2023年11月25日土曜日

チャールズ・ディケンズの世界<ジグソーパズル>(The World of Charles Dickens )- その7

画面中央の男性(右手に原稿の束を、左手に羽根ペンを持った男性)が、
英国の小説家 / 推理作家 / 劇作家であるウィリアム・ウィルキー・コリンズである。
彼の左側に立つ女性は、彼が1859年から1860年にかけて
チャールズ・ディケンズ主宰の雑誌に連載した「白衣の女」に登場する
アン・キャサリックである。


英国の Laurence King Publishing Group Ltd. より、2021年に発売されたジグソーパズル「チャールズ・ディケンズの世界(The World of Charles Dickens)」のイラスト内には、ヴィクトリア朝を代表する英国の小説家であるチャールズ・ジョン・ハファム・ディケンズ(Charles John Huffam Dickens:1812年ー1870年)や彼が生きた時代の人物、そして、彼の作品に登場するキャラクター等が散りばめられているので、次回以降、順番に紹介していきたい。


今回紹介するのは、推理小説「月長石(The Monnstone → 2022年9月30日 / 10月13日付ブログで紹介済)」(1868年)の作者で、ヴィクトリア朝時代(1837年-1901年)に活躍した英国の小説家 / 推理作家 / 劇作家のウィリアム・ウィルキー・コリンズ(William Wilkie Collins:1824年ー1889年 → 2022年9月2日 / 9月4日付ブログで紹介済)が発表した推理小説 / 恋愛小説「白衣の女(The Woman in White)」(1860年)である。


「白衣の女」は、チャールズ・ディケンズが主宰する雑誌「All the Year Round」に、1859年11月から1860年8月まで連載され、連載後直ぐに出版されると、1860年11月までに第8版まで重ねる大ヒットとなり、書店には長い行列ができた。


「白衣の女」の場合、1849年から1850年にかけて、時代設定が為されている。


ロンドンに住む青年画家であるウォルター・ハートライト(Walter Hartright)は、ある夜、荒野を散歩中、白衣の女性に呼び止められ、道を尋ねられた。

彼は、友人で、イタリア語の教師であるペスカ教授(Professor Pesca)による推薦を受け、カンバーランド(Cumberland)にあるリメリッジハウス(Limmeridge Hose)において、美術教師をすることになっていたが、白衣の女性は、何故か、彼の就職先に詳しい上に、ハンプシャー州(Hampshire)ブラックウォーターパーク(Balckwater Park)の所有者である準男爵パーシヴァル・グライド(Sir Percival Glyde, Baronet)のことを非常に恐れていた。

後で、彼は、警察官から、白衣の女性が精神病院から脱走したアン・キャサリック(Anne Catherick)であることを知らされた。


翌日、カンバーランドにあるリメリッジハウスに到着したウォルター・ハートライトは、驚いた。

彼の生徒となるのは、屋敷の所有者であるフレデリック・フェアリー(Frederick Fairlie)の姪ローラ・フェアリー(Laura Fairlie)と彼の異母姉マリアン・ハルコム(Marian Halcombe)の2人だが、ローラ・フェアリーの方が、白衣の女性アン・キャサリックと瓜二つだったからである。


ウォルター・ハートライトがローラ・フェアリーとマリアン・ハルコムの美術教師を始めて、2-3ヶ月すると、ウォルター・ハートライトとローラ・フェアリーの2人は、恋仲となるが、ローラ・フェアリーが、亡き父が決めた相手である準男爵パーシヴァル・グライドと結婚することを決めた。

すると、ローラ・フェアリーは、準男爵パーシヴァル・グライドとの結婚を諫める匿名の手紙を受け取るようになる。ウォルター・ハートライトは、アン・キャサリックがこの匿名の手紙を出したものと考えて、彼女の行方を探す。


カンバーランドにおいて、アン・キャサリックと再会したウォルター・ハートライトは、彼女から、驚く話を聞いた。


*アン・キャサリックは、ローラ・フェアリーの父の庶子で、2人が瓜二つであるのは、そのためだった。


*ローラ・フェアリーに遺産を集中させるために、準男爵パーシヴァル・グライドは、彼女の母ジェーン・キャサリック(Jane Catherick)と通じて、アン・キャサリックを精神病院へと入院させた。


*ローラ・フェアリーに遺産を集中させた準男爵パーシヴァル・グライドは、彼女と結婚して、彼女の財産を奪い取ろうと考えていた。


ウォルター・ハートライトの思いも虚しく、1849年12月、ローラ・フェアリーは、準男爵パーシヴァル・グライドと結婚すると、イタリアへと6ヶ月間の旅行に出かけてしまったのである。


ローラのことを愛するウォルター・ハートライトと異母妹思いのマリアン・ハルコムは、どうするのか?


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