シャーロック・ホームズとジョン・H・ワトスンの2人が、食事を終えた後、ベイカーストリート221B(221B Baker Street → 2014年6月22日 / 6月29日付ブログで紹介済)へと戻る途中、オックスフォードストリート(Oxford Street → 2016年5月28日付ブログで紹介済)において、子供の誘拐現場に遭遇し、それを未然に防いだ翌朝(1890年12月14日)、ホームズの元に、果物が一杯詰まった巨大なバスケットが届けられた。
それは、レディー・アンドロメダ・エンディコット(Lady Andromeda Endicott)からだった。ホームズによると、彼女の夫であるフィリップ・エンディコット卿(Lord Philip Endicott)は、エンディコット公爵(Duke Endicott)の次男とのこと。
子供のジョナサンが誘拐されるのを未然に防いでもらった御礼として、 レディー・アンドロメダ・エンディコットが ベイカーストリート221Bのシャーロック・ホームズ宛に、 果物が一杯詰まったバスケットを送り届けてきた。 (Illustrations by Frank Cho / 1971年に韓国のソウル生まれのイラストレーター) |
続いて、レディー・エンディコットが、ボディーガードのヘクター・ジョーンズ(Hector Jones)を従えて、子供のジョナサン(Jonathan - 3歳)と一緒に、ベイカーストリート221Bを訪れた。
レディー・エンディコットは、ジョナサンに、ホームズとワトスンの2人に対して、御礼を述べるように伝えた。
子供の首の後ろに、ワインの染みのような星形の痣があった。
レディー・エンディコットは、ホームズ達に、
(1)ジョナサンは、クリスマスの日に生まれたので、自分たちは、首の後ろの痣を「ベツレヘムの星(Star of Bethlehem)」と呼んでいる。
(2)彼は、次のクリスマスを迎えると、4歳になる。
こと等を説明すると、昨日、オックスフォードストリートで彼を誘拐しようとした犯人を捕まえてほしいと依頼したのである。
レディー・アンドロメダ・エンディコットが シャーロック・ホームズとジョン・H・ワトスンの2人に紹介した 子供のジョナサンの首の後ろには、 ワインの染みのような星形の痣があった。 (Illustrations by Frank Cho) |
彼女によると、先週(12月10日)の午前2時、覆面をした何者かが、キッチンの窓から屋敷内へ侵入して、上の階へと向かったが、執事(butler)のジョーンズ(Jones)と彼の息子であるヘクターに見つかり、逃げ去ったとのこと。
その侵入者は、昨日の誘拐未遂犯と同一人物である可能性が高かった。
ホームズとワトスンは、その日の午後3時に、屋敷を訪問する約束をした。
その日の午後、メイフェア地区(Mayfiar)にあるエンディコット家の屋敷へと向かう馬車の中で、ホームズは、ワトスンに対して、レディー・エンディコットのことについて、事前説明を始めた。
(1)バッキンガムシャー州(Buckinghamshire)に所在する広大な農場を相続。
(2)ニューナムカレッジ(Newnham College)を卒業。
(3)フィリップ・エンディコット卿(現在、準男爵(barnet))と結婚。なお、フィリップ・エンディコット卿は、フランスの葡萄園への投資により、巨万な富を築いている。
エンディコット家の屋敷に到着したホームズとワトスンの2人が、レディー・エンディコットとの面談を始めようとしていたところ、そこにフィリップ・エンディコット卿が姿を見せて、ホームズへの調査依頼を断るとともに、屋敷から直ぐに出て行くように要求した。
更に、フィリップ・エンディコット卿に呼ばれて、彼の後から姿を表したのは、なんと、「シャーロック・ホームズの冒険 / 芸術家の血(A Sherlock Holmes Adventure / Art in the Blood → 2022年4月17日 / 4月23日 / 4月30日付ブログで紹介済)」から何かと因縁が続くフランス人探偵のジャン・ヴィドック(Jean Vidocq)であった。
シャーロック・ホームズとジョン・H・ワトスンの2人が、 レディー・アンドロメダ・エンディコットと面談する場に 突然入って来たフィリップ・エンディコット卿は、 ホームズ達に対して、即刻、屋敷から立ち去るように求めた。 彼の後から入って来たのは、 ホームズ達と因縁が深いフランス人の探偵である ジャン・ヴィドックであった。 (Illustrations by Frank Cho) |
やむを得ず、部屋から退出するホームズとワトスンであったが、その際、ホームズは、フィリップ・エンディコット卿に対して、驚くべき一言を放つ。
「あなたの御子息は、本当のお子さんではなく、養子なのでは?」
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