第4の事件も、第2の事件 / 第3の事件と同様に、 事件を捜査する主体が、ホームズとワトスンの2人に分岐する。 |
ある深夜、シャーロック・ホームズとジョン・H・ワトスンの2人が共同生活を送っているベイカーストリート221B(221B Baker Street → 2014年6月22日 / 6月29日付ブログで紹介済)の郵便受けに、何者かが4つの事件が入った封筒を直接投函して、立ち去ったのである。
<第4の事件:大英博物館のスカラベ(The Scarab of the British Museum)>
第2の事件 / 第3の事件に引き続き、第4の事件の場合も、ホームズの立場での事件捜査とワトスンの立場での事件捜査の2つに分かれて、物語が進んで行く。
シャーロック・ホームズとジョン・H・ワトスンの2人が大英博物館を訪れると、 いつも観光客達で溢れ返っている前庭には、人っ子一人居らず、 何か問題が発生しているように思われた。 |
大英博物館に到着したホームズとワトスンの2人を、 スコットランドヤードのブラッドストリート刑事が出迎えた。 |
丁度、そこにスコットランドヤードのブラッドストリート刑事(Agent Bradstreet)が姿を見せる。
まだ何の連絡もしていないにもかかわらず、事件現場に姿を見せたホームズとワトスンに驚くブラッドストリート刑事であったが、ホームズがブラッドストリート刑事に対して、「勿論、僕達は、盗まれたスカラベの件で、ここへ来たんだ。(We’re here about the stolen scarab, of course.)」と告げると、ブラッドストリート刑事は、ホームズは、レストレード警部(Inspector Lestrade)から事件の捜査依頼を直接受けたのだろうと、勝手に解釈した。
スコットランドヤードのブラッドストリート刑事は、 ホームズとワトスンの2人を、 非常に高価な「黄金のスカラベ」が盗み出された現場へと案内する。 |
ブラッドストリート刑事は、ホームズとワトスンの2人に対して、
・大英博物館は、今日から、エジプトでの発掘品を展示する予定で、その準備中だった。
・昨夜、少数のスタッフしか残っていない隙を狙って、盗賊が大英博物館内に潜入して、エジプトでの発掘品の中から、非常に高価な「黄金のスカラベ(The Golden Scarab)」を盗み出した。
・その盗賊は、更に、盗み出した「黄金のスカラベ」の代わりに、その模造品を残していった。
と告げるのであった。
「スカラベ(Scarab)」とは、古代エジプト語で「フンコロガシ(タマオシコガネ)」を意味する。
古代エジプトにおいて、スカラベは、太陽神と同一視されており、再生 / 復活を象徴する神聖な存在として扱われた。その結果、壁画や装飾品等に、スカラベの意匠が盛んに取り入れられたのである。
スコットランドヤードのブラッドストリート刑事に案内された 展示室内の中央に設置されたガラスケースが粉々に破壊されて、 保管されていた「黄金のスカラベ」が盗まれていた。 |
盗賊は、本物の「黄金のスカラベ」の代わりに、 模造品を破壊されたガラスケース内に残していったのである。 |
ホームズとワトスンの2人は、昨夜、大英博物館内に残っていた4名のスタッフに対して、事情聴取を行った。
大英博物館の展示室のガラスケースから「黄金のスカラベ」を盗み出した 容疑者の一覧表 |
(1)サガモア・アトキンスン(Sagamore Atkinson - 学芸員(Curator))
(2)モード・フォーレスター(Maud Forrester - 助手(Assistant))
(3)サラ・アン・フォーブズ(Sarah Ann Forbes - 考古学者(Archaeologist))
(4)イーミル・ジャクスン(Emil Jackson - 警備員(Security Guard))
上記の4人の事情聴取を行なったホームズとワトスンは、「黄金のスカラベ」を盗み出した犯人として、4人のうちの1人を指差すのであった。
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