英国の Laurence King Publishing Group Ltd. より、一昨年(2022年)に発行されたシャーロック・ホームズをテーマにしたトランプの各カードについて、今回から14回に分けて紹介したい。
(1)A ❤️「シャーロック・ホームズ(Sherlock Holmes)」
英国の作家 / 医師で、政治活動家であったサー・アーサー・イグナティウス・コナン・ドイル(Sir Arthur Ignatius Conan Doyle:1859年ー1930年)が創作した諮問探偵で、世界一有名な探偵と言っても、差し支えない。
シャーロック・ホームズは、長編4作と短編56作の計60作品で活躍する。
登場作品
<長編>
*「緋色の研究(A Study in Scarlet → 2016年7月30日付ブログで紹介済)」- ホームズシリーズの記念すべき第1作目で、英国では、「ビートンのクリスマス年鑑(Beeton’s Christmas Annual)」(1887年11月)に掲載された後、単行本化。
*「四つの署名(The Sign of the Four → 2017年8月12日付ブログで紹介済))」- ホームズシリーズの長編第2作目で、「リピンコット・マンスリー・マガジン(Lippincott’s Monthly Magazine)」の1890年2月号に掲載された後、単行本化。
*「バスカヴィル家の犬(The Hound of the Baskervilles)」-「ストランドマガジン(The Strand Magazine)」1901年8月号から1902年4月号にかけて連載された後、単行本化。
*「恐怖の谷(The Valley of Fear → 2023年5月12日 / 5月17日 / 5月21日 / 5月26日 / 5月29日 / 6月5日付ブログで紹介済)」-「ストランドマガジン」1914年9月号から1915年5月号にかけて連載された後、単行本化。
<短編集>
*「シャーロック・ホームズの冒険(The Adventures of Sherlock Holmes)」(1892年)
*「シャーロック・ホームズの回想(The Memoirs of Sherlock Holmes)」(1893年)
*「シャーロック・ホームズの帰還(The Return of Sherlock Holmes)」(1905年)
*「シャーロック・ホームズ最後の挨拶(His Last Bow)」(1917年)
*「シャーロック・ホームズの事件簿(The Case-Book of Sherlock Holmes)」(1927年)
(2)A ♠️「ジェイムズ・モリアーティー教授(Professor James Moriarty)」
「犯罪界のナポレオン(Napoleon of crime)」と呼ばれるシャーロック・ホームズの終生のライヴァルで、ホームズシリーズにおける最大の悪役である。
彼は、21歳の時に、二項定理(Binomial Theorem)に関する論文を書き、ヨーロッパ中で大評判を得る。そして、その功績が認められて、小さな大学の数学部長の座を手に入れる。その後、元大学教授と言う表の顔と、ロンドンの裏社会に暗躍する悪党一味の首領と言う裏の顔の2つを併せ持っている。
登場作品
*短編「最後の事件(The Final Problem)」(「ストランドマガジン」1893年12月号)
英国で出版された「ストランドマガジン」 1893年12月号「最後の事件」に掲載された挿絵 - ベイカーストリート221B(221B Baker Street → 2014年6月22日 / 6月29日付ブログで紹介済)に姿を見せた ジェイムズ・モリアーティー教授 挿絵:シドニー・エドワード・パジェット (Sidney Edward Paget:1860年ー1908年) |
ジェイムズ・モリアーティー教授が直接姿を見せるのは、上記の短編「最後の事件」のみであるが、登場はしないものの、短編「空き家の冒険(The Emputy House)」(「ストランドマガジン」1903年10月号)と長編「恐怖の谷」(「ストランドマガジン」1914年9月号ー1915年5月号)において、シャーロック・ホームズが、ジョン・H・ワトスンに対して、ジェイムズ・モリアーティー教授の名前を言及している。
(3)A ♦️「バスカヴィル家の犬(The Hound of the Baskervilles)」
デヴォン州(Devon)のダートムーア(Dartmoor)に姿を現す伝説の魔犬で、ある人物の悪意に基づき、バスカヴィル家の現当主であるチャールズ・バスカヴィル卿(Sir Charles Baskerville)を心臓発作による病死に追い込むとともに、彼の死体の側に、巨大な足跡を残して、姿を消すのである。
登場作品
*長編「バスカヴィル家の犬」-「ストランドマガジン」1901年8月号から1902年4月号にかけて連載された後、単行本化。
(4)A ♣️「マイクロフト・ホームズ(Mycroft Holmes)」
シャーロック・ホームズの7歳年上の兄で、複数の官庁において、会計検査の仕事をしており、表面上は、下級役人のように見えるが、実態は、その卓越した明晰な頭脳を以って、英国政府の政策全般を調整する非常に重要な役割を担っている。そのため、シャーロック・ホームズは、兄である彼を「政府そのもの」と評している。
マイクロフト・ホームズは、人付き合いを好まない人物ばかりが集う「ディオゲネスクラブ(Diogenes Club )」をパル・マル通り(Pall Mall → 2016年4月30日付ブログで紹介済)に創立した発起人である。当該クラブ内では、「来客室以外で口を聞いてはならない。」と言う規則が適用されている。
登場作品
*短編「ギリシア語通訳(The Greek Interpreter)」(「ストランドマガジン」1893年9月号)
*短編「最後の事件(The Final Problem)」(「ストランドマガジン」1893年12月号)
*短編「空き家の冒険(The Emputy House)」(「ストランドマガジン」1903年10月号)
*短編「ブルース・パーティントン型設計図(The Bruce-Partington Plans)」(「ストランドマガジン」1908年12月号)
0 件のコメント:
コメントを投稿