2024年1月20日土曜日

アガサ・クリスティーのトランプ(Agatha Christie - Playing Cards)- その4

英国の Laurence King Publishing Group Ltd. より、昨年(2023年)に発行されたアガサ・メアリー・クラリッサ・クリスティー(Agatha Mary Clarissa Christie:1890年ー1976年)をテーマにしたトランプの各カードについて、引き続き、紹介したい。

(9)3 ♠️「バトル警視(Superintendent Battle)」



彼は、スコットランドヤードの警視で、主に政治に関係する重要な問題を取り扱う。大柄の体格、彫りが深くて無表情な顔、そして、エルキュール・ポワロに匹敵する口髭が特徴。

バトル警視には、妻のメアリー(Mary Battle)との間に、5人の子供が居て、末娘の名前は、シルヴィア(Sylvia Battle)である。また、甥には、バトル警視と同じく、スコットランドヤードに所属するジェイムズ・リーチ警部(Inspector James Leach)が居る。


登場作品

<長編>

*「チムニーズ館の秘密(The Secret of Chimneys)」(1925年)

*「七つの時計(The Seven Dials Mystery)」(1929年)

*「ひらいたトランプ(Cards on the Table)」(1936年)- エルキュール・ポワロ シリーズ

*「殺人は容易だ(Murder is Easy)」(1939年)

*「ゼロ時間へ(Towards Zero)」(1944年)


(10)3 ❤️「匿名の怪文書(Anonymous Letter)」



長編「動く指(The Moving Finger)」(1942年)において、戦時中の飛行機事故によって重傷を負ったジェリー・バートン(Jerry Burton)は、医者の勧めを受けて、妹のジョアナ(Joanna Burton)の介護の下、ロンドンからリムストック(Lymstock)へ静養にやって来るが、二人が丘の上の家に落ち着いて、まもなく、「ジェリーとジョアナは、本当の兄妹ではない。」と言う匿名の手紙を受け取る。リムストック内では、以前から住民を誹謗中傷する怪文書が出回っていた。そして、匿名の怪文書は、新たなる悲劇を引き起こす。リムストックの住民達が恐れていたことが、遂に、手紙の受取人の自殺という形で、現実のものとなるのであった。


本作品は、アガサ・クリスティーが執筆した長編としては、第33作目に該り、ミス・ジェーン・マープルシリーズの長編のうち、第3作目に該っている。


英国の Harper Collins Publishers 社から出版されている
アガサ・クリスティー作ミス・ジェーン・マープルシリーズ
「動く指」のペーパーバック版の表紙
<イラスト:ビル・ブラッグ氏(Mr. Bill Bragg)>


(11)3 ♣️「吹き矢とその筒(Blowpipe and Dart)」



長編「雲をつかむ死(Death in the Clouds)」(1935年)において、名探偵エルキュール・ポワロは、パリ(Le Bourget Airfield)からロンドン(Croydon Airport)へと戻る飛行機の機上の人となっていた。機内では、ポワロは、ほとんどの時間、眠っていたが、飛行機が英国側に着陸する間近になると、ポワロが座る後部区画内をスズメバチが飛び回り始めたため、スチュワードがそのスズメバチを捕まえようとしたところ、乗客の一人であるマダム・ジゼル(Madame Giselle - フランス人の金貸し / 本名:マリー・モリソー(Marie Morisot))が死んでいるのを発見する。

目が覚めたポワロは、マダム・ジゼルが亡くなっていることを聞くと、彼女がスズメバチに刺されたショックで死亡したとういう説を否定する。ポワロの指摘通り、亡くなったマダム・ジゼルが座っていた座席の近くの床の上に、毒が塗られた矢の先端が落ちており、その矢で首を刺されたことが、マダム・ジゼルの死亡原因であることが判明する。

更に、驚くことには、ポワロが座っていた座席の脇から、毒が塗られた矢の先端を発射したと思われる小さな吹き矢の筒が見つかった。

マダム・ジゼル殺害の容疑者とされたことに立腹したポワロは、汚名を返上するべく、事件を解決することを誓うのであった。


英国の Harper Collins Publishers 社から出版されている
アガサ・クリスティー作エルキュール・ポワロシリーズ
「雲をつかむ死」のペーパーバック版の表紙

本作品は、アガサ・クリスティーが執筆した長編としては、第17作目に該り、エルキュール・ポワロシリーズの長編のうち、第10作目に該っている。


(12)3 ♦️「エジプトのお守り(Egyptian Amulet)」



長編「死が最後にやってくる(Death Comes As the End)」(1945年)は、紀元前二千年のナイル河畔に所在するエジプトの古代都市を舞台に惨劇が展開する異色ミステリーで、お守りは、本作品に登場する。


本作品は、アガサ・クリスティーが執筆した長編としては、第35作目に該る。


0 件のコメント:

コメントを投稿