英国の Laurence King Publishing Group Ltd. より、一昨年(2022年)に発行されたシャーロック・ホームズをテーマにしたトランプの各カードについて、前回に引き続き、紹介したい。
(13)4 ❤️「2人乗り1頭立て2輪馬車(Hansom Cab)」
2人乗り1頭立て2輪馬車は、英国の建築家であるジョーゼフ・アロイシウス・ハンソム(Joseph Aloysius Hansom:1803年ー1882年)によって発明され、英国では、20世紀初め頃まで、タクシー代わりの辻馬車として使われた。
シャーロック・ホームズやジョン・H・ワトスンを初めとして、登場人物の多くが使用している。
(14)4 ♠️「大型の肉切り包丁(Meat Cleaver)」
水力工学技師であるヴィクター・ハザリー(Victor Hatherley)は、独立したものの、全く鳴かず飛ばずの状態だったが、そこにライサンダー・スターク大佐(Colonel Lysander Stark)と名乗る人物が事務所を訪れ、内密で巨大な水圧機の故障原因を調べてほしいと依頼した。
高額な報酬に惹かれて、仕事を受けたヴィクター・ハザリーであったが、ライサンダー・スターク大佐の話通りではないことが判り、逃げ出そうとした。ヴィクター・ハザリーは、謎の婦人の案内で逃げ込んだ2階の部屋の窓から飛び降りようとした時、大型の肉切り包丁を持ったライサンダー・スターク大佐が追いかけて来た。
窓枠にぶら下がったヴィクター・ハザリーの左手の上に包丁が振り落とされ、彼は親指を切断されてしまう。
「技師の親指(The Engineer’s Thumb)」は、ホームズシリーズの短編小説56作のうち、9番目に発表された作品で、英国では、「ストランドマガジン(The Strand Magazine)」の1892年3月号に掲載された。
また、同作品は、1892年に発行されたホームズシリーズの第1短編集「シャーロック・ホームズの冒険(The Adventures of Sherlock Holmes)」に収録されている。
(15)4 ♦️「太った白いガチョウ(Dead Goose)」
クリスマスから2日目の朝、ジョン・H・ワトスンがベイカーストリート221Bを訪問すると、紫色の化粧着を着たシャーロック・ホームズは、ソファーの上でくつろいでいた。
ソファーの隣りに置かれた木製椅子の背もたれの角には、薄れてボロボロになった固いフェルト製帽子が掛けられていて、ホームズは拡大鏡とピンセットでこの帽子を調べていたようであった。ワトスンの問いに、ホームズは「この帽子は、退役軍人(commissionaire)のピータースン(Peterson)が置いていったものだ。」と答える。
そして、ホームズは、ワトスンに対して、グッジストリート(Goodge Street → 2014年12月27日付ブログで紹介済)において、ピータースンがボロボロになった帽子と丸々と太った白いガチョウを手に入れることになった経緯を語り始めた。
「青いガーネット(The Blue Carbuncle)」は、ホームズシリーズの短編小説56作のうち、7番目に発表された作品で、英国では、「ストランドマガジン」の1892年1月号に掲載された。
また、同作品は、1892年に発行されたホームズシリーズの第1短編集「シャーロック・ホームズの冒険(The Adventures of Sherlock Holmes)」に収録されている。
(16)4 ♣️「警察の留置場(Police Cell)」
ホームズシリーズを通して、警察の留置場は、容疑者の勾留に使用されている。
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