2026年4月22日水曜日

綾辻行人作「時計館の殺人」<小説版>(The Clock House Murders by Yukito Ayatsuji ) - その4

英国のプーシキン出版から2025年に刊行されている
Pushkin Vertigo シリーズの一つである
綾辻行人作「時計館の殺人」の英訳版内に付されている
「時計館」旧館(Old Wing)の見取り図


1989年7月30日(日)の午後、JR 大船駅に集合した


大船観音寺にある大船観音像
<筆者撮影>


*小早川 茂郎(Shigeo Kobayakawa - 44歳 / 大手出版社である稀譚社(Kitansha)が発行する超常現象を取り扱うオカルト雑誌「CHAOS」(月刊紙)の副編集長(Deputy editor-in-chief)で、W大学のOB)

*江南 孝明(Takaaki Kawaminami - 24歳 / 「CHAOS」の新米編集者)

*内海 篤志(Atsushi Utsumi - 29歳 / 稀譚社写真部のカメラマン)


*瓜生 民佐男(Misao Uryu - 20歳 / W大学3年生で、超常現象研究会会長)

*樫 早希子(Sakiko Katagi - 20歳 / W大学3年生で、超常現象研究会の会員)

*河原崎 潤一(Junichi Kawarazaki - 21歳 / W大学3年生で、超常現象研究会の会員)

*渡辺 涼介(Ryosuke Watanabe - 20歳 / W大学2年生で、超常現象研究会の会員)

*新見 こずえ(Kozue Niimi - 19歳 / W大学2年生で、超常現象研究会の会員)


の取材メンバー8名は、3台の車(小早川 茂郎の車+タクシー2台)に分乗の上、建築家の中村青司(Seiji Nakamura)が設計した「時計館(Clock House)」(神奈川県(Kanagawa Prefecture)鎌倉市(Kamakura City))に到着した。


当初の予定では、新見 こずえではなく、福西 涼太(Ryota Fukunishi - 21歳 / W大学3年生で、超常現象研究会の会員)が参加する筈だったが、2日前に起きた親戚の不幸(従兄弟のオートバイ事故死)のため、取材に参加できなくなった関係上、急遽、新見 こずえが、彼の代わりに参加していた。


時計館は、白山神社(Hakusan Shrine)や散在ガ池(Sanzaigaike)等が所在する今泉地区(Imaizumi area)がある鎌倉市北東部にあった。

時計館に到着して、建物を見上げた江南 孝明は、驚いた。彼が見上げた時計塔の文字盤には、時間と分を示す2本の針が存在していなかったからである。


小早川 茂郎を初めとする取材メンバー達を、時計館の現在の管理者である伊波 紗代子(Sayoko Inami - 46歳)が出迎えた。

彼女によると、今日から3日間、時計館に泊り込むメンバーの一人である光明寺 美琴(Mikoto Komyoji - 32歳 / 霊能者(Spirit medium)で、江南 孝明の友人である島田 潔(Kiyoshi Shimada - 40歳)が住んでいるマンションの隣人)は、既に到着済、とのことだった。


光明寺 美琴を含めた取材メンバー達は、伊波 紗代子から時計館の現当主である古峨 由季弥(Yukiya Koga - 16歳)を紹介される。

時計館の先代当主は、古峨精計社(Koga Clocks)の前会長である古峨 倫典(Michinori Koga - 63歳 / 故人)だったが、妻の古峨 時代(Tokiyo Koga - 28歳 / 故人)と一人娘の古峨 永遠(Towa Koga - 14歳 / 故人)を早くに亡くしていた。

古峨 由季弥は、元々、古峨 倫典の従弟の息子だったが、両親が亡くなったため、古峨 倫典の養子となったのである。

伊波 紗代子曰く、「慕っていた古峨 永遠が亡くなった後、古峨 由季弥は、「夢の世界」で生きている。」とのことだった。

古峨 倫典が亡くなった後、彼の妹である足立 輝美(Terumi Adachi - 58歳)が、古峨 由季弥の後見人(legal guardian)となっていたが、現在、夫の仕事の関係でオーストラリアに住んでいるため、時計館の現在の管理者である伊波 紗代子が、日本に来られない足立 輝美の代わりを務め、古峨 由季弥の世話も担当していた。

