2026年4月17日金曜日

エルキュール・ポワロの世界 <ジグソーパズル>(The World of Hercule Poirot )- その29B

英国の HarperCollinsPublishers 社から現在出版されている
アガサ・クリスティー作「ポワロのクリスマス」の
ペーパーバック版の表紙 -

雪が降る空を背景にした表紙が、

柊(ヒイラギ)の葉の形に切り取られている。


アドルスフィールドのロングデイルにある屋敷ゴーストンホールの当主シメオン・リー( Simeon Lee)は、英国上流階級に属する大富豪の老人で、若い頃、南アフリカでダイヤモンドを採掘して、ひと財産を築いた。そして、今でも、自室の金庫に保管しているダイヤモンドの原石を取り出して、手に取っては、過去を懐かしんでいた。

シメオン・リーは若い頃から残酷な仕打ちと絶え間無い女遊びを続けたため、彼の妻は心を病んだ結果、既に亡くなっており、現在は寡暮らしだった。そのため、シドニー・ホーベリー(Sydney Horbury)と言う従者 / 付き人が、彼の身の回りの世話を行っていた。


シメオン・リーは、冷酷で横暴な性格で、弱さを非常に嫌悪していた。また、彼は、力と勇気を讃え、金銭的には気前がよかったものの、彼が好んで発するユーモアには、サディスティックな傾向が強かった。更に、他人の貪欲さや欲望等につけ込んで、人の感情を掻き回すことが大好きだったのである。


クリスマスが間近に迫る中、シメオン・リーは、最も新しい気晴らしをを思い付いた。

それは、クリスマスに、方々に住んでいる自分の家族全員をゴーストンホールに呼び集めた上、彼らを色々と動揺させて楽しむと言う遊びだった。


シメオン・リーによってゴーストンホールに呼び集めた家族は、以下の通り。


*アルフレッド・リー(Alfred Lee):シメオン・リーの長男で、父親と同居

*リディア・リー(Lydia Lee):アルフレッド・リーの妻

*ハリー・リー(Harry Lee):シメオン・リーの次男で、放蕩息子(prodigal son)

*ジョージ・リー(George Lee):シメオン・リーの三男で、英国下院議員

*マグダリーン・リー(Magdalene Lee):ジョージ・リーの妻

*ディヴィッド・リー(David Lee):シメオン・リーの四男で、画家

*ヒルダ・リー(Hilda Lee):ディヴィッド・リーの妻

*ピラール・エストラバドス(Pilar Estravados):シメオン・リーの長女ジェニファー(Jennifer - 故人)の娘


また、シメオン・リーの旧友の息子であるスティーヴン・ファー(Stephen Farr)が、思い掛け無い飛び入りゲストとして、上記のメンバーに加わった。


軍に入隊していたにもかかわらず、父シメオン・リーに呼び戻されて、ゴーストンホールでの同居を強いられている長男アルフレッド、父シメオン・リーの金を着服した後、行方をくらましたにもかかわらず、その後も何度も不始末を仕出かしては、父に金をせびる次男ハリー。本来であれば、次男のハリーが父シメオン・リーの後を継ぐ予定だったが、次男ハリーの放蕩ぶりのため、ゴーストンホールに呼び戻された長男アルフレッドは、次男ハリーの帰還のことを快く思っていなかった。そのため、再会早々に不仲となる長男アルフレッドと次男ハリー。

妻マグダリーンによる浪費と議員活動のために、金が必要な三男ジョージ。

不遇の中、早世した母親のために、父シメオン・リーに対して長年の恨みを募らせる四男ディヴィッド。

その上、彼らの感情を更に煽るかのように、シメオン・リーは、家族全員の前で、「遺言状を書き換える」旨の発言を行い、ゴーストンホールは、不穏な空気に包まれる。


自分に対して絶対的な自信を有するシメオン・リーであったが、今度ばかりは、お遊びの度が過ぎていた。

そして、地元警察のサグデン警視(Superintendent Sugden)が、警察孤児院への寄付の集金のため、シメオン・リーの元を訪れたクリスマスイヴの日(12月24日)の夜、事件は発生する。

サグデン警視がゴーストンホールを辞去した後、シメオン・リーの部屋から、凄まじい物音と叫び声が聞こえてきたのである。それを聞いて、家族全員が鍵のかかったドアを壊して、部屋の中に入ると、そこには、メチャクチャになった家具とシメオン・リーの惨殺死体が転がっていたのである。


エルキュール・ポワロは、
ジグソーパズル「エルキュール・ポワロの世界」の中央に立っている。
<筆者撮影>


シメオン・リーの惨殺死体を発見したアルフレッド・リー達が警察に連絡しようとしたところ、サグデン警視が丁度ゴーストンホールに戻って来たところで、サグデン警視が事件の捜査を担当することとなった。

クリスマス休暇を過ごすために、ミドルシャー州の警察部長であるジョンスン大佐(Colonel Johnson)の家を訪れていたエルキュール・ポワロ(Hercule Poirot → 2025年10月11日付ブログで紹介済)は、ジョンスン大佐からの依頼を受けて、サグデン警視による事件捜査に協力することになる。

事件捜査を担当するサグデン警視は、上司であるジョンスン大佐とポワロに対して、「ゴーストンホールのシメオン・リーの元を訪れたが、警察孤児院への寄付の集金と言うのは、表向きのの理由で、実際には、シメオン・リーから「金庫に保管していたダイヤモンドの原石が盗まれたので、盗んだ犯人を捕まえてほしい。」と言う依頼を受けたからだ。」と説明するのであった。


(67)研磨していないダイヤモンド / ダイヤモンドの原石(uncut diamonds)



ゴーストンホールの当主シメオン・リーは、英国上流階級に属する大富豪の老人で、若い頃、南アフリカでダイヤモンドを採掘して、ひと財産を築いた。そして、今でも、自室の金庫に保管しているダイヤモンドの原石を取り出して、手に取っては、過去を懐かしんでいた。


(68)クリスマスツリー(Christmas tree)



シメオン・リーは、冷酷で横暴な性格で、他人の貪欲さや欲望等につけ込んで、人の感情を掻き回すことが大好きだった。

クリスマスが間近に迫る中、シメオン・リーは、クリスマスに、方々に住んでいる自分の家族全員をゴーストンホールに呼び集めた上、彼らを色々と動揺させて楽しむと言う新しい気晴らしを思い付いた。


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