2026年4月16日木曜日

ウィリアム・ブレイク作詩「無垢の予兆」(Auguries of Innocence by William Blake)

2020年に英国のロイヤルメール(Royal Mail)から発行された
英国の詩人を特集した切手10種類の一人として、
ウィリアム・ブレイクが作詞した「無垢の予兆」が選ばれた。
132行に及ぶ「無垢の予兆」のうち、最初の2行が抜粋されている。
To see a World in a Grain of Sand
And a Heaven in a Wild Flower
一粒の砂にも、世界を見
一輪の野の花にも、天国を見


アガサ・メアリー・クラリッサ・クリスティー(Agatha Mary Clarissa Christie:1890年ー1976年)が1967年に発表したノンシリーズ作品である長編「終りなき夜に生れつく(Endless Night)」のタイトルは、英国の詩人、画家で、銅版画職人でもあったウィリアム・ブレイク(William Blake:1757年ー1827年 → 2023年5月15日付ブログで紹介済)による詩「無垢の予兆(Auguries of Innocence)」の一節である「Some are born to Endless Night.」から採られている。


2026年に英国の HarperCollinsPublishers 社から出版された
アガサ・クリスティー作「終りなき夜に生れてつく」の
愛蔵版(ハードカバー版)の表紙
(Cover design and 
illustration
by Sarah Foster / 
HarperCollinsPublishers Ltd. ) -
ドライバー等の職業を転々とするその日暮らしの風来坊であるマイケル・ロジャース
(Michael Rogers - 通称:マイク(Mike))と

米国の大富豪(石油王)の娘で、裕福な相続人であるフェニラ・グットマン

(Fenella Guteman - 通称:エリー(Ellie))の2人は、

マイクがドライバーとして働いていた頃に知り合った芸術家気質の著名な建築家で、

余命いくばくもないルドルフ・サントニックス(Rudolf Santonix)に依頼して、

キングストンビショップ村(Kingston Bishop)にある

海を臨むことができる美しい眺望の景勝地「ジプシーが丘(Gipsy’s Acre)」に

自分達の夢の邸宅を建ててもらった場面が描かれている。


ウィリアム・ブレイクは、1757年11月28日、ロンドンのソーホー地区(Soho)内に所在するブロードウィックストリート28番地(28 Broadwick Street)に、靴下商人である父ジェイムズ・ブレイク(James Blake)と母キャサリン・ブレイク(Catherine Blake)の第3子として出生し、同年12月11日に、ピカデリー地区(Piccadilly)内に所在するセントジェイムズ教会(St. James’s Church → 2018年10月13日付ブログで紹介済)において、洗礼を受けた。


ピカデリー通り(Piccadilly → 2025年7月31日付ブログで紹介済)の北側から見た
セントジェイムズ教会
<筆者撮影>


ウィリアム・ブレイクは、幼少期から絵の才能を開花し、絵画の学校に入学。また、1772年に、彫刻家であるジェイムズ・バサイア(James Basire:1730年-1802年)に弟子入り。

長じると、彼は、銅版画家、そして、挿絵画家として、生計を立てた。


イングランドの劇作家 / 詩人であるウィリアム・シェイクスピア
(William Shakespeare:1564年ー1616年)作の喜劇
「夏の夜の夢(A Midsummer Night’s Dream)」(1595年ー1596年)を題材にして、
ウィリアム・ブレイクが描いた
水彩画「オーベロン、ティターニア、パックと妖精の踊り
(Oberon, Titania and Puck with Fairies Dancing)」(1786年頃)-
画面左側から、「妖精の王オーベロン(Oberon)」、

「妖精の女王ティターニア(Titania)」と「悪戯好きの妖精パック(Puck)」が居て、

「蛾の羽(Moth)の妖精」、「芥子の種(Mustardseed)の妖精」、

「蜘蛛の巣(Cobweb)の妖精」、そして、「豆の花(Peaseblossom)の妖精」の4人は、

両手を繋ぎ、輪になって踊っている

この水彩画を所蔵しているテイト・ブリテン美術館

(Tate Britain → 2018年2月18日付ブログで紹介済)で購入した絵葉書から抜粋。


1787年頃、ウィリアム・ブレイクは、新しいレリーフ・エッチングの手法を発明し、言語テクストと視覚テクストを同列に表現できるようにしたことに加えて、出版者に頼らず、自分の印刷機を使って、自分の本を印刷できるようになった。


上記の通り、ウィリアム・ブレイクは、後の出版印刷業界に対して、大きな影響を与えることになったものの、実際には、世に殆ど認知されないまま、極貧の生活を辿り、1827年8月12日に亡くなり、シティー(City → 2018年8月4日 / 8月11日付ブログで紹介済)のバンヒルフィールズ(Bunhill Fields)に埋葬された。


ウィリアム・ブレイクによる詩「無垢の予兆」は、132行に及ぶが、アガサ・クリスティー作「終りなき夜に生れつく」の冒頭には、119行目から124行目までの6行分が引用されている。


Every Night and every Morn

Some to Misery are born.

Every Morn and every Night

Some are born to Sweet Delight,


Some are born to Sweet Delight,

Some are born to Endless Night,


ありとあらゆる夜と朝に、

不幸に生まれる者が居る。

ありとあらゆる朝と夜に、

甘美なる喜びに生まれる者が居る。


ある者は、甘美なる喜びに生まれる。

ある者は、終りなき夜に生れつく。

<筆者訳>


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