2024年1月22日月曜日

ロビン・スティーヴンス作「グッゲンハイムの謎」(The Guggenheim Mystery by Robin Stevens) - その1

2018年に英国の Penguin Random House UK 社から出版された
シヴォーン・ダウド原案 / ロビン・スティーヴンス作
「グッゲンハイムの謎」の
ペーパーバック版の表紙
(Cover illustration : David Dean
) -
グッゲンハイム美術館(Geggenheim Museum)において、
偽の火災が発生している間に、
ワシリー・カンディンスキー(Vassily Kandinsky)の絵画が
盗難に遭うと言う事件が発生する。
画面手前の人物として、左側から、従兄弟のサリム・マククラウド、
主人公のテッド・スパーク、
そして、彼の姉であるカトリーナが描かれている。


本作品「グッゲンハイムの謎(The Guggenheim Mystery)」は、米国カリフォルニア州出身で、現在、英国オックスフォード(Oxford)在住の作家であるロビン・スティーヴンス(Robin Stevens: 1988年ー)が2017年に発表したものである。


英国の小説家で、人権擁護活動家でもあるシヴォーン・ダウド(Siobhan Dowd:1960年ー2007年)は、オックスフォード大学(Lady Margaret Hall, Oxford University)とグリニッジ大学(Greenwich Univeristy)を卒業した後、国際ペンクラブに所属の上、作家達の人権擁護活動を経て、2006年に作家デビューした。彼女は、第2作目に該るジュヴナイル向けの推理小説「ロンドンアイの謎(The London Eye Mystery → 2024年1月11日 / 1月15日 / 1月19日付ブログで紹介済)」(2007年)の発表直後の2007年8月21日に、乳癌のために亡くなった。なお、「ロンドンアイの謎」は、2007 NANSEN & TES Special Educational Needs Children’s Book Award を受賞している。


また、「ロンドンアイの謎」の日本語翻訳版が、2022年7月に、東京創元社から刊行されている。

なお、本作品は、


*第3位「2023本格ミステリ・ベスト10」海外篇

*第7位「このミステリーがすごい!2023年版」海外編

*第9位<週刊文春>2022ミステリーベスト10 海外部門


に選出された。


作者のシヴォーン・ダウドは、「ロンドンアイの謎」を出版した時点で、少年のテッド・スパーク(Ted Spark)を主人公とする第2作目に該る「グッゲンハイムの謎」を執筆する契約を既に交わしていた。ところが、その直後に、シヴォーン・ダウドは亡くなったため、テッド・スパークシリーズの第2作目が宙に浮いてしまった。

そこで、シヴォーン・ダウド基金(Siobhan Dowd Trust)は、「ロンドンアイの謎」の続編を執筆できる作家を選定の上、2015年にロビン・スティーヴンスに白羽の矢を立てたのである。


ロビン・スティーヴンスは、米国カリフォルニア州に生まれた後、3歳から英国オックスフォードで育った。

彼女は、大学で推理小説を専攻した後、ジュヴナイル向けの本の出版に携わった。

そして、彼女の作家デビュー作に該る「お嬢さま学校にはふさわしくない死体(The Murder Most Unladylike)」(2014年)が好評を博して、シリーズ化され、2021年までに、全12作が発表された。2022年からは、新シリーズとなる The Ministry of Unladylike Activity Series が開始している。


シヴォーン・ダウド基金から「ロンドンアイの謎」の続編執筆を依頼されたロビン・スティーヴンスは、シヴォーン・ダウドが残した「The Guggenheim Mystery」と言う3つの単語だけをベースにして、構想を練り、2017年に「グッゲンハイムの謎」を発表したのである。

なお「ゲッゲンハイムの謎」の日本語翻訳版が、2022年12月に、「ロンドンアイの謎」と同様に、東京創元社から刊行されている。


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