2024年1月25日木曜日

アガサ・クリスティーのトランプ(Agatha Christie - Playing Cards)- その5

英国の Laurence King Publishing Group Ltd. より、昨年(2023年)に発行されたアガサ・メアリー・クラリッサ・クリスティー(Agatha Mary Clarissa Christie:1890年ー1976年)をテーマにしたトランプの各カードについて、引き続き、紹介したい。


(13)4 ♠️「ジョン・レイス大佐(Colonel John Race)」



彼は、元陸軍情報部員で、現在は、英国政府の情報機関に勤務。力強く、寡黙な人物である。


登場作品

<長編>

*「茶色の服を着た男(The Man in the Brown Suit)」(1925年)

*「ひらいたトランプ(Cards on the Table)」(1936年)- エルキュール・ポワロ シリーズ

*「ナイルに死す(Death on the Nile)」(1937年)- エルキュール・ポワロ シリーズ

*「忘られぬ死(Sparkling Cyanide)」(1945年)


(14)4 ❤️「赤い着物(Scarlet Kimono)」



長編「オリエント急行の殺人(Murder on the Orient Express)」(1934年)において、オリエント急行の1号室(一等寝台席)、つまり、エルキュール・ポワロの部屋を突然ノックして、彼の安眠を妨害し、立ち去って行く謎の女性が羽織っているのが、赤い着物である。


本作品は、アガサ・クリスティーが執筆した長編としては、第14作目に該り、エルキュール・ポワロシリーズの長編のうち、第8作目に該っている。


英国の HarperCollinsPublishers 社から発行されている
アガサ・クリスティー作エルキュール・ポワロシリーズ
「オリエント急行の殺人」の表紙


(15)4 ♣️「皮下注射器(Hypodermic Syringe)」



皮下注射器は、長編「死との約束(Appointment with Death)」(1938年)において、ボイントン夫人(Mrs. Boynton)の殺害に、「そして誰もいなくなった(And Then There Were None)」(1939年)において、エミリー・キャロライン・ブレント(Emily Caroline Brent)の殺害に、そして、「ねじれた家(Crooked House)」(1949年)において、アリスタイド・レオニデス(Aristide Leonides)の殺害に、使用されている。


英国の Harper Collins Publishers 社から出版されている
アガサ・クリスティー作エルキュール・ポワロシリーズ
「死との約束」のペーパーバック版の表紙


「死との約束」は、アガサ・クリスティーが執筆した長編としては、第23作目に該り、エルキュール・ポワロシリーズの長編のうち、第16作目に該っている。

「そして誰もいなくなった」は、アガサ・クリスティーが執筆した長編としては第26作目に該る。アガサ・クリスティーの作品の中でも、代表作に挙げられているのが、本作品である。

「ねじれた家」は、アガサ・クリスティーが執筆した長編としては、第39作目に該る。アガサ・クリスティーは、自伝において、本作品を自作の推理小説の中で最も満足している2作のうちの1作として挙げている。ちなみに、もう1作は、「無実はさいなむ( Ordeal by Innocence)」(1958年)である。


(16)4 ♦️「翡翠の小立像(Jade Fogurines)」



長編「ビッグ4(The Big Four)」(1927年)において、中国通の退職公務員であるジョン・イングルス(John Ingles)に対して、世界征服を企む国際犯罪組織「ビッグ4(The Big Four)」の件で、元船乗りであるジョナサン・ホェイリー(Jonathan Whalley)がコンタクトしてきた。

エルキュール・ポワロとアーサー・ヘイスティングス大尉(Captain Arthur Hastings)が、ジョナサン・ホェイリーが住むダートムーア(Dartmoor)のホッパトン(Hoppaton)を訪れると、彼は何者かによって惨殺されていた。そして、ジョナサン・ホェイリーの殺害犯として、彼の使用人であるロバート・グラント(Robert Grant)が警察に逮捕されてしまう。ロバート・グラントが、ジョナサン・ホェイリーが所有する翡翠の小立像(Jade Fogurines)を盗んだことが、逮捕の決め手となった。

一方、ポワロは、凍ったマトン肉から、ジョナサン・ホェイリーは、ロバート・グラントではなく、「ビッグ4」のナンバー4によって、殺害されたものと考えるのであった。


「ビッグ4」は、アガサ・クリスティーが執筆した長編としては、第7作目に該り、エルキュール・ポワロシリーズの長編のうち、第4作目に該っている。 


英国の Harper Collins Publishers 社から出版されている
アガサ・クリスティー作エルキュール・ポワロシリーズ
「ビッグ4」のペーパーバック版の表紙


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