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| グリーンパーク内から見たデヴォンシャーハウス <筆者撮影> |
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| 東京創元社が発行する創元推理文庫「爬虫類館の殺人」の表紙 カバーイラスト:ヤマモト マサアキ カバーデザイン:折原 若緒 カバーフォーマット:本山 木犀 |
ケンジントンガーデンズ(Kensington Gardens)内にあるロイヤルアルバート動物園(Royal Albert Zoological Gardens)は、園長であるエドワード・ベントン(Edward Benton)によって運営されていた。ロイヤルアルバート動物園の中でも、世界の蛇、蜥蜴や毒蜘蛛等を集めた爬虫類館は、その名物で、人気を集めていた。
そんなロイヤルアルバート動物園であったが、ドイツ軍の爆撃による空襲の脅威下、閉園の危機を迎える。ドイツ軍の爆撃による空襲により、毒蛇、毒蜥蜴や毒蜘蛛、更に、毒のある昆虫等が逃げ出して、サウスケンジントン中を這い回るリスクを抱えていたからである。
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| グリーンパークの出入口越しに見たデヴォンシャーハウス <筆者撮影> |
1940年9月6日(金)の午後、爬虫類館内において、長年にわたって反目している奇術師の両家に属するケアリー・クイント(Carey Quint - 奇術師の青年)とマッジ・パリサー(Madge Palliser - 奇術師の女性)の2人は、飼育員のマイク・パーソンズと一騒動を起こして、保管用のガラスケースを壊してしまい、大蜥蜴(ジャイアントグリーンアミーバ)とアメリカドクトカゲが逃げ出す要因をつくってしまった。そして、そこに偶々居合わせた陸軍省の御意見番であるヘンリー・メリヴェール卿は、危うく2匹の蜥蜴に噛まれるところだった。
こうして、「爬虫類館の殺人」の物語は始まる。
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| ピカデリー通りの南側から見たデヴォンシャーハウス(その1) <筆者撮影> |
ケアリー・クイントは、有名な奇術師であるユージン・クイント(1928年に死去)から引き継いだセントトマスホール(St. Thomas Hall - 劇場)の最上階にあるフラットに住んでいた。
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| ピカデリー通りの南側から見たデヴォンシャーハウス(その2) <筆者撮影> |
ケアリー・クイントが住むセントトマスホールの所在地について、原作上、以下のような記述がある。
新たな空襲警報は、その夜八時二十分に鳴り響いた。ちょうどケアリ・クイントが、ピカデリーのセント・トマス・ホールを出たところだった。
(中略)
セント・トマス・ホールは大きな劇場ではなかった。
それはグリーン・パークの入口の、ほぼ真向かいに建っていた。殺風景な、狭い、三階建ての劇場は、ほとんど目立たない。
(白須 清美訳)
ケアリは窓に近づき、外を見た。三階下では、スチールのヘルメットをかぶった警察官が、ホテル・リッツの前で話をしていた。通りからは色が失われ、灰色と白の色までもあせて見え、その向こうではグリーン・パークが荒野のように不気味に広がっていた。遠くで、車のギアがきしる音がした。
(白須 清美訳)
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| グリーンパークに隣接して建つホテルリッツ ロンドンは、 現在、横の外壁の改修工事中。 <筆者撮影> |
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| ピカデリー通りの北側から見たホテルリッツ ロンドン <筆者撮影> |
これら2つの記述から、ケアリー・クイントが住むセントトマスホールは、グリーンパーク(Green Park)と公園に隣接して建つホテルリッツ ロンドン(The Ritz London → 2025年7月2日 / 7月14日付ブログで紹介済)のほぼ真向かいに建っていることが判る。
現在の住所表記上、この条件を満たす建物は、ピカデリーライン(Piccadilly Line)とベイカールーライン(Bakerloo Line)の2線が乗り入れる地下鉄ピカデリーサーカス駅(Piccadilly Circus Tube Station)とピカデリーラインが停まる地下鉄ハイドパークコーナー駅(Hyde Park Corner Tube Station → 2015年6月14日付ブログで紹介済)を東西に結ぶ約1マイルの幹線道路であるピカデリー通り(Piccadilly → 2025年7月31日付ブログで紹介済)を挟んで、グリーンパークとホテルリッツ ロンドンの真向かいに建つメイフェアプレイス1番地(1 Mayfair Place)の「デヴォンシャーハウス(Devonshire House)」と言うオフィスビルである。
従って、ケアリー・クイントが住んでいたセントトマスホールの面影は、全く残っていない。
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| 「Nicholson - Super Scale - London Atlas」から セントジェイムズ地区の地図を抜粋。- デヴォンシャーハウスが建っているのは、 ピカデリー通りを挟んで、地下鉄グリーンパーク駅の表示の反対側にある メイフェアプレイス1番地。 |
現在、「デヴォンシャーハウス」の入口は、ピカデリー通り側に面しておらず、同通りの裏側のメイフェアプレイス側に設けられている。
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| ストラットンストリート(Stratton Street)沿いにある 高級スーパーマーケットのマークス&スペンサーの出入口 - マークス&スペンサーの上の建物が、デヴォンシャーハウス。 <筆者撮影> |
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| デヴォンシャーハウスのピカデリー通り沿いの外壁にある 高級スーパーマーケットのマークス&スペンサーの看板 <筆者撮影> |
また、「デヴォンシャーハウス」の地上階には、高級スーパーマーケットであるマークス&スペンサー(Marks & Spencer)を初めとする小売店が入居して営業しており、地下にはピカデリーライン、ジュビリーライン(Jubilee Line)とヴィクトリアライン(Victoria Line)の3線が停まる地下鉄グリーンパーク駅(Green Park Tube Station → 2025年7月30日付ブログで紹介済)が所在している。
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| ピカデリー通り沿いにある 地下鉄グリーンパーク駅の出入口 - 駅出入口の上の建物が、デヴォンシャーハウス。 <筆者撮影> |
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| ストラットンストリート沿いにある 地下鉄グリーンパーク駅の出入口 - 駅出入口の上の建物が、デヴォンシャーハウス。 <筆者撮影> |













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