筆者が購入した「アガサ・クリスティー マープル 2023年カレンダー」から抜粋 |
アガサ・メアリー・クラリッサ・クリスティー(Agatha Mary Clarissa Christie:1890年ー1976年)作「書斎の死体(The Body in the Library → 2022年11月22日付ブログで紹介済)」(1942年)の TV ドラマ版が、英国の TV 会社 ITV 社による制作の下、「Agatha Christie’s Miss Marple」の第1話(第1シリーズ)として、2004年に放映されている。英国の女優であるジェラルディン・マクイーワン(Geraldine McEwan:1932年ー2015年)が、ミス・ジェイン・マープルを演じている。
厳密に言うと、ミス・マープルシリーズの長編第1作目は、「牧師館の殺人(Murder at the Vicarage → 2022年10月30日 / 10月31日 / 11月26日付ブログで紹介済)」であるが、長編第2作目に該る「書斎の死体」の方が先に制作され、「牧師館の殺人」は、第2話(第1シリーズ)として放映されている。
英国 TV ドラマ版における主な登場人物(ミス・マープルを除く)と出演者は、以下の通り。
<事件の関係者>
(1)アーサー・バントリー大佐(Colonel Arthur Bantry - 退役軍人):James Fox
(2)ドリー・バントリー(Mrs. Dolly Bantry - アーサーの妻で、ミス・マープルの友人):Joanna Lumley
(3)コンウェイ・ジェファーソン(Conway Jefferson - 大富豪で、バントリー夫妻の友人):Ian Richardson
(4)アデレード・ジェファーソン(Adelaide Jefferson - コンウェイ・ジェファーソンの義理の娘 / コンウェイ・ジェファーソンの息子であるフランク・ジェファーソン(Frank Jefferson)の元妻):Tara Fitzgerald
(5)ピーター・カーモディー(Peter Carmody - アデレードが最初の結婚(相手:マイク・カーモディー(Mike Carmody)で産んだ息子):Steven Willaims
(6)マーク・ギャスケル(Mark Gaskell - コンウェイ・ジェファーソンの義理の息子 / コンウェイ・ジェファーソンの娘であるロザモンド・ジェファーソン(Rosamund Jefferson)の元夫):Jamie Theakston
(7)エドワーズ(Edwards - コンウェイ・ジェファーソンの執事):Giles Oldershaw
(8)ジョゼフィン・ターナー(Josephine Turner - 愛称:ジョージー(Josie) / マジェスティックホテル(Majestic Hotel)で働くプロダンサー / ブリッジのコンパニオン):Mary Stockley
(9)ルビー・キーン(Ruby Keene - ジョゼフィンの従姉妹で、彼女と同じプロダンサー):Emma Williams
(10)レイモンド・スター(Raymond Starr - マジェスティックホテルで働くプロダンサー)
(11)ベイジル・ブレイク(Basil Blake - セントメアリーミード村St. Mary Mead)の郊外に住む撮影所の大道具係):Ben Miller
(12)ダイナ・リー(Dinah Lee - ベイジル・ブレイクの家に同居しているプロチナブロンドの髪の女性):Emma Cooke
(13)ジョージ・バートレット(George Bartlett - マジェスティックホテルの宿泊客で、生前のルビーを最後に見かけた人物):David Williams
(14)パメラ・リーヴス(Pamela Reeves - ガールガイド団員):Florence Hoath
(15)フローレンス・スモール(Florence Small - パメラ・リーヴスの友人):Zoe Thorne
<警察関係者>
(16)メルチェット大佐(Colonel Melchett - セントメアリーミード村を管轄する警察の本部長(Chief Constable)):Simon Callow
(17)ハーパー警視(Superintendent Harper - ルビー・キーンnの失踪を担当する警察官):Jack Davenport
(18)ヘイドック医師(Dr. Haydock - 検死医):Robin Soans
アガサ・クリスティーの原作に比べると、英国 TV ドラマ版における登場人物には、以下の違いが見受けられる。
*原作の場合、アデレード・ジェファーソンの恋人として、ヒューゴ・マクリーン(Hugo McClean)が登場するが、英国 TV ドラマ版の場合、ある理由があって、登場しない。
*原作の場合、警察関係者として、メルチェット大佐やハーパー警視等に加え、サー・ヘンリー・クリザリング(Sir Henry Clithering - 元警視総監で、ミス・マープルの友人)やスラック警部(Inspector Slack - メルチェット大佐の部下)が登場するが、英国 TV ドラマ版の場合、警察関係者が多くなるためか、全く登場しない。
*原作の場合、8年前の飛行機事故により、コンウェイ・ジェファーソンは、妻(マーガレット(Margaret))、息子(フランク)と娘(ロザモンド)の3人を亡くし、血縁者が一人も居なくなってしまった。また、飛行機事故の際、彼自身、両足を失っている。一方、英国 TV ドラマ版の場合、第二次世界大戦に出征していた息子のフランクと義理の息子のマークが一時帰国した1944年の秋、ロンドンの邸宅において、フランクの誕生日パーティーを催していた際、ドイツ軍が放ったV2ロケットが邸宅の近くに着弾したため、邸宅が吹き飛ばされて、原作と同様に、妻、息子と娘の3人を亡くした上、彼自身も両足を失い、7年後の1951年まで、車椅子生活を強いられていると言う設定に変更されている。なお、アデレード・ジェファーソンとマーク・ギャスケルの両名も、フランクの誕生日パーティーに出席していて、V2ロケットの着弾による爆風を受けているが、命は助かっている。
*原作の場合、アデレード・ジェファーソンは、マイク・カーモディーと最初の結婚をして、ピーターを出生。その後、コンウェイ・ジェファーソンの息子フランク・ジェファーソンと2度目の結婚をするが、フランクを飛行機事故で失う。そして、現在、3度目の結婚を考えている恋人のヒューゴ・マクリーンが居ると言う設定になっている。一方、英国 TV ドラマ版の場合、アデレード・ジェファーソンは、マイク・カーモディーと最初の結婚をして、ピーターを出生するが、その後、マイクは戦死。その後、コンウェイ・ジェファーソンの息子フランク・ジェファーソンと2度目の結婚をするが、V2ロケットの着弾による爆風を受けて、亡くしている。そして、現在は、恋人が居るかどうかは不明と言う設定になっている。更に言うと、アデレード・ジェファーソンの最初の夫であるマイク・カーモディー、2番目の夫であるフランク・ジェファーソンとマーク・ギャスケルの3人は、親友同士で、第二次世界大戦には、戦闘機乗り(fighter pilot)として出征していると言う設定も付け加えられている。
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