2026年1月16日金曜日

アガサ・クリスティー 2026年オフィシャルカレンダー(Agatha Christie Official Calendar 2026)- その5

2025年に英国の HarperCollinsPublishers 社から出版された
「アガサ・クリスティー 2026年オフィシャルカレンダー」のうち、
2026年3月のカレンダーに描かれている
エルキュール・ポワロシリーズの長編第2作目「ゴルフ場の殺人」(1923年)-

フランス、南ランスのメルランヴィルにあるジュネヴィエーヴ荘に住む

ポール・ルノーの死体が発見されたゴルフ場が、画面に描かれている


アガサ・メアリー・クラリッサ・クリスティー(Agatha Mary Clarissa Christie:1890年ー1976年)の作品を出版している英国の HarperCollinsPublishers 社から、2026年オフィシャルカレンダーが出ているので、前回に引き続き、順番に紹介したい。


2026年カレンダーの場合、カレンダー用に新たに描き起こされたエルキュール・ポワロシリーズのイラストが使用されており、デザインについては、Diahann Sturge-Cambell が、また、イラストに関しては、Mr. Stephen Millership / Central Illustration Agency が担当している。


4番目は、2026年3月のカレンダーに該る「ゴルフ場の殺人(The Murder on the Links)」(1923年)である。


アガサ・クリスティーが執筆した長編としては、第3作目に該り、エルキュール・ポワロシリーズの長編のうち、第2作目に該っている。


1923年のある日、エルキュール・ポワロ(Hercule Poirot → 2025年10月11日付ブログで紹介済)は、朝食の席で郵便物に目を通していたが、名探偵としての彼の興味を引くものは皆無で、残念ながら、取るに足らない陳腐な依頼ばかりであった。その結果、次から次へと、届いた手紙は、彼によって放り投げられることとなった。


エルキュール・ポワロは、
英国の Orion Publishing Group Ltd. から2023年に発行されている
「エルキュール・ポワロの世界」と言うジグソーパズルの中央に立っている。
<筆者撮影>


その時、ある手紙に、ポワロは手をとめた。それは、フランス、南ランスのメルランヴィル(Merlinville-sur-Mer)にあるジュネヴィエーヴ荘(Villa Genevieve)に住むポール・ルノー(Paul Renauld)からで、「急ぎのお越しを請う!」という内容だった。手紙によると、彼には、命の危険が迫っているようだったが、絶対に明らかにはできない重大な秘密があるため、フランスの地元警察へは行けず、「ベルギー警察に、その人あり。」と言われたポワロに対して、助けを求めてきたのである。


アーサー・ヘイスティングス大尉は、
英国の Orion Publishing Group Ltd. から2023年に発行されている
「エルキュール・ポワロの世界」と言うジグソーパズルの中央に立つ
エルキュール・ポワロの左斜め後ろに居る。

<筆者撮影>


ポール・ルノーからの手紙に興味を覚えたポワロは、急いで出発の準備を整えると、友人で、かつ、相棒でもあるアーサー・ヘイスティングス大尉(Captain Arthur Hastings → 2025年10月12日付ブログで紹介済)を伴い、英仏海峡を渡り、英国(ドーヴァー(Dover))からフランス(カレー(Calais))へと向かった。


翌日、ポワロとヘイスティングス大尉の二人は、メルランヴィルのジュヌヴィエーヴ荘に到着するが、別荘の門のところで、地元警察の巡査によって、行く手を遮られる。

驚いたことに、ジュヌヴィエーヴ荘の主人で、南米で富を築いた富豪であるポール・ルノーは、今朝、既に殺害されていたのである。残念なことに、ポワロは間に合わなかったのだ。


2007年に英国の HarperCollinsPublishers 社から出ている
アガサ・クリスティー作「ゴルフ場の殺人」のグラフィックノベル版
(→ 2022年11月4日付ブログで紹介済)の表紙

(Cover Design and Illustration by Ms. Nina Tara)-
ポール・ルノーの死体が発見されたゴルフ場に因んで、
ゴルフクラブとゴルフボールがメインに描かれている。
また、右上には、エルキュール・ポワロに対して助けを求める
ポール・ルノーの手紙が加えられている。


ポール・ルノーの妻であるエロイーズ・ルノー(Eloise Renauld)によると、前の晩、二人組の暴漢が夫妻の寝室に侵入して来て、ルノー夫人は、縛り上げられた上に、猿轡(さるぐつわ)をかまされた。そして、彼女の夫(ポール・ルノー)は、下着の上にコートを羽織っただけという格好で、犯人達によって、無理やり戸外へと連れ出された、とのこと。

翌日の早朝、彼女の夫は、短剣で背中を刺されて、ジュネヴィエーヴ荘のすぐ隣りにあるゴルフ場(来月オープン予定)に掘られた墓穴に倒れているのを、ゴルフ場の従業員が発見したのである。二人組の暴漢は、わざわざ、墓穴を掘りながらも、ポール・ルノーの死体を埋めずに、そのまま放置するという非常に不可解な行動をとっていた。


2007年に英国の HarperCollinsPublishers 社から出ている
アガサ・クリスティー作「ゴルフ場の殺人」のグラフィックノベル版の裏表紙
(Cover Design and Illustration by Ms. Nina Tara)-
ゴルフ場で発見されたポール・ルノーの死体が描かれている。


間に合わなかったものの、英国からフランスまで遥々やって来たポワロは、自らの手で犯人達を見つけ出すことを誓った。幸いなことに、地元警察のリュシアン・ベー署長(Lucien Bex / Commissionary of Police for Merlinville-sur-Mer)は、彼の到着を歓迎してくれたので、早速、ポワロは捜査を開始する。

まもなく、オート予審判事(Monsieur Hautet / Examining Magistrate)による要請に基づき、パリ警察から名刑事としての呼び声が高いジロー刑事(Monsieur Giraud / Detective of the Paris Surete)が現場に派遣されることになり、ポワロとジロー刑事による推理合戦の火蓋が切って落とされることとなった。


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