英国の Laurence King Publishing Group Ltd. より、2020年に発売されたジグソーパズル「シェイクスピアの世界(The World of Shakespeare)」には、のイラスト内には、イングランドの劇作家 / 詩人であるウィリアム・シェイクスピア(William Shakespeare:1564年ー1616年 → 2023年5月19日付ブログで紹介済)や彼が生きた時代の人物、彼の劇が上演されたグローブ座、そして、彼が発表した史劇、悲劇や喜劇に登場するキャラクター等が散りばめられているので、前回に続き、順番に紹介していきたい。
今回紹介するのは、ウィリアム・シェイクスピア作の悲劇「ハムレット(Hamlet)」(1600年ー1601年)で、全5幕で構成されている。
「ハムレット」の正式題名は、「デンマークの王子ハムレットの悲劇(The Tragical Historie of Hamlet, Prince of Denmark / The Tragedie of Hamlet, Prince of Denmark)」である。
「ハムレット」は、デンマーク王国の父王を毒殺して、王位に就き、母を妃とした叔父に対して、王子であるハムレット(Hamlet)が復讐を遂げる物語となっている。
「ハムレット」は、「オセロー(Othello → 2023年6月3日付ブログで紹介済)」(1603年ー1604年)、「リア王(King Lear → 2023年7月19日付ブログで紹介済)」(1605年ー1606年)、そして、「マクベス(Macbeth → 2023年7月30日付ブログで紹介済)」(1606年)と並ぶウィリアム・シェイクスピアの四大悲劇の一つで、彼の戯曲の中でも最長の作品である。
テムズ河(River Thames)南岸のウォータールーロード(Waterloo Road)沿いに建つ ザ・オールド・ヴィック劇場(The Old Vic Theatre) <筆者撮影> |
ザ・オールド・ヴィック劇場において、 1975年に上演されたウィリアム・シェイクスピア作「ハムレット」 (英国のロイヤルメールから発行された記念切手の1枚) |
デンマーク王国のハムレット王(King Hamlet)が急死したため、王の弟であるクローディアス(Claudius)が、後継者として王位に就き、元王妃だったガートルード(Gertrude)と結婚する。
父ハムレット王の死と母ガートルードの再婚を受けて、王子のハムレットは、憂いに沈む。従臣から「亡きハムレット王の亡霊が、夜な夜なエルシノア(Elsinore)の城壁に姿を現わす。」と言う話を聞いた彼は、それを確かめるべく、エルシノアの城壁へと向かう。そこで亡き父ハムレット王の亡霊に出会った彼は、父の亡霊から、「父王の死は、叔父であるクローディアスによる毒殺であった」ことを告げられる。
叔父のクローディアス王への復讐を誓ったハムレットは、計画を遂行するために、狂気を装った。それを見た王のクローディアスと王妃のガートルードは、ハムレットの変貌ぶりに憂慮する。
一方、デンマーク王国の侍従長で、クローディアス王の右腕であるポローニアス(Polonius)は、ハムレットの変貌ぶりの原因について、娘のオフィーリア(Ophelia)への実らぬ恋だと誤解する。父ポローニアスの指示により、オフィーリアは、ハムレットに対して、探りを入れるが、彼に無下にされる。
その後、叔父のクローディアスが父を毒殺した確かな証拠を掴んだハムレットが、母のガートルードと話をしていた際、隠れて盗み聞きをしていたポローニアスを、叔父クローディアスと間違えて刺殺してしまった。
父のポローニアスをハムレットに殺されたオフィーリアは、ショックと悲しみのあまり、気が狂った末に、川で溺死してしまう。
ポローニアスの息子で、オフィーリアの兄であるリアティーズ(Laertes)は、ハムレットへの怒りと憎しみの気持ちを募らせ、父と妹の仇をとろうとする。
自分がハムレット元王を毒殺したことを知られたことが判ったクローディアス王は、ハムレットへの復讐に燃えるリアティーズと通じると、毒が塗られた剣と毒入りの酒を用意して、ハムレットを剣術試合へと招き、秘かに甥を殺害しようとする。
しかし、クローディアス王の予定とは異なり、剣術試合の最中、王妃のガートルードが、毒入りとは知らないまま、酒を飲んでしまい、死亡してしまう。
一方、ハムレットとリアティーズの2人は、剣術試合中、毒が塗られた剣により、お互いに負傷してしまった。
剣に塗られた毒で息絶えつつあるリアティーズから全ての真相を聞かされたハムレットは、叔父のクローディアス王を殺して、亡き父王の復讐を見事に果たした。
リアティーズと同じように、剣に塗られた毒で傷を負ったハムレットは、親友のホレイショー(Horatio)を呼び、ことの顛末を後世に語り伝えるように言い残すと、この世を去るのであった。
0 件のコメント:
コメントを投稿