英国の Metro Media Ltd. から、Self Made Hero シリーズの一つとして、 2011年に出版されている シャーロック・ホームズシリーズ長編第4作目である 「恐怖の谷」のグラフィックノベル版の表紙 |
シャーロック・ホームズシリーズの長編小説4作のうち、サー・アーサー・イグナティウス・コナン・ドイル(Sir Arthur Ignatius Conan Doyle:1859年ー1930年)が最後に発表した作品である「恐怖の谷(The Valley of Fear → 2023年5月12日 / 5月17日 / 5月21日 / 5月26日 / 5月29日 / 6月5日付ブログで紹介済)」のグラフィックノベル版が、英国の Metro Media Ltd. から、Self Made Hero シリーズの一つとして、2011年に出版されている。
なお、「恐怖の谷」は、英国では、「ストランドマガジン(The Strand Magazine)」の1914年9月号から1915年5月号まで掲載された。また、米国でも、「ニューヨーク トリビューン(The New-York Tribune)」の日曜版に連載された。
本作品のグラフィックノベル版は、作家である Ian Edginton が構成を、そして、イラストレーターである I. N. J. Culbard Norma が作画を担当している。
彼ら二人は、上記の Self Made Hero シリーズの中で、以下の作品のグラフィックノベル版を発表している。
(1)2008年: オスカー・フィンガル・オフラハティ・ウィルス・ワイルド(Oscar Fingal O’Flahertie Wills Wilde:1854年ー1900年)作「ドリアン・グレイの肖像(The Picture of Dorian Gray → 2022年10月10日付ブログで紹介済)」(1889年)
(2)2009年: コナン・ドイル作「バスカヴィル家の犬(The Hound of the Baskervilles)」(1901年-1902年)
(3)2010年: コナン・ドイル作「緋色の研究(A Study in Scarlet → 2021年5月11日 / 5月19日付ブログで紹介済)」(1887年)
(4)2010年: コナン・ドイル作「四つの署名(The Sign of the Four → 2017年8月12日付ブログで紹介済)」(1890年)
(5)2011年: コナン・ドイル作「恐怖の谷」(1914年ー1915年)
「恐怖の谷」のグラフィックノベル版の表紙には、以下のシーンが描かれている。
<上段>
第1部「バールストンの惨劇(The Tragedy of Birlstone)」- 第1章「警告(The Warning)」
1880年代の終わりに差し掛かる頃の朝、シャーロック・ホームズが、ホームズの終生のライヴァルで、「犯罪界のナポレオン(Napoleon of crime)」と呼ばれるジェイムズ・モリアーティー教授(Professor James Moriarty)の組織内に居る情報提供者であるフレッド・ポーロック(Fred Porlock - 偽名)から、数字が羅列された暗号文を受け取る場面が描かれている。
<中段>
第2部「スカウラーズ(The Scowrers)」- 第3章「ヴァーミッサ 341支部(Lodge 341, Vermissa)」
米国ペンシルヴァニア州ヴァーミッサ峡谷(Vermissa Valley)にある炭鉱街へとやって来たジョン・マクマード(John McMurdo - 本名:バーディー・エドワーズ(Birdy Edwards / のちのジョン・ダグラス(John Douglas))が、表現上は、労働者の秘密結社であるが、実質的には、マフィアの集団となっている「スカウラーズ(The Scowrers)」の入団試験として、右前腕に丸の中に三角がある焼き印を受ける場面が描かれている。
<下段>
第1部「バールストンの惨劇」- 第1章「警告」
フレッド・ポーロックから受け取った暗号文の内容について、ホームズが「バールストン館のダグラスと言う男に、危険が差し迫っている。」と解読したところへ、スコットランドヤードのアレック・マクドナルド警部(Inspector Alec MacDonald)が、ホームズを訪ねて来る。
マクドナルド警部は、テーブルの上に置かれた解読された暗号文の内容を見て、驚きを見せる。何故ならば、「昨夜、バールストン館に住むジョン・ダグラスと言う男が惨殺された。(Mr. Douglas, of Birlstone Manor House, was horribly murdered last night.)」と言う連絡を、彼は受けていたからであると言う場面が描かれている。
英国の Metro Media Ltd. から、Self Made Hero シリーズの一つとして、 2011年に出版されている シャーロック・ホームズシリーズ長編第4作目である 「恐怖の谷」のグラフィックノベル版の裏表紙 |
「恐怖の谷」のグラフィックノベル版の裏表紙には、以下のシーンが描かれている。
<上段>
第2部「スカウラーズ)」- 第3章「ヴァーミッサ 341支部(Lodge 341, Vermissa)」
ヴァーミッサ峡谷にある炭鉱街を「恐怖の谷」へと化せていた「スカウラーズ」のマギンティー支部長(Bodymaster McGinty)は、自分達のことを批判して、非常に目障りな存在となっている新聞社「ヴァーミッサヘラルド誌(The Vermissa Herald)」のジェイムズ・スタンガー編集長(Editor James Stanger)の粛清を、同志のテッド・ボルドウィン(Ted Baldwin)に対して、指示する場面が描かれている。
<下段>
第1部「バールストンの惨劇」- 第5章「事件の関係者達(The People of the Drama)」
スコットランドヤードのアレック・マクドナルド警部は、当初、ダグラス夫人(Mrs. Douglas)の体調を考慮して、彼女の部屋で証言を聞こうとしたが、勇敢にも、ダグラス夫人は、ホームズ達が待つ食堂へと姿を見せた。
そして、ダグラス夫人は、ホームズ達に対して、
・ジョン・ダグラスと結婚して、5年になるが、彼から米国での出来事にかかる話を聞いたことはない、とのことだった。ただし、夫の身辺に付き纏っている危険については、感じていた。
・ある時、ジョン・ダグラスが、「俺は、恐怖の谷に居たんだ。そこからまだ抜け出せていない。(I have been in the Valley of Fear. I am not out of it yet.)」と言う謎の言葉を発していた。
・3年前、狩猟中に事故に遭遇して、熱を出した際、ジョン・ダグラスは、怒りと恐怖が交じった表情をして、「マギンティー支部長」と言う名前を呟いていた。
と証言する場面が描かれている。
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