2026年10月31日土曜日

ブルース・ルール作「シャーロック・ホームズの更なる冒険 / 初仕事の探偵」(The Further Adventures of Sherlock Holmes: The Debutante Detective by Bruce Rule) - その2

英国の Titan Publishing Group Ltd. の Titan Books 部門から
2026年に出版された
ブルース・ルール作
「シャーロック・ホームズの更なる冒険 / 初仕事の探偵」の裏表紙


米国の作家であるブルース・ルール(Bruce Rule)が、Titan Publishing Group Ltd. から、「シャーロック・ホームズの更なる冒険(The Further Adventures of Sherlock Holmes)」シリーズの一つとして、今年(2026年7月)に発表した作品である「初仕事の探偵(The Debutante Detective)」の場合、1905年4月8日の午後遅く、ジョン・H・ワトスンが、久し振りにベイカーストリート221B(221B Baker Street → 2014年6月22日 / 6月29日付ブログで紹介済)を訪れるところから、物語が始まる。シャーロック・ホームズは、既に諮問探偵業から引退して、ロンドンを離れ、サセックス州(Sussex)のコテージで日々を過ごしていた。


ワトスンがベイカーストリート221B に入ると、ハドスン夫人(Mrs. Hudson)は居らず、何故か、上の部屋には、ホームズが居た。ホームズは、諮問探偵業から引退していたが、ロンドンに戻る用事がある場合に備え、ハドスン夫人に依頼して、部屋をそのままに管理してもらっていたのである。


そこへ、男装の女性が、ホームズの元を相談に訪れる。彼女は、「自分は、リリアン・ジョンスン(Mrs. Lillian Johnson)で、アリス・リー・ルーズヴェルト(Alice Lee Roosevelt:21歳)の秘書である。」と名乗った。

アリス・リー・ルーズヴェルトは、米国の軍人 / 政治家で、第25代副大統領、そして、ウィリアム・マッキンリー大統領の暗殺に伴い、第26代大統領に就任したセオドア・ルーズヴェルト(Theodore Roosevelt:1858年ー1919年 → 2022年10月21日 / 10月26日付ブログで紹介済)の娘で、現在、ロンドンに滞在していた。


国の Titan Publishing Group Ltd. の Titan Books 部門から
2010年に出版された
H・ポール・ジェファーズ(H. Paul Jeffers:1934年ー2009年)作
「シャーロック・ホームズの更なる冒険 / 不屈の仲間
(The Stalwart Companions → 2022年10月2日 / 10月4日 / 10月17日付ブログで紹介済)」
(1978年)の表紙(部分)に描かれているセオドア・ルーズヴェルト大統領


リリアン・ジョンスンによると、アリス・リー・ルーズヴェルトが米国の駐英大使であるジョーゼフ・ホッジス・チョート氏(Mr. Joseph Hodges Choate)と昼の会食をしている間、ホテルの部屋(アリス・リー・ルーズヴェルト用)に一人で居た、とのこと。

その時、部屋のドアがノックされたので、彼女はホテルの従業員だと思い、ドアを開けた。アリス・リー・ルーズヴェルトは、リリアン・ジョンスンに対して、「事前の約束がない訪問者は、 部屋に入れないこと。」と言い渡していた。リリアン・ジョンスンがドアを開けたところ、そこには、ホテルの従業員ではなく、英国人の紳士が立っていたのである。 驚いたリリアン・ジョンスンがホテルの従業員を呼んでいる間に、ホテルの部屋のテーブルの上に置かれていたある重要な書類が紛失していたのである。 


それは、セオドア・ルーズヴェルト大統領の指示に基づいて、アリス・リー・ルーズヴェルトがロンドンに持参した日露戦争(1904年ー1905年)にかかる大日本帝国とロシア帝国の間の講和条約に関する書類だったのだ。


リリアン・ジョンスンの話を聞いたホームズは、悪党のフィッツロイ(Mr. Fitzroy)による仕業で、彼女が呼んだホテルの従業員は、フィッツロイの共犯者であると考えた。ホームズは、リリアン・ジョンスンに対して、「明日、アリス・リー・ルーズヴェルトとの面談をアレンジしてほしい。」と依頼。


翌日の午前中、ワトスンは診察で多忙だったが、昼頃、ホームズからの連絡があり、今日の午後6時に米国大使館に集合するよう、指示を受けた。

ホームズの指示通り、ワトスンが馬車で米国大使館に到着すると、米国の駐英大使ジョーゼフ・ホッジス・チョート氏の出迎えを受ける。ワトスンが大使館の中に入ると、ホームズが既に待っていた。

そして、ホームズ / ワトスンとアリス・リー・ルーズヴェルトの面談が始まった。


ホームズの説明によると、


*米国大使館は、スイスの国境に近いフランスの村からの電報を受け取った。その電報は、ホームズが、明日の午後遅くに、ロンドンへ戻る予定と言う内容だった。

*英国政府との間に裏のパイプを持つフィッツロイに、この電報の内容は既に漏れていると考えられる。

*従って、フィッツロイは、ホームズがロンドンに戻る前に、日露戦争にかかる大日本帝国とロシア帝国の間の講和条約に関する書類を、大日本帝国とロシア帝国のどちらかに売りさばく可能性が非常に高い。

*実際、フィッツロイは、大日本帝国とロシア帝国の政府関係者達に、明日の午前10時に自分の邸宅に来るよう、既に連絡をしている。大日本帝国とロシア帝国のうち、購入価格を高く提示した方へ書類を売る筈。


とのことだった。


翌朝、ホームズによるメイクアップを受けて、庭師に変装したワトスンは、スコットランドヤードのレストレイド警部(Inspector Lestrade)と一緒に出発、フィッツロイの邸宅へと向かった。


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