2024年1月15日月曜日

シヴォーン・ダウド作「ロンドンアイの謎」(The London Eye Mystery by Siobhan Dowd) - その2

2016年に英国の Penguin Random House UK 社から出版された
シヴォーン・ダウド作「ロンドンアイの謎」の
ペーパーバック版の裏表紙
(Cover illustration : David Dean


英国の小説家で、人権擁護活動家でもあるシヴォーン・ダウド(Siobhan Dowd:1960年ー2007年)が2007年に発表した「ロンドンアイの謎(The London Eye Mystery)」は、以下のように展開していく。


主人公のテッド・スパーク(Ted Spark)は、12歳の少年で、


父:ベン(Ben)- ビル解体業

母:フェイス(Faith)- 看護師

姉:カトリーナ(Katrina)- 愛称:カット(Kat)


の3人と一緒に、ロンドンのテムズ河(River Thames)南岸に住んでいた。


そんなある日、母の妹で、「ハリケーングロリア(Hurricane Gloria)」と呼ばれている叔母のグロリア・マククラウド(Gloria McCloud)から、手紙が届いた。

彼女は、夫のラシッド(Rashid - インド人の医師)と離婚した後、息子のサリム(Salim - 13歳)と2人で、マンチェスター(Manchester)に住んでいたのだが、今回、ニューヨークにある美術館の学芸員(curator)の職を得た、と言う。叔母のグロリアは、サリムを連れて、ニューヨークへ向かう前に、ロンドンに寄る、とのことだった。


叔母のグロリアと従兄弟のサリムがロンドンに着いた翌日(5月24日)、サリムの希望で、テッドは、母のフェイス、姉のカット、グロリアとサリムの5人で、ロンドンアイ(London Eye - テムズ河の南岸に建つ巨大な観覧車)へと出かけた。


母のフェイスと叔母のグロリアの2人がコーヒーを飲んでいる間、テッド、カットとサリムの3人は、5人分のチケットを購入するために、チケット売り場の長い行列に並ばざるを得なかった。

テッド達3人がチケット売り場の長い行列に並んでいると、見知らぬ若い男性が彼らに近付いて来て、自分のチケットを1枚譲ってくれると言う。不思議に思うテッド達3人に対して、その若者は、「チケットを買ったものの、高所恐怖症なので、乗りたくなくなった。」と告げた。


テッドとカットの2人は、以前、ロンドンアイに2回乗ったことがあるので、見知らぬ若者から譲られたチケットを、従兄弟のサリムに渡し、自分達は下で待っていることにした。

チケットをもらったサリムは、喜び勇んで、多くの観光客と一緒に、観覧車のカプセルに乗り込んで行った。それは、午前11時32分だった。


カプセルが一周するのに、約30分を要する。

テッドとカットの2人が、サリムが乗り込んだカプセルをずーっと見ており、片時も目を反らすことはなかった。

ところが、一周して、下に降りてきたカプセルから、他の観光客は出て来たが、何故か、サリムだけが出て来なかった。彼だけが、どこかに消えてしまったのである。


テッドと姉のカットの2人が、片時も目を反らすことはなかった密室状態だと言ってもよい閉ざされたカプセル内から、従兄弟のサリムは、どのようにして、姿を消してしまったのか?

気象学の知識は専門家並みと言う少し「変わった」頭脳を持つテッドが、カプセルと言う密室からサリムが消失した謎に挑む。


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