2023年4月25日火曜日

ティム・コリンズ作「シャーロック・ボーンズとファラオの仮面の呪い」(Sherlock Bones and The Curse of The Pharaoh’s Mask)- その2

英国の Michael O’Mara Books Limited から、
Buster Books シリーズの1冊として、2022年5月に出版された
「シャーロック・ボーンズとファラオの仮面の呪い」の裏表紙
(カバーデザイン:ジョン・ビッグウッド)


休暇を過ごすため、ロンドンからエジプトにあるナイル河(River Nile)沿いの町エル・キットン(El Kitten)へとやって来たシャーロック・ボーンズ(Sherlock Bones - シャーロック・ホームズとして、「雄(オス)犬」を擬人化)とジェーン・キャットスン(Jane Catson - ジョン・H・ワトスンとして、「雌(メス)猫」を擬人化)の2匹は、市場において、ジェーン・キャットスンの学校時代の友人であるヘイスティングス(Hastings)と待ち合わせると、近くのカフェで、3匹は一緒に昼食を食べた。

食事を終えたシャーロック・ボーンズとジェーン・キャットスンの2匹は、遊覧船に乗って、ナイル河を上り、「猫の谷(The Valley of the Cats)」へと向かった。猫の谷に眠るツタンキャットムン王(King Tutancatmun)の仮面を見物に行くのが、今回、彼らがエジプトへとやって来たメインの目的だったのである。

ツタンキャットムン王の仮面を見物することは楽しみにするシャーロック・ボーンズであったが、学校時代の友人であるヘイスティングスに、「ツタンキャットムン王の仮面を見たら、呪われるので、猫の谷へは行かない方が良い。」と言われ、ジェーン・キャットスンは震えあがり、猫の谷へと行くことに及び腰になっていた。


猫の谷に到着した遊覧船の甲板に佇む見物客の面々 -
画面左から、アナベル、フローレンス、ジェラルド、
シャーロック・ボーンズ、
ジェーン・キャットスン、
遊覧船の船長であるライラ、ウォルター、そして、
テディー
地上には、猫の谷の管理人で、案内人でもあるアーメットが居る。

ライラ(Laila - 駱駝)が船長を務める遊覧船には、シャーロック・ボーンズとジェーン・キャットスン以外に、5匹の観光客が乗船していた。


(1)フローレンス(Florence - 河馬)

(2)テディー(Teddy - バイソン)

(3)ウォルター(Walter - ライオン)

(4)アナベル(Annabelle - パンダ)

(5)ジェラルド(Gerald - パンダ)


我儘な観光客に加えて、謎が多い観光客も居て、不穏な雰囲気を湛えたまま、遊覧船は猫の谷へと到着する。


シャーロック・ボーンズとジェーン・キャットスンの2匹が
実際に見て見たいと待ち望んでいた
ツタンキャットムン王の仮面

午後1時、フローレンス、テディー、ウォルター、アナベル、ジェラルド、シャーロック・ボーンズとジェーン・キャットスンの7匹は、停泊した遊覧船から下船すると、猫の谷の管理人で、案内人でもあるアーメット(Ahmet)に連れられて、猫の谷に点在する墓所の見物へ、徒歩で出かけた。アーメットによると、猫の谷は、全部で12の墓所が点在している、とのことだった。

墓所へと向かう途中、ウォルターは、「ファラオの仮面の呪いが恐ろしい。」と言い出し、身震いした。そして、彼は、「皆は見物を続けて下さい。僕は、遊覧船へ戻ります。」と言うと、踵を返してしまった。


寝の谷の管理人 / 案内人であるアーメットの目を盗んで、
シャーロック・ボーンズは、
ジェーン・キャットスンを誘って、
再度、ツタンキャットムン王墓へと入った。
画面左側がジェーン・キャットスンで、
画面右側がシャーロック・ボーンズ。

管理人のアーメットに案内されて、第一の墓所(ネフェルキティー女王(Queen Neferkitty)墓)を見物した後、ウォルターを除く彼らは、第二の墓所であるツタンキャットムン王墓へと入った。

待ちに待ったツタンキャットムン王の仮面を見ることができたシャーロック・ボーンズとジェーン・キャットスンの2匹であったが、アーメットから事前に「何も手を触れてはいけない。」と言われたにもかかわらず、フローレンスが、壺を持ち上げたり、その中に入っていたパピルスの巻物を取り出したりして、アーメットの機嫌を損ねた。

更に、テディーが、アーメットに対して、「ツタンキャットムン王の仮面を売ってくれるのであれば、100エジプトポンドを払う。」と言い出して、アーメットが「売り物ではない。」と返事をすると、「それなら、200エジプトポンド出す。」と言う始末だった。

テディーの理不尽な態度に腹を立てたアーメットは、ツタンキャットムン王墓の見物を途中で打ち切ってしまい、シャーロック・ボーンズは、非常に失望するのであった。


ジェーン・キャットスンを連れて、
ツタンキャットムン王墓に再度入ったシャーロック・ボーンズは、
ツタンキャットムン王のミイラが眠る本当の墓室を見つけるために、
秘密の通路の探索を続けた。
画面左側がジェーン・キャットスンで、
画面右側がシャーロック・ボーンズ。


遊覧船がエル・キットンへと戻る午後6時までの残り時間、ウォルターを除く6匹は、他の墓所の見学を続けた。

ツタンキャットムン王の仮面を十二分に見ることができず、不満気なシャーロック・ボーンズは、ジェーン・キャットスンを誘うと、案内人のアーメットの目を盗んで、再度、ツタンキャットムン王墓へと入った。そして、秘密の通路を発見したシャーロック・ボーンズは、ジェーン・キャットスンを伴って、ツタンキャットムン王のミイラが眠る本当の墓室を見つけるべく、探索を始めた。

ところが、その間に、何者かがツタンキャットムン王の仮面を盗み出してしまい、案内人のアーメットの目を盗んで、ツタンキャットムン王墓へと侵入していたシャーロック・ボーンズとジェーン・キャットスンの2匹が、その盗難の犯人だと疑われる羽目に陥ったのである。


勝手にツタンキャットムン王墓へと入った
シャーロック・ボーンズとジェーン・キャットスンの2匹は、
王墓からツタンキャットムン王の仮面を盗み出した
犯人として疑われてしまう。
画面左側から、猫の谷の管理人 / 案内人であるアーメット、
ジェーン・キャットスン、そして、シャーロック・ボーンズ。


果たして、ツタンキャットムン王の仮面を盗み出した本当の犯人とは、一体、何者なのか?

それは、シャーロック・ボーンズの宿敵であるモリアーティー(Moriarty - ジェイムズ・モリアーティー教授(Professor James Moriarty)として、「雄(オス)鼠」を擬人化)であった。


王墓からツタンキャットムン王の仮面を盗み出した
真犯人は、シャーロック・ボーンズの宿敵である
モリアーティーだった。


ティム・コリンズ(Tim Collins)が執筆を、そして、ジョン・ビッグウッド(John Bigwood)が挿絵を担当した本作品「シャーロック・ボーンズとファラオの仮面の呪い(Sherlock Bones and The Curse of The Pharaoh’s Mask)」は、カテゴリーとしては、児童文学(ミステリー)ではあるものの、大人の観点から公平に見ても、なかなか展開は面白い上に、途中、全部で25個のパズルも組み込まれており、これらが子供騙しのような簡単なものでは決してないので、なかなかお勧めと言える。


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