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英国の HarperCollinsPublishers 社から以前に出版されていた アガサ・クリスティー作「ポワロのクリスマス」のペーパーバック版の表紙 -ゴーストンホールの2階の「密室」状態の自室において、 喉を切り裂かれて惨殺された当主のシメオン・リーを暗示するように、 彼の部屋のドアが表紙に描かれている。 |
前回に引き続き、各作品に出てくる登場人物、建物や手掛かり等が、その対象となる。
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| ジグソーパズル「エルキュール・ポワロの世界」の完成形 <筆者撮影> |
(67)研磨していないダイヤモンド / ダイヤモンドの原石(uncut diamonds)
ジグソーパズルの中央のやや左側にある暖炉の一番左側にある柱の上に、研磨していないダイヤモンド / ダイヤモンドの原石が置かれている。
(68)クリスマスツリー(Christmas tree)
ジグソーパズル中央に立つエルキュール・ポワロ(Hercule Poirot → 2025年10月11日付ブログで紹介済)の右斜め後ろの位置に立っているジェイムズ・ハロルド・ジャップ警部(Inspector James Harold Japp / 後に主任警部(Chief Inspector)に昇進 → 2025年10月24日付ブログで紹介済)の背後にある柱の右側に、クリスマスツリー設置されている。
これらから連想されるのは、アガサ・メアリー・クラリッサ・クリスティー(Agatha Mary Clarissa Christie:1890年ー1976年)が1938年に発表した「ポワロのクリスマス(Hercule Poirot’s Christmas)」である。
「ポワロのクリスマス」は、アガサ・クリスティーが執筆した長編としては、第24
作目に、そして、エルキュール・ポワロシリーズの長編としては、第17作目に該っている。
なお、「ポワロのクリスマス」の場合、1939年に出版された米国版のタイトルは、「Murder for Christmas」が使用されている。その後、1947年には、「A Holiday for Murder」へと改題された。
序文において、アガサ・クリスティーは、義兄のジェイムズ(James)から、
*「自分の最近の作品が洗練され過ぎて、貧血症気味になってきた。」と言う指摘を受けたこと
*「もっと血にまみれて、思い切り凶暴な殺人を読みたい。」と言う要望があったこと
に応えて、「ポワロのクリスマス」を執筆した旨を記している。
また、「ポワロのクリスマス」は、アガサ・クリスティーによる長編の中で、「密室殺人」を扱った唯一の作品である。
アドルスフィールドのロングデイルにある屋敷ゴーストンホールの当主シメオン・リー( Simeon Lee)は、英国上流階級に属する大富豪の老人で、若い頃、南アフリカでダイヤモンドを採掘して、ひと財産を築いた。そして、今でも、自室の金庫に保管しているダイヤモンドの原石を取り出して、手に取っては、過去を懐かしんでいた。
シメオン・リーは若い頃から残酷な仕打ちと絶え間無い女遊びを続けたため、彼の妻は心を病んだ結果、既に亡くなっており、現在は寡暮らしだった。そのため、シドニー・ホーベリー(Sydney Horbury)と言う従者 / 付き人が、彼の身の回りの世話を行っていた。
シメオン・リーは、冷酷で横暴な性格で、弱さを非常に嫌悪していた。また、彼は、力と勇気を讃え、金銭的には気前がよかったものの、彼が好んで発するユーモアには、サディスティックな傾向が強かった。更に、他人の貪欲さや欲望等につけ込んで、人の感情を掻き回すことが大好きだったのである。
クリスマスが間近に迫る中、シメオン・リーは、最も新しい気晴らしをを思い付いた。
それは、クリスマスに、方々に住んでいる自分の家族全員をゴーストンホールに呼び集めた上、彼らを色々と動揺させて楽しむと言う遊びだった。
自分に対して絶対的な自信を有するシメオン・リーであったが、今度ばかりは、お遊びの度が過ぎていた。
まさか、クリスマスイヴの日(12月24日)に、自分が惨殺されるとは、露程も思っていなかったのである。





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