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| 2024年に英国の Guild of Master Craftsman Publishing Ltd. から Button Books シリーズの1冊として、英訳版が刊行されている Noh Yi-jeong 作「シャーロック・ホームズの冒険」に収録されている 「ぶな屋敷」から抜粋(その1) |
韓国(South Korea)のイラストレーターである Noh Yi-jeong により制作の上、2022年に韓国の Blue Rabbit Publishing Co, Ltd. から Manga Classic Literature シリーズの1冊として出版された後、2024年に英国の Guild of Master Craftsman Publishing Ltd. から Button Books シリーズの1冊として、英訳版が刊行されているサー・アーサー・イグナティウス・コナン・ドイル(Sir Arthur Ignatius Conan Doyle:1859年ー1930年)作「シャーロック・ホームズの冒険(The Adventures of Sherlock Holmes)」のグラフィックノベル版に収録されている短編5作のうち、最後の作品は、「ぶな屋敷(The Copper Beeches)」である。
「ぶな屋敷」は、シャーロック・ホームズシリーズの短編小説56作のうち、12番目に発表された作品で、英国の「ストランドマガジン(The Strand Magazine)」の1892年6月号に掲載された後、同年発行の第1短編集「シャーロック・ホームズの冒険(The Adventures of Sherlock Holmes)」に収録されている。
ちなみに、本作品は、作者であるコナン・ドイルの母親であるメアリーが思いついたアイディアが、物語のベースになっている。
1891年7月の「ボへミアの醜聞(A Scandal in Bohemia → 2022年12月18日+2023年8月6日 / 8月9日 / 8月19日付ブログで紹介済)」を皮切りに、「ストランドマガジン」に毎月シャーロック・ホームズ作品を連載していたコナン・ドイルであったが、毎回新しいストーリーを考え出して作品を創作することが、彼にはだんだん苦痛となってきていた。また、コナン・ドイルとしては、自分の文学的才能は長編歴史小説の分野において発揮/ 評価されるべきと考えており、ホームズ作品は彼にとってはあくまでも副業に過ぎなかったのである。
ところが、「ストランドマガジン」を通じて、ホームズ作品が予想以上に爆発的な人気を得るに至ったため、コナン・ドイルは、ホームズ作品の原稿締め切りに毎回追われる始末で、自分が本来注力したい長編歴史小説に時間を全く割けない状況であった。
そのため、コナン・ドイルとしては、ホームズシリーズを打ち切るつもりでいたが、母親から物語のアイディアを得たことにより、ホームズシリーズは存続することとなった。
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| 英国で出版された「ストランドマガジン」 1892年6月号に掲載された挿絵(その1) - ベイカーストリート221B において、 シャーロック・ホームズは、ジョン・H・ワトスンに対して、「最近、自分のところに持ち込まれる依頼の質が落ちた。」と嘆く。 挿絵:シドニー・エドワード・パジェット (Sidney Edward Paget 1860年 - 1908年) |
ジョン・H・ワトスンに対して、「ここのところ、自分のところに持ち込まれる依頼の質が落ちた。」と嘆くホームズの元に、若い家庭教師であるヴァイオレット・ハンター(Violet Hunter)から、相談の手紙が来た。
約束した翌日の午前10時半に、ベイカーストリート221B(221B Baker Street → 2014年6月22日 / 6月29日付ブログで紹介済)に現れたヴァイオレット・ハンターによると、彼女は、現在、失業中で、次の仕事の目処が立っていなかった。そんな中、ウェストエンド(West End)にある家庭教師紹介所ウェストアウェイ(Westaway)において、彼女は、ジェフロ・ルーカッスル氏(Mr. Jephro Rucastle)なる人物から、破格の給料(年額100ポンド → 後に、年額120ポンドへ値上げ / なお、ヴァイオレット・ハンターは、以前の勤務先で、月額で4ポンドの報酬を得ていた)で、住み込みの家庭教師の申し出を受けた。
しかしながら、このあまりに高額の報酬には、いくつかの条件があった。
(1)ハンプシャー州(Hampshire)のウィンチェスター(Winchester)から5マイル離れた「ぶな屋敷」に住み込むこと
(2)6歳の腕白坊主の面倒を見ること
(3)妻(ルーカッスル夫人)のちょっとした頼みをきくこと
(4)雇い主(ルーカッスル氏)が指定する服を着ること
(5)「ぶな屋敷」へ来る際に、髪を短く切ってくること
条件のうち、(1)から(3)については、ヴァイオレット・ハンターとしても、問題なかったが、(4)と(5)に関しては、何か不自然なところがあると疑い始めた。特に、(5)の場合、亡き母からも喜ばれていた長い髪を切ることになり、彼女としては、受け入れることができず、その場でルーカッスル氏の申し出を断ってしまった。
ルーカッスル氏の申し出を断ったヴァイオレット・ハンターであったが、生活が苦しくなってきたため、折角舞い込んだ高額の働き口を受けなかったことを後悔していた。そんな最中、ルーカッスル氏から、彼女宛に再考を求める手紙が届いた。その手紙の中で、報酬の年額が当初の100ポンドから120ポンドへと引き上げられていたのである。
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| 英国で出版された「ストランドマガジン(The Strand Magazine)」 1892年6月号に掲載された挿絵(その2) - 推理に必要なデータが不足しているシャーロック・ホームズとしては、 ヴァイオレット・ハンターがぶな屋敷へ赴くことを止めることはできなかったが、 彼女に対して、「昼でも夜でも構わないので、何かあれば、 電報で知らせてほしい。」と頼むのであった。 挿絵:シドニー・エドワード・パジェット |
生活が苦しい中、高額な報酬に未練があるものの、ルーカッスル氏から提示された不自然な条件に引き続き疑念を抱くヴァイオレット・ハンターは、ホームズに対して、助言を求める。
彼女の話を聞いたホームズは、こう答えた。「正直に言うと、これが自分の妹だったら、引き受けさせたくないですね。(I confess that it is not the situation which I should like to see a sister of mine apply for.)」と。
(1)「女家庭教師の来訪(A Visit from a governess)」(20ページ)
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ある日の午前、若い家庭教師であるヴァイオレット・ハンターがベイカーストリート221B のホームズの元を訪れる冒頭から、「ぶな屋敷」で住み込みの家庭教師として働き始めた彼女からホームズ宛に緊急を知らせる電報が届き、ホームズとワトスンの2人が急いで現地へと向かうところまでが描かれている。
(2)「ぶな屋敷の別棟の謎(The secret wing)」(16ページ)
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ウィンチェスターの「黒鳥ホテル(Black Swan Hotel)」において、ヴァイオレット・ハンターと落ち合ったホームズとワトスンの2人が、彼女から「ぶな屋敷」で起こっている非常に奇妙な話の数々を聞くところから、物語の最後までが描かれている。
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イケメンのホームズ / ワトスンや彼らの年齢設定等については、読者によって好みが分かれると思われるが、「ボヘミアの醜聞(A Scandal in Bohemia → 2026年1月19日付ブログで紹介済)」、「赤毛組合(The Red-Headed League → 2026年1月24日付ブログで紹介済)」、「まだらの紐(The Speckled Band → 2026年10月10日付ブログで紹介済)」や「六つのナポレオン像(The Six Napoleons → 2026年10月13日付ブログで紹介済)」と同様に、36ページの中に、物語がうまくまとめられている。






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