英国の Laurence King Publishing Group Ltd. より、一昨年(2022年)に発行されたシャーロック・ホームズをテーマにしたトランプの各カードについて、前回に引き続き、紹介したい。
(9)3 ❤️「キャラバッシュ型パイプ(Curved Pipe)」
シャーロック・ホームズと言うと、吸い口が大きく曲がったキャラバッシュ型パイプを咥えているイメージが強い。
ただし、この型のパイプは、ホームズが活躍した19世紀には、まだ存在していなかった。
そのため、挿絵画家であるシドニー・エドワード・パジェット(Sidney Edward Paget:1860年ー1908年)が「赤毛組合(The Red-Headed League → 2022年9月25日 / 10月9日 / 10月11日 / 10月16日付ブログで紹介済)」等で描いている通り、ホームズは、柄がまっすぐとなったパイプを愛用していた筈である。
キャラバッシュ型パイプは、米国の舞台俳優 / 演出家であるウィリアム・ジレット(William Gillette:1853年ー1937年)が、舞台でホームズを演じる際、舞台上の効果(この型のパイプだと、くわえたままで、台詞を言い易い)から考案されたもので、その後、この型のパイプが、ホームズのトレードマークとなったのである。
(10)3 ♠️「象牙の箱(Ivory Box)」
「瀕死の探偵(The Dying Detective)」事件において、ロウワーバークストリート13番地(13 Lower Burke Street)に住むカルヴァートン・スミス(Culverton Smith)は、シャーロック・ホームズから、甥の殺害の嫌疑をかけられたため、ホームズ宛に小さな白黒の象牙の箱を送り付けて、その中に仕掛けられた罠により、彼を傷付けた上、病気に感染させて、甥と同じように殺害しようと企んだのである。
「瀕死の探偵」は、ホームズシリーズの短編小説56作のうち、43番目に発表された作品で、英国では、「ストランドマガジン」の1913年12月号に、また、米国では、「コリアーズ ウィークリー(Collier’s Weekly)」の1913年11月22日号に掲載された。
また、同作品は、1917年に発行されたホームズシリーズの第4短編集「シャーロック・ホームズ最後の挨拶(His Last Bow)」に収録されている。
(11)3 ♦️「捕鯨用の銛(Harpoon)」
1895年7月、「ブラック・ピーター(Black Peter)」と呼ばれるピーター・ケアリー(Peter Carey)船長が、捕鯨用の銛(先端に逆トゲが付いた大きな槍)で一突きにされ、殺害されているのが、母屋から離れた小屋で発見される。
「ブラック・ピーター」は、ホームズシリーズの短編小説56作のうち、30番目に発表された作品で、英国では、「ストランドマガジン」の1904年3月号に、また、米国では、「コリアーズ ウィークリー」の1904年2月27日号に掲載された。
また、同作品は、1905年に発行されたホームズシリーズの第3短編集「シャーロック・ホームズの帰還(The Return of Sherlock Holmes)」に収録されている。
(12)3 ♣️「手錠(Handcuffs)」
ホームズシリーズを通して、手錠は、犯人の逮捕に使用されている。
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