2024年5月20日月曜日

P・D・ジェイムズ作「女には向かない職業」(An Unsuitable Job for a Woman by P. D. James)- その2

英国の Faber and Faber Limited から
2020年に刊行されている
 
P・D・ジェイムズ作「女には向かない職業」の裏表紙
Cover design by Faber and Faber Limited /
Cover illustration by Ms. Angela Harding


コーデリア・グレイ(Cordelia Gray)は、22歳の若輩ながら、バーナード・G・プライド(Bernard G. Pryde)と一緒に、地下鉄オックスフォードサーカス駅(Oxford Circus Tube Station)の近くにあるプライド探偵事務所(Pryde’s Detective Agency)の共同パートナーを務めていた。

バーナード・G・プライドは、元警察官で、スコットランドヤードのアダム・ダリグリッシュ警視(Superintendent Adam Dalgliesh)の部下でもあった。


1972年6月のある朝、地下鉄のトラブルにより、いつもより30分程遅れて、探偵事務所に着いたコーデリア・グレイは、パートナーのバーナード・G・プライドが自殺している現場に遭遇して、驚く。

実は、バーナード・G・プライドは、癌に罹っており、手首を切って、事務所内で自殺していたのである。


共同パートナーのバーナード・G・プライドを失って、途方に暮れるコーデリア・グレイであったが、いろいろと考えた末に、一人で探偵稼業を続けていくことに決めた。

そんな最中、探偵事務所の単独代表となった彼女の元に、最初の依頼者が訪れる。


最初の依頼者の名前は、エリザベス・レミング(Elizabeth Leaming)と言う女性で、天然資源保護論者(conservationist)/ 微生物学者(microbiologist)であるサー・ロナルド・カレンダー(Sir Ronald Callender)の秘書を務めていた。エリザベス・レミング曰く、サー・ロナルド・カレンダーがコーデリア・グレイに対して依頼したい件があるのので、今から一緒にケンブリッジ(Cambridge)まで来てほしい、とのことだった。

そこで、コーデリア・グレイは、エリザベス・レミングと一緒に、セントラルライン(Central Line)で地下鉄オックスフォード駅から地下鉄リヴァプールストリート駅(Liverpool Street Tube Station)へ、そして、午後5時36分発の1等車に乗って、リヴァプールストリート駅(Liverpool Street Station)からケンブリッジ駅(Cambridge Station)へと向かった。


サー・ロナルド・カレンダーの実験アシスタントで、運転手も務めるクリス・ルン(Chris Lunn)が運転する車で、ケンブリッジ駅からガーフォースハウス(Garforth House)へと到着したコーデリア・グレイは、サー・ロナルド・カレンダーに紹介される。

コーデリア・グレイに面会したサー・ロナルド・カレンダーは、彼女に対して、ある事件の調査を依頼する。

それは、18日前に、彼の子息で、ケンブリッジ大学(University of Cambridge)の学生だったマーク・カレンダー(Mark Callender)が自殺を遂げた事件で、サー・ロナルド・カレンダーとしては、コーデリア・グレイに、マークが自殺をしたのか、その原因を調査してほしい、とのことだった。


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