伊波 紗代子も、夫の伊波 裕作(Yusaku Inami - 40歳 / 故人)と一人娘の伊波 今日子(Kyoko Inami - 9歳 / 故人)を既に亡くしていた。彼女は、現在、耳を悪くしているようで、補聴器を付けていたが、補聴器の調子が悪いのか、頻りに耳に手をあてていた。


古峨 永遠が亡くなった後、上記以外にも、


*馬渕 智(Satoru Mabuchi - 22歳 / 故人):古峨 永遠の許嫁

*長谷川 俊政(Toshimasa Hasegawa - 52歳 / 故人):古峨家の主治医

*寺井 明江(Akie Terai - 27歳 / 故人):看護師で、長谷川 俊政の紹介により、

古峨 永遠の看護を担当。

*服部 郁夫(Ikuo Hattori - 45歳 / 故人):古峨 倫典から信頼されていた部下


が次々と死去しており、古峨家が住む時計館は、まるで何かに呪われているみたいだった。

また、時計館に出没する霊は、早世した古峨 永遠の霊であると噂されていたのである。


一方、その頃、江南 孝明との2週間前の約束通り、島田 潔は、自分の車で時計館へと急いでいた。


英国のプーシキン出版から2020年に刊行されている
Pushkin Vertigo シリーズの一つである
綾辻行人作「十角館の殺人」の英訳版の表紙
(Cover design & illustration by Jo Walker)


大分県(Oita Prefecture)O市のK大学推理小説研究会の元会員である江南 孝明と島田 潔の2人は、「十角館の殺人(The Decagon House Murders → 2023年2月21日 / 2月25日 / 3月9日 / 3月18日付ブログで紹介済)」を通じて、知り合いになっていた。

上記の事件後、江南 孝明は、大手出版社である稀譚社に入り、新米の編集者となっていた。一方、島田 潔は、「鹿谷 門実(Kadomi Shishiya)」と言うペンネームで「迷路館の殺人(The Labyrinth House Murders → 2024年12月19日 / 2025年1月9日 / 1月18日 / 3月18日付ブログで紹介済)」を出版して、駆け出しの推理作家としてデビューを飾っていた。


英国のプーシキン出版から2024年に刊行されている
Pushkin Vertigo シリーズの一つである
綾辻行人作「迷路館の殺人」の英訳版の表紙
(Cover design by Jo Walker /
Cover image by Shutterstock)


親戚の不幸のため、時計館の取材メンバーを辞退した渡辺 涼介であったが、ある記憶が気になっており、島田 潔と同じように、時計館へと向かっていた。


生憎と、時計館へと向かう車が途中で故障してしまい、島田 潔は、立ち往生。

渡辺 涼介が、偶然、そこに行き合わせる。


光明寺 美琴を含めた取材メンバー達は、伊波 紗代子に案内されて、新館(New Wing)から旧館(Old Wing)へと進む。

その途中、江南 孝明は、エントランスホールの壁に掛けられていた仮面の一つが、行きはあったにもかかわらず、帰りは無くなっているのに気付く。

誰がその仮面を取り去ったのだろうか?それとも、江南 孝明の勘違いなのか?


取材メンバー達が入った「時計館」旧館内において、
霊能者である光明寺 美琴が謎の失踪を遂げた後、
W大学超常現象研究会の会員である樫 早希子と渡辺 涼介の2人が、
正体不明の何者かによって、次々に惨殺される。


光明寺 美琴を含めた取材メンバー達が旧館エリアへ入ると、新館と旧館の間の重厚な扉が閉ざされ、施錠される。

残念ながら、島田 潔と渡辺 涼介の2人は、取材メンバー達に合流することが叶わなかった。

そして、閉ざされた旧館エリアに入った取材メンバー達は、正体不明の何者かによって、一人ずつ惨殺されていくのであった。


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