2024年1月24日水曜日

<第1400回> シャーロック・ホームズのトランプ(Sherlock Holmes - Playing Cards)- その8

英国の Laurence King Publishing Group Ltd. より、一昨年(2022年)に発行されたシャーロック・ホームズをテーマにしたトランプの各カードについて、前回に引き続き、紹介したい。


(25)7 ❤️「鹿撃帽(Deerstalker)」



キャラバッシュ型パイプ(Curved Pipe → 2024年1月x日付ブログで紹介済)と合わせて、鹿撃帽も、シャーロック・ホームズのトレードマークとなっているが、サー・アーサー・イグナティウス・コナン・ドイル(Sir Arthur Ignatius Conan Doyle:1859年ー1930年)の原作上、鹿撃帽のことに関しては、言及されていない。


英国で出版された「ストランドマガジン(The Strand Magazine)」
1891年10月号「ボスコム谷の謎(The Boscombe Valley Mystery)」に掲載された挿絵 -
シャーロック・ホームズとジョン・H・ワトスンの2人は、事件捜査のため、
パディントン駅(Paddington Station → 2014年8月3日付ブログで紹介済)から
イングランド西部(West of England)のボスコム谷(Boscombe Valley)へと向かう。
画面左側の人物がワトスンで、画面右側の人物がホームズ。
挿絵:シドニー・エドワード・パジェット
(Sidney Edward p Paget:1860年 - 1908年)


ホームズに鹿撃帽を冠らせたのは、挿絵画家のシドニー・エドワード・パジェット(1860年ー1908年)による発案で、鹿撃帽を冠ったホームズが初登場するのは、短編4作目の「ボスコム谷の謎」である。


(26)7 ♠️「ジョン・クレイ(John Clay)」



ジョン・クレイは、「赤毛組合(The Red-Headed League → 2022年9月25日 / 10月9日 / 10月11日 / 10月16日付ブログで紹介済)」に登場する人物で、City and Suburban Bank のコーブルク支店(Coburg branch)の地下金庫室から、同銀行がフランス銀行より借り入れた3万枚のナポレオン金貨を強奪する計画を立案した。そして、彼は、ヴィンセント・スポールディング(Vincent Spaulding)と言う偽名を用い、ロンドンの経済活動の中心地であるシティー(City → 2018年8月4日 / 8月11日付ブログで紹介済)近くにあるザクセンーコーブルクスクエア(Saxe-Coburg Square → 2016年1月1日付ブログで紹介済)において質屋(pawnbroker)を営む赤毛の初老の男性ジェイベス・ウィルスン(Jabez Wilson)の店員として、潜り込むのであった。


英国で出版された「ストランドマガジン」
1891年8月号「赤毛組合」に掲載された挿絵
 -

フランス金貨を強奪するために、
ジェイベス・ウィルスンが営む質屋の地下室から掘ったトンネルを通って、
City and Suburban Bank のコーブルク支店の地下金庫室へと侵入した
ヴィンセント・スポールディングこと、ジョン・クレイを
待ち構えていたシャーロック・ホームズが捕らえる。
画面奥の人物がホームズで、画面手前の人物がジョン・クレイ。
挿絵:シドニー・エドワード・パジェット(1860年 - 1908年)


「赤毛組合」は、ホームズシリーズの短編小説56作のうち、2番目に発表された作品で、英国では、「ストランドマガジン」の1891年8月号にに掲載された。

また、同作品は、1892年に発行されたホームズシリーズの第1短編集である「シャーロック・ホームズの冒険(The Adventures of Sherlock Holmes)」に収録されている。


(27)7 ♦️「ヴァイオレット・ハンター(Violet Hunter)」



ヴァイオレット・ハンターは、「ぶな屋敷(The Copper Beeches → 2022年7月31日 / 8月15日 / 8月21日 / 8月25日付ブログで紹介済)」に登場する人物で、事件の依頼人として、シャーロック・ホームズの元を訪れる若い家庭教師である。


英国で出版社された「ストランドマガジン」
1892年6月号「ぶな屋敷」に掲載された挿絵
 -

推理に必要なデータが不足しているシャーロック・ホームズとしては、
事件の依頼人であるヴァイオレット・ハンターがぶな屋敷へ赴くことを止めることはできなかったが、
彼女に対して、「昼でも夜でも構わないので、何かあれば、
電報で知らせてほしい。」と頼むのであった。
画面左側から、ヴァイオレット・ハンター、ジョン・H・ワトスン、
そして、ホームズ。
挿絵:シドニー・エドワード・パジェット
(1860年 - 1908年)


「ぶな屋敷」は、ホームズシリーズの短編小説56作のうち、12番目に発表された作品で、「ストランドマガジン」の1892年6月号に掲載された。

また。同作品は、1892年に発行されたホームズシリーズの第1短編集である「シャーロック・ホームズの冒険」に収録されている。


(28)7 ♣️アセルニー・ジョーンズ警部(Inspector Athelney Jones)



アセルニー・ジョーンズ警部は、「四つの署名(The Sign of the Four → 2017年8月12日付ブログで紹介済)」事件に登場するスコットランドヤードの警察官である。


なお、「四つの署名」は、ホームズシリーズの長編第2作目で、「リピンコット・マンスリー・マガジン(Lippincott’s Monthly Magazine)」の1890年2月号に掲載された後、単行本化。


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