2023年11月29日水曜日

コナン・ドイル作「まだらの紐」<グラフィックノベル版>(The Speckled Band by Conan Doyle )- その3

ストークモラン(Stoke Moran)にある
グリムズビー・ロイロット博士邸に到着した
シャーロック・ホームズとジョン・H・ワトスンの2人は、
待っていたヘレン・ストーナーに対して、
屋敷内の案内を頼むのであった。


チェコ共和国(Czech Republic)ヴィソチナ州トシェビーチ郡の都市トシェビーチ出身のイラストレーターであるペトル・コプル(Petr Kopl:1976年ー)によるグラフィックノベル版「まだらの紐(The Speckled Band)」の場合、サー・アーサー・イグナティウス・コナン・ドイル(Sir Arthur Ignatius Conan Doyle:1859年ー1930年)の原作に比べると、物語の展開上、以下の違いが見受けられる。


(6)

<原作>

原作の場合、事件の依頼人であるヘレン・ストーナー(Helen Stoner - 双子の妹)が、早朝にベイカーストリート221B(221B Baker Street → 2014年6月22日 / 6月29日付ブログで紹介済)を訪れ、事件の説明をした際に、シャーロック・ホームズは、彼女の傷付いた手首に気付き、「グリムズビー・ロイロット博士(Dr. Grimesby Roylott - ジュリア・ストーナー(Julia Stoner - 双子の姉で、2年前に死亡)とヘレン・ストーナーの義父)に酷い扱いを受けている。」と、彼女に告げる。

また、ホームズは、ヘレン・ストーナーが膝の上に置いていた手にはめていた黒いレースの手袋のレースのフリルを少しずらして、彼女の手首の傷を指摘すると言う優しい方法で行なっている。

<グラフィックノベル版>

グラフィックノベル版の場合、シャーロック・ホームズが、ヘレン・ストーナーの手首の傷に気付くのは、ストークモラン(Stoke Moran)にあるグリムズビー・ロイロット博士の屋敷に到着して、彼女の案内で、各部屋を調べている最中である。

ホームズは、ヘレン・ストーナーの右手を掴み、彼女の袖口を下げて、手首の傷を指摘すると言うやや強引な方法で行っている。


ペトル・コプルによるグラフィックノベル版の場合、
シャーロック・ホームズは、やや乱暴なやり方で、
ヘレン・ストーナーの手首の傷を指摘している。

(7)

<原作>

原作の場合、夜中になり、ヘレン・ストーナーからランプの合図を受けるまでの間、シャーロック・ホームズとジョン・H・ワトスンの2人が待機した場所は、ストークモランにある宿屋「クラウンイン(Crown Inn)」の上階の部屋(居間+寝室)である。

<グラフィックノベル版>

グラフィックノベル版の場合、シャーロック・ホームズとジョン・H・ワトスンの2人が待機した場所は、グリムズビー・ロイロット博士の敷地内に建っている小屋へと変更されている。


原作とは異なり、
シャーロック・ホームズとジョン・H・ワトスンの2人は、
ストークモランにある宿屋ではなく、
グリムズビー・ロイロット博士の敷地に隣接する空き家において待機して、
ヘレン・ストーナーによるランプの合図を待った。

(8)

<原作>

原作の場合、ヘレン・ストーナーからランプの合図を受けたシャーロック・ホームズとジョン・H・ワトスンの2人は、庭を囲む古い壁の割れ目から、グリムズビー・ロイロット博士の敷地へと入り込んだ。

<グラフィックノベル版>

グラフィックノベル版の場合、シャーロック・ホームズとジョン・H・ワトスンの2人は、柵を乗り越えて、グリムズビー・ロイロット博士の敷地へと侵入した。


シャーロック・ホームズとジョン・H・ワトスンの2人は、
柵を乗り越えて、グリムズビー・ロイロット博士の敷地へと入った。


(9)

<原作>

原作の場合、シャーロック・ホームズとジョン・H・ワトスンの2人がグリムズビー・ロイロット博士の屋敷に近付いた際、月桂樹の茂みの中から、ヒヒ(baboon)が突然駆け出して来て、2人は驚く。

<グラフィックノベル版>

グラフィックノベル版の場合、シャーロック・ホームズとジョン・H・ワトスンの2人がグリムズビー・ロイロット博士の敷地を歩いている時に、ヒヒが2人の前の芝生の上を横切って行く。


グリムズビー・ロイロット博士の屋敷へと向かう
シャーロック・ホームズとジョン・H・ワトスンの前の芝生の上を、
博士が飼っているヒヒが横切って行った。


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