今回は、サー・アーサー・イグナティウス・コナン・ドイル(Sir Arthur Ignatius Conan Doyle:1859年ー1930年)作「まだらの紐(The Speckled Band)」のグラフィックノベル版の1つ目を紹介したい。
チェコ共和国(Czech Republic)ヴィソチナ州トシェビーチ郡の都市トシェビーチ出身のイラストレーターであるペトル・コプル(Petr Kopl:1976年ー)が、サー・アーサー・イグナティウス・コナン・ドイル(Sir Arthur Ignatius Conan Doyle:1859年ー1930年)作「ボヘミアの醜聞(A Scandal in Bohemia → 2022年12月18日 / 2023年8月6日 / 8月9日 / 8月19日付ブログで紹介済)」をベースにして、1998年にグラフィックノベル版「ボヘミアの醜聞(→ 2022年12月7日 / 12月9日 / 12月10日付ブログで紹介済)」を雑誌に発表。本グラフィックノベル版は、2013年に単行本化された後、2014年に英国の MX Publishing 社から英訳版が発行された。
なお、ペトル・コプルによるシャーロック・ホームズ作品のグラフィックノベル版について、全部で3作の英訳版が英国内で出版されている。
(1)「ボヘミアの醜聞」
(2)「バスカヴィル家の犬(The Hound of the Baskervilles)」
(3)「最後の事件(The Final Problem)」
「ボヘミアの醜聞」のグラフィックノベル版の場合、話の途中に、「まだらの紐」が挿入されているため、全体で約150ページの分量となっている。
なお、「まだらの紐」の分量は、50ページ強である。
「まだらの紐」は、ホームズシリーズの短編小説56作のうち、8番目に発表された作品で、英国では、「ストランドマガジン」の1892年2月号に掲載された後、同年発行の第1短編集「シャーロック・ホームズの冒険(The Adventures of Sherlock Holmes)」に収録されている。
ペトル・コプルによるグラフィックノベル版「まだらの紐」における主要な登場人物は、シャーロック・ホームズとジョン・H・ワトスンの他は、コナン・ドイルの原作と同様に、
チャリングクロス駅(Charing Cross Station)から、 サリー州(Surrey)のレザーヘッド駅(Leatherhead Station)経由、 ストークモラン(Stoke Moran)へと向かう シャーロック・ホームズ(右側の人物)とジョン・H・ワトスン(右側の人物) |
(1)ヘレン・ストーナー(Helen Stoner - 双子の妹)
事件の相談のために、 ベイカーストリート221B(221B Baker Street → 2014年6月22日 / 6月29日付ブログで紹介済)を訪れた ヘレン・ストーナー(左側の人物)と 彼女を迎えたシャーロック・ホームズ(右側の人物) |
(2)ジュリア・ストーナー(Julia Stoner - 双子の姉)
「まだらの紐」に襲われて亡くなる前のジュリア・ストーナー(左側の人物) と彼女の部屋を訪れたヘレン・ストーナー(右側の人物) |
(3)グリムズビー・ロイロット博士(Dr. Grimesby Roylott - ジュリア・ストーナーとヘレン・ストーナーの義父)
ヘレン・ストーナーが帰った後、 ベイカーストリート221Bに押しかけて来た グリムズビー・ロイロット博士 |
(4)ハドスン夫人(Mrs. Hudson)
グリムズビー・ロイロット博士がひん曲げた火搔き棒を見て、驚くとともに、 シャーロック・ホームズに対して、クレームをするハドスン夫人 |
である。
厳密に言うと、コナン・ドイルの原作の場合、午前7時15分過ぎにワトスンを起こしたホームズの説明の中で、ハドスン夫人のことが言及されるだけで、ハドスン夫人が実際に登場する訳ではないが、ペトル・コプルによるグラフィックノベル版の場合、グリムズビー・ロイロット博士がホームズ / ワトスンの部屋の火搔き棒を素手でひん曲げてしまった際に、1ページだけだが、ハドスン夫人が姿を見せる。
勿論、ジュリア・ストーナーは、コナン・ドイルの原作においても、ペトル・コプルによるグラフィックノベル版においても、ヘレン・ストーナーによる事件説明の中に登場するのみである。
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