スコットランドのダンディー(Dundee)出身の学者 / 作家であるロバート・J・ハリス(Robert. J. Harris:1955年ー)が2020年に発表した「深紅色の研究(A Study in Crimson → 2024年5月6日 / 5月12日 / 5月16日付ブログで紹介済)」は、第二次世界大戦(1939年ー1945年)中の1942年9月7日から、物語が始まる。
まず最初に、陸軍省(War Office)からの依頼に基づき、ベイカーストリート221B(221B Baker Street → 2014年6月22日 / 6月29日付ブログで紹介済)を出発したシャーロック・ホームズとジョン・H・ワトスンの2人は、クロイドン(Croydon)の飛行場からスコットランドへと向かう。翌朝(9月8日)、事件をあっさりと解決してしまったホームズは、インヴァネス駅(Inverness Staton)経由、ワトスンと一緒に、ロンドンへと戻って来た。
セブンダイアルズ中央の環状交差点から 東西に延びるアーラムストリート |
その翌日(9月9日)の早朝(午前5時半過ぎ)、スコットランドヤードのレストレード警部(Inspector Lestrade)が、ベイカーストリート221Bを訪ねて来る。「残忍な殺人事件が発生した。」とのことだった。
レストレード警部の依頼に基づき、急いで着替えたホームズとワトスンは、ベイカーストリート221Bの前で待っていた警察車輌に乗り込むと、レストレード警部と一緒に、殺害現場へと向かう。
現場に到着したホームズ達が見たのは、20代の女性の死体で、喉が切られた上に、内臓の一部が持ち攫われていた。
殺害されて居た女性の身元は、以下の通り。
名前:クララ・ベントリー(Clara Bentley)
年齢:25歳
住所:クラーケンウェルガーデンズ31番地(31 Clerkenwell Gardens)- 叔母夫婦であるベリル・ベントリー(Beryl Bentley)とチャールズ・ベントリー(Charles Bentley)と居住。
学歴:Queen Anne High School / Whittingby Secretarial College
職業:Theobald’s Road(現在の地下鉄ホルボーン駅(Holborn Tube Station)近くに所在)沿いの Rialto Cinema の女性案内係 → アシスタントマネージャーへ昇格
セブンダイアルズ中央の環状交差点から 北西と南東に延びるマーサーストリート |
映画上映後、彼女は、映写技師(projectionist)のルパート・ジェイムズソン(Rupert Jameson)と一緒に、映画館を施錠すると、帰宅。
ルパート・ジェイムズソンによると、彼女は映画館を出た後、東方面へと向かったとのことだったが、彼女の死体が発見された場所は、映画館から西方面にあり、逆方向であった。
一体、彼女は、何故、帰宅方向と全く逆の場所へと向かったのか?
レストレート警部は、ポケットから懐中電灯を取り出すと、周囲の壁を照らした。なんと、煉瓦の壁には、クララ・ベントリーを殺害した犯人による署名なのか、紅いチョークで「血塗れジャック(Crimson Jack)」と書かれていた。
今回、2人の女性を惨殺した「血塗れジャック」は、「切り裂きジャック(Jack the Ripper → 2024年5月22日付ブログで紹介済)」の再来なのであろうか?
セブンダイアルズ中央の環状交差点から 南北に延びるモンマスストリート |
クララ・ベントリーの死体が発見された現場は、「セブンダイアルズ(Seven Dials)」で、実在の場所である。
「セブンダイアルズ」は、ロンドンの中心部であるロンドン・カムデン特別区(London Borough of Camden)内に所在するが、シティー・オブ・ウェストミンスター区(City of Westminster)との境目辺りにある。地下鉄ピカデリーライン(Piccadilly Line)が停まる地下鉄レスタースクエア駅(Leicester Square Tube Station)と地下鉄コヴェントガーデン駅(Covent Garden Tube Station)の北側に位置しており、コヴェントガーデン(Covent Garden)エリア内の観光名所の一つとなっている。
セブンダイアルズ中央の環状交差点から 北東に延びるショートズガーデンズ |
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