2023年6月7日水曜日

アガサ・クリスティーの世界<ジグソーパズル>(The World of Agatha Christie )- その23

英国の Orion Publishing Group Ltd. から出ている「アガサ・クリスティーの世界(The World of Agatha Christie)」と言うジグソーパズル内に散りばめられているアガサ・メアリー・クラリッサ・クリスティー(Agatha Mary Clarissa Christie:1890年ー1976年)の生涯や彼女が執筆した作品等に関連した90個の手掛かりについて、前回に続き、紹介していきたい。


今回も、アガサ・クリスティーが執筆した作品に関連する手掛かりの紹介となる。


(68)カボチャ(pumpkin)


アガサ・クリスティーが腰掛けている椅子の左側にある窓から、
ダート川(River Dart)を望むことができるが、
その手前の芝生の上に、カボチャが1つ置かれている。

本ジグソーパズル内において、アガサ・クリスティーが腰掛けている椅子の左側にある窓の外の芝生の上に、カボチャが1つ置かれている。

これから連想されるのは、アガサ・クリスティーが1969年に発表したエルキュール・ポワロシリーズ作品「ハロウィーンパーティー(Hallowe’en Party)」である。本作品は、アガサ・クリスティーが執筆した長編としては、第60作目に該り、エルキュール・ポワロシリーズの長編のうち、第31作目に該っている。


英国の Harper Collins Publishers 社から出版されている
アガサ・クリスティー作エルキュール・ポワロシリーズ
「ハロウィーンパーティー」のペーパーバック版の表紙

女性推理作家として有名なアリアドニ・オリヴァー夫人(Mrs. Ariadne Oliver)は、ロンドンから30ー40マイル程離れた町ウッドリーコモン(Woodleigh Common)に住む友人のジュディス・バトラー(Judith Butler)宅に滞在していた。

ウッドリーコモンの中心的な存在であるロウィーナ・ドレイク夫人(Mrs. Rowena Drake)が、学校の生徒達のために、ハロウィーンパーティーを主催することになり、オリヴァー夫人も参加する運びとなった。


ハロウィーンパーティーを晩に控えた午後、ドレイク夫人宅「リンゴの木荘(Apple Trees House)」において、学校の生徒達が準備の手伝いをしていた。その際、生徒の一人である13歳のジョイス・レイノルズ(Joyce Reynolds)が、突然、「ずっと前に殺人を目撃したことがある。ただ、当時は、それが殺人だと判らなかった。(I witnessed a murder once, when I was little. I didn’t understand what was going on at the time.)」と言い出した。

ジョイスの話を聞いた他の生徒達は、日頃からジョイスが人の関心を惹くために、いろいろと嘘をつくので、彼女を全く相手にしない。ドレイク夫人宅に準備の手伝いに来ていたオリヴァー夫人も、ジョイスが推理作家である自分の気を引こうとしているものと思い、彼女の話を本気にしなかった。


ドレイク夫人宅において、ハロウィーンパーティーが行われた日の翌日、オリヴァー夫人が、ロンドンのエルキュール・ポワロ宅に電話をかけてきた後、慌ててやって来た。オリヴァー夫人は、ポワロに対して、ヒステリー気味に話を始める。

ハロウィーンパーティーが終わった後、以前殺人を目撃したことがあると言っていたジョイスが、ドレイク夫人宅の図書室において、リンゴが浮かぶブリキのバケツに頭を押し込まれて、溺死しているのが見つかったのである。


オリヴァー夫人から話を聞いて、ハロウィーンパーティー前の発言のために、ジョイスが口封じされたものと考えたポワロは、早速、行動に移った。

ポワロは、古い友人であるスペンス元警視(ex Superintendent Spence)の元を訪れる。偶然にも、スペンス元警視は、引退後、ジョイスが殺害された町ウッドリーコモンに住んでいた。

ポワロは、スペンス元警視に、過去数年間にウッドリーコモン周辺で殺された人物、あるいは、殺害された可能性のある人物のリストを作成してもらい、一つ一つ捜査を進める。

果たして、この中に、ジョイスが目撃したと言う殺人事件が含まれているのだろうか?


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