表紙が、ブリッジで使われるトランプ(playing cards)のハートの形に切り取られている。 |
アガサ・メアリー・クラリッサ・クリスティー(Agatha Mary Clarissa Christie:1890年ー1976年)の作品を出版している英国の Harper Collins Publishers 社から出ているエルキュール・ポワロ(Hercule Poirot)シリーズのペーパーバック版の表紙を使った2024年カレンダーのうち、8番目を紹介したい。
(8)長編「ひらいたトランプ(Cards on the Table)」(1936年)
本作品は、アガサ・クリスティーが執筆した長編としては、第20作目に該り、エルキュール・ポワロシリーズの長編のうち、第13作目に該っている。
アガサ・クリスティー作「ひらいたトランプ」は、エルキュール・ポワロが、美術展で出会った謎多き裕福な蒐集家であるシャイタナ氏(Mr. Shaitana)から、ブリッジパーティーへの招待を受けるところから、物語が始まる。「まだ告発されていない殺人犯を招いた上でのパーティーだ。」と言うシャイタナ氏の趣旨に興味を覚えたポワロは、パーティーへの参加を決める。
シャイタナ氏の自宅で行われたパーティーに招待されたのは、以下の8人だった。
(1)探偵組
*エルキュール・ポワロ
*バトル警視(Superintendent Battle)- スコットランドヤードの警察官
*ジョン・レイス大佐(Colonel John Race)- 英国秘密情報局の情報部員
*アリアドニ・オリヴァー夫人(Mrs. Ariadne Oliver)- 女流推理作家
(2)容疑者組
*ロバーツ医師(Dr. Roberts)- 成功をおさめた中年の医師
*ロリマー夫人(Mrs. Lorrimer)- ブリッジ好きな初老の女性
*デスパード少佐(Major Despard)- 未開地を探索する探検家
*アン・メレディス(Anne Meredith)- 内気で若く麗しい女性
食事の最中、シャイタナ氏は、パーティーの出席者達に対して、謎めいた告発を行う。
そして、食事が済むと、容疑者組の4人は、メインルーム(客間)で、また、探偵組の4人は、別の部屋で、ブリッジを始めることとなった。シャイタナ氏は、メインルームの暖炉の側に置かれた椅子を自分の居場所として、ブリッジへの参加を辞退する。
ブリッジが終わり、ポワロとレイス大佐が、シャイタナ氏に対して、暇を告げようとした際、彼らは、シャイタナ氏が彼の蒐集品であるナイフで胸を刺されて死んでいるのを発見する。
果たして、シャイタナ氏が謎めいた告発をした対象の人物は、誰だったのか?そして、その人物が、シャイタナ氏を刺殺したのだろうか?
名探偵、警察官や情報部員等が同席しているパーティーの最中、大胆にも行われた犯行を解き明かすべく、ポワロの灰色の脳細胞が、ブリッジの点数表の内容にその糸口を見いだすのであった。
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