の中へ侵入すると、
白いものを抱えて、再び、姿を現した。
明るいところで、犯人がラバーナム荘から盗み出したナポレオン像を砕いた際、
作業に没頭している犯人の背中へ、
ホームズが虎のように飛び掛かり、犯人を取り押さえると、
レストレード警部とワトスンが片方ずつ犯人の手首をつかみ、
レストレード警部が、犯人に手錠を掛けた。
画面左側から、犯人のベッポー(Beppo)、ホームズ、
ワトスン、そして、レストレード警部。
コナン・ドイルの原作には、
「I was not surprised when Holmes suggested that I should take my revolver with me.
(既に予想していたが、ホームズは、私に対して、
回転式連発拳銃を持って行くように指示した。)」と記述されているので、
挿絵のワトスンは、右手に回転式連発拳銃を持っているように見える。
挿絵:シドニー・エドワード・パジェット
(1860年 - 1908年)

六つのナポレオン像」は、ホームズシリーズの短編小説56作のうち、32番目に発表された作品で、英国では、「ストランドマガジン」の1904年5月号に、また、米国では、「コリアーズ ウィークリー」の1904年4月30日号に掲載された。

同作品は、ホームズシリーズの第3短編集である「シャーロック・ホームズの帰還」(1905年)に収録されている。


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