2023年6月9日金曜日

シェイクスピアの世界<ジグソーパズル>(The World of Shakespeare )- その11

英国の Laurence King Publishing Group Ltd. より、2020年に発売されたジグソーパズル「シェイクスピアの世界(The World of Shakespeare)」には、のイラスト内には、イングランドの劇作家 / 詩人であるウィリアム・シェイクスピア(William Shakespeare:1564年ー1616年 → 2023年5月19日付ブログで紹介済)や彼が生きた時代の人物、彼の劇が上演されたグローブ座、そして、彼が発表した史劇、悲劇や喜劇に登場するキャラクター等が散りばめられているので、前回に続き、順番に紹介していきたい。


今回紹介するのは、ウィリアム・シェイクスピア作の喜劇「十二夜(Twelfth Night, or What You Will)」(1601年 / 1602年頃)で、副題は、「御意のままに」となっている。


グローブ座(Globe Theatre → 2023年5月8日付ブログで紹介済)の
右側に建っている居酒屋(tavern)の前で、
オリヴィアの叔父であるサー・トビー・ベルチ(画面右側の人物)と
彼n友人であるサー・アンドリュー・エイギュチーク(画面左側の人物)の2人が酒を飲み交わしている。
なお、彼らの背後には、
悲劇「オセロ(Othello → 2023年6月3日付ブログで紹介済)」に登場する
イアーゴー(Iago)、オセロー(Othello)、キャシオー(Cassio)、
そして、デズデモーナ(Desdemona)の4人が、画面左側から並んで立っている。

双子の兄妹であるセバスチャン(Sebastian)とヴァイオラ(Viola)が乗った船が嵐に遭遇して、難破したため、ヴァイオラは、イリリア(Illyria)の海岸へと打ち上げられた。

兄セバスチャンは亡くなったものと思ったヴァイオラは、自分の身を守るために、兄そっくりに男装すると、シザーリオ(Cesario)と名乗り、イリリアのオーシーノ公爵(Duke Orsino)に小姓(page)ととして仕える。ところが、ヴァイオラは、自分が仕えるオーシーノ公爵に対して、密かに恋心を抱くようになる。


ヴァイオラが恋したオーシーノ公爵は、イリリアの伯爵令嬢であるオリヴィア(Olivia)に求婚をしていたが、兄の喪に服すると言う理由で、彼女には断れ続けていた。

困ったオーシーノ公爵は、小姓のヴァイオラを呼ぶと、オリヴィアに対して、自分の気持ちを伝えるように命じる。オーシーノ公爵からの命令と彼に対する恋心の狭間に悩むヴァイオラであったが、小姓とし手の務めを果たすべく、オリヴィアの元を訪れる。

相変わらず、オリヴィアは、オーシーノ公爵からの求婚を拒んだが、彼の使者として派遣されて来たヴァイオラを男性だと思い込んでしまい、思いを寄せるようになる。そのことに気付いたヴァイオラは、実ることのない自分へのオリヴィアの想いと、オーシーノ公爵への自分の想いの両方で、更に悩むのであった。


一方、乗っていた船の難破で亡くなったものと思われていたセバスチャンは、ちょうど通りかかった別の船の船長であるアントニオ(Antonio)に救助されて、彼と一緒に、イリリアを訪れていた。


テムズ河(River Thames)に架かるロンドン橋(London Bridge)の
南岸側にある入口の左脇に置かれた樽の上に、
オリヴィアの執事であるマルヴォーリオ(Malvolio)が座っている。


その頃、オリヴィアの叔父であるサー・トビー・ベルチ(Sir Toby Belch)の友人サー・アンドリュー・エイギュチーク(Sir Andrew Aguecheek)も、オリヴィアに対して、求婚していた。オリヴィアがオーシーノ公爵の小姓に恋い焦がれていると言う話を聞き付けたサー・アンドリュー・エイギュチークは、サー・トビー・ベルチに唆されて、ヴァイオラに対して、決闘を申し入れる。

ヴァイオラは、止むを得ず、サー・アンドリュー・エイギュチークとの決闘を受けるが、その時、ヴァイオラのことをセバスチャンだと勘違いしたアントニオが、決闘を止めさせようと、割って入った。

アントニオが自分のことをセバスチャンと呼ぶのを聞いたヴァイオラは、自分の兄が生きていることを知るのであった。


アントニオと別れて、イリリア見物をしていたセバスチャンは、偶然にも、オリヴィアと出会う。セバスチャンのことをヴァイオラだと勘違いしたオリヴィアは、セバスチャンに対して、求婚する。

今までに会ったこともない美しい女性から求婚されたセバスチャンは、「夢を見ているのではないか?」と驚くが、オリヴィアの求婚を受け入れる。

今まで求婚を拒まれていたオリヴィアは、急いでセバスチャンとの結婚式を挙行するのであった。


その後、オリヴィアと出会ったオーシーノ公爵は、彼女が自分の小姓のことを「夫」と呼ぶのを聞き、裏切られたと感じ、ヴァイオラに対して、怒りをぶつける。オーシーノ公爵に激怒されたヴァイオラは、「自分は、オリヴィアの夫ではない。」と強く否定するが、逆に、オリヴィアが、「シザーリオ(=ヴァイオラのこと)に裏切られた。」と泣き始める始末だった。

オーシーノ公爵、オリヴィアとヴァイオラの3人が口論を続けているところへ、ヴァイオラと瓜二つのセバスチャンが姿を現して、3人は非常に驚くが、セバスチャンとヴァイオラの兄妹は、お互いに生きていたことを知るのであった。


オリヴィアは、ヴァイオラを男性だと勘違いして求婚したことを恥ずかしがるが、セバスチャンのことを気に入った彼女は、セバスチャンとの結婚をそのまま継続することに決めた。

一方、シザーリオが女性(ヴァイオラ)だと判ったオーシーノ公爵は、彼女に対して、求婚する。

その結果、セバスチャンとオリヴィア、そして、オーシーノ公爵とヴァイオラと言う2組のカップルが誕生して、この喜劇が終わりを迎えるのである。


元々、本喜劇「十二夜」は、クリスマスシーズンの終わりを告げる十二夜に上演するために、ウィリアム・シェイクスピアにより創作されたものと考えられているが、何故か、十二夜の行事にかかる台詞は、劇中に出てこない。


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