英国のプーシキン出版(Pushkin Press)から 2024年に刊行されている Pushkin Vertigo シリーズの一つである 綾辻行人作「迷路館の殺人」の英訳版の裏表紙 (Cover design by Jo Walker / Cover image by Shutterstock) |
今日(4月1日)は、宮垣葉太郎の誕生日で、「迷路館」において、還暦(60歳)の祝賀パーティーがささやかに行われる予定だった。宇多山英幸 / 桂子夫妻は、宮垣葉太郎の還暦祝賀パーティーに招かれていたのである。
宇多山英幸が宮垣葉太郎から事前に聞いた限りでは、宮垣葉太郎の還暦祝賀パーティーに招かれた客は、全員で8名とのことだった。宇多山桂子が、自分達以外の招待客を指折り数えるものの、何故だか、一人足りない。宇多山英幸は、妻に対して、「残りの1人は、僧侶だと思う。」と答えた。
英国のプーシキン出版(Pushkin Press)から 2020年に刊行されている Pushkin Vertigo シリーズの一つである 綾辻行人作「十角館の殺人」の英訳版の表紙 (Cover design & illustration by Jo Walker) |
宮垣葉太郎が住む「迷路館」へ向かう途中、宇多山英幸 / 桂子夫妻は、故障のため、路上で立ち往生している車に出会した。
故障した車に乗っていたのは、推理小説マニアで、「十角館の殺人(The Decagon House Murders → 2023年2月21日 / 2月25日 / 3月9日 / 3月18日付ブログで紹介済)」と「水車館の殺人(The Mill House Murders → 2023年4月30日 / 5月3日 / 5月13日付ブログで紹介済)」において探偵役を務めた島田潔(Kiyoshi Shimada:37歳)だった。
彼は、今は亡き建築家である中村青司(Seiji Nakamura)が設計した「迷路館」を見たくて、そこへ向かっていたところ、偶然、宮垣葉太郎と知り合いになり、今回、推理小説マニアの代表として、宮垣葉太郎の還暦祝賀パーティーに招かれる運びとなっていた。つまり、宇多山英幸 / 桂子夫妻が判らなかった謎の招待客は、島田潔だったのである。
英国のプーシキン出版(Pushkin Press)から 2023年に刊行されている Pushkin Vertigo シリーズの一つである 綾辻行人作「水車館の殺人」の英訳版の表紙 (Cover design by Jo Walker / Cover image by Marcelo Eduardo) |
その後は、何事もなく、「迷路館」に無事到着した宇多山英幸 / 桂子夫妻と島田潔であったが、彼ら以外には、以下の5名が招待されていた。
(1)清村淳一(Jyunichi Kiyomura:30歳 - 推理作家)
(2)須崎昌輔(Shosuke Suzaki:40歳 - 推理作家)
(3)舟丘まどか(Madoka Funaoka:30歳 - 推理作家)
(4)林宏也(Hiroya Hayashi:27歳 - 推理作家)
(5)鮫嶋智生(Tomoo Samejima:38歳 - 評論家)
彼らは皆、宮垣葉太郎の絶賛を受け、若くして文壇にデビューしたものの、彼らの中には、現在、伸び悩んでいる者も居た。
宮垣葉太郎の出迎えを待ち侘びる8名であったが、約束の時間を過ぎても、何故か、宮垣葉太郎は姿を見せなかった。
すると、そこへ彼の秘書である井野満男(Mitsuo Ino:36歳)が現れて、
*宮垣葉太郎は、今朝、自殺したこと
*宮垣葉太郎の遺書に従い、彼の死を警察にはまだ通報していないこと
を告げる。
自殺を遂げた宮垣葉太郎は、1本のテープを遺しており、そこには、驚くべき内容が録音されていたのである。
0 件のコメント:
コメントを投稿