サー・アーサー・イグナティウス・コナン・ドイル(Sir Arthur Ignatius Conan Doyle:1859年-1930年)が執筆したシャーロック・ホームズシリーズにおいて、拳銃を持ったシャーロック・ホームズの挿絵につき、紹介したい。
また、ホームズに加えて、ジョン・H・ワトスンや他の登場人物が拳銃を持った挿絵も掲載する。
今回は、ホームズシリーズの第5短編集である「シャーロック・ホームズの事件簿(The Case-Book of Sherlock Holmes)」に収録されている挿絵に関して、紹介する。
ホームズシリーズの第1短編集「シャーロック・ホームズの冒険(The Adventures of Sherlock Holmes)」(1892年)、第2短編集「シャーロック・ホームズの回想(The Memoirs of Sherlock Holmes)」(1893年)、第3長編「バスカヴィル家の犬(The Hound of the Baskervilles)」(1901年8月ー1902年4月)、そして、第3短編集「シャーロック・ホームズの帰還(The Return of Sherlock Holmes)」(1905年)まで挿絵を担当していた挿絵画家であるシドニー・エドワード・パジェット(Sidney Edward Paget:1860年ー1908年)は、1908年1月28日に亡くなったため、第5短編集「シャーロック・ホームズの事件簿」の挿絵は、他のイラストレーターによる挿絵となっている。
(15)「三人のガリデブ(The Three Garridebs)」
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英国で出版された「ストランドマガジン」 1925年1月号に掲載された挿絵 - シャーロック・ホームズとジョン・H・ワトスンの二人は、 午後4時に、エッジウェアロード (Edgware Road → 2016年1月30日付ブログで紹介済)近くの ネイサン・ガリデブ(Nathan Garrideb)が住む リトルライダーストリート156番地 (156 Little Ryder Street → 2015年5月2日付ブログで紹介済) の建物を訪れた。 帰るところだった管理人のサンダース夫人(Mrs. Saunders)に 内へと入れてもらった二人は、 1階の部屋にある戸棚の後ろに、身を潜めた。 午後5時近くになると、 米国から英国へとやって来た弁護士のジョン・ガリデブ(John Garrideb)こと、 殺し屋エヴァンズ(Killer Evans)が玄関から入って来ると、 部屋の中央にあるテーブルを片隅に寄せ、 絨毯をどけて、金てこを使い、 床の跳ね上げ戸(trapdoor)を開けた。 戸棚の後ろから忍び出たホームズとワトスンは、 跳ね上げ戸から頭を覗かせた殺し屋エヴァンズに対して、 二丁の拳銃(pistols)を突き付けた。 画面左側から、ジョン・ガリデブ(殺し屋エヴァンズ)、 ワトスン、そして、ホームズ。 挿絵:ハワード・ケッピー・エルコック (1886年ー1952年) |
「三人のガリデブ」は、ホームズシリーズの短編小説56作のうち、49番目に発表された作品で、英国では、「ストランドマガジン(The Strand Magazine)」の1925年1月号に、また、米国でも、「コリアーズ ウィークリー(Collier’s Weekly)」の1924年10月25日号に掲載された。
同作品は、1927年に発行されたホームズシリーズの第5短編集である「シャーロック・ホームズの事件簿」に収録されている。
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英国で出版された「ストランドマガジン」 1925年1月号に掲載された挿絵 - 米国から英国へとやって来た弁護士のジョン・ガリデブ(John Garrideb)こと、 殺し屋エヴァンズ(Killer Evans)が胸元から取り出した回転式連発拳銃(revolver)で 腿を撃たれたジョン・H・ワトスンは、床に転倒する。 シャーロック・ホームズは、拳銃(pistol)を撃つ代わりに、 拳銃の台尻を、殺し屋エヴァンズの頭に激しく打ちつけた。 そして、ワトスンの身を心配したホームズが、 有名なセリフを発する。 「怪我なんかないよな、ワトスン?後生だから、怪我なんかないと言ってくれ! (You're not hurt, Watson? For God's sake, say that you are not hurt?)」 画面左側から、ジョン・ガリデブ(殺し屋エヴァンズ)、 ホームズ、そして、ワトスン。 挿絵:ハワード・ケッピー・エルコック (1886年ー1952年)
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