2025年1月2日木曜日

コナン・ドイル作「青いガーネット」<小説版>(The Blue Carbuncle by Conan Doyle )- その2

英国で出版された「ストランドマガジン」
1892年1月号に掲載された挿絵(その3) -

ある年の12月27日の朝、ベイカーストリート221B において、
シャーロック・ホームズとジョン・H・ワトスンが話をしていた際、
退役軍人のピータースンが慌てて駆け込んで来る。
彼が持ち帰ったガチョウの腹を、料理のために、彼の妻が裂いたところ、
その餌袋の中から、青い宝石が出て来たと、ピータースンは告げた。
画面左側から、シャーロック・ホームズ、ジョン・H・ワトスン、
そして、退役軍人のピータースンが描かれている。
挿絵:シドニー・エドワード・パジェット
(Sidney Edward Paget:1860年 - 1908年)


サー・アーサー・イグナティウス・コナン・ドイル(Sir Arthur Ignatius Conan Doyle:1859年ー1930年)作「青いガーネット(The Blue Carbuncle)」の場合、ある年のクリスマスから2日目の朝(on the second morning after Christmas)である12月27日、ジョン・H・ワトスンがベイカーストリート221B(221B Baker Street → 2014年6月22日 / 6月29日付ブログで紹介済)のシャーロック・ホームズの元を訪れるところから、物語が始まる。


ワトスンが部屋に入ると、紫色の化粧着を着たシャーロック・ホームズは、ソファーの上で寛いでいた。ソファーの隣りに置かれた木製椅子の背もたれの角には、薄れてボロボロになった固いフェルト製帽子が掛けられていて、ホームズは拡大鏡とピンセットでこの帽子を調べていたのである。

ワトスンの問いに、ホームズは「この帽子は、退役軍人(commissionaire)のピータースン(Peterson)が置いていったものだ。」と答える。そして、ホームズは、ワトスンに対して、トッテナムコートロード(Tottenham Court Road → 2015年8月15日付ブログで紹介済)とグッジストリート(Goodge Street → 2014年12月27日付ブログで紹介済)の角において、ピータースンがボロボロになった帽子と丸々と太った白いガチョウを手に入れることになった経緯を語り始めた。


喧嘩の現場に残されていた帽子には、「H. B.」のイニシャルが、そして、ガチョウの左脚には、「ヘンリー・ベイカー夫人へ(For Mrs. Henry Baker)」と書かれた札が付いていた。

帽子については、ホームズがピータースンから預かり、ガチョウに関しては、そのままの状態で長く保管しておくことができないため、ホームズはピータースンに返して、持って帰らせたのである。

帽子を調べたホームズは、ワトスンに対して、「帽子の持ち主は、知能が高く、今は落ちぶれているが、3年前は裕福な生活を送っていた。」と語る。


丁度そこへ、退役軍人のピータースンが慌てて駆け込んで来た。

ピータースンによると、彼の妻が、料理するために、彼が持ち帰ったガチョウの腹を裂いたところその餌袋の中から、青い宝石が出てきた、とのこと。

ピータースンから宝石を見せられたホームズは、新聞に毎日掲載されている事件のことを説明する。

この宝石は、ホテルコスモポリタン(Hotel Cosmopolitan)に滞在していたモーカー伯爵夫人(Countess of Morcar)の元から12月22日に盗まれて、千ポンドの懸賞金がかけられている「青いガーネット(blue carbuncle)」だったのだ。


モーカー伯爵夫人は、「青いガーネット」を宝石箱に入れて保管していたが、部屋の暖房が故障したため、修理を頼んだ。

モーカー伯爵夫人の求めに応じて、ホテルの客室係(upper-attendant at the hotel)のジェイムズ・ライダー(James Ryder)と修理工(plumber)のジョン・ホーナー(John Horner)が、彼女の部屋を訪れる。

客室係のジェイムズ・ライダーが用事で呼ばれている間に、修理工のジョン・ホーナーが仕事を終えて帰った。

その後、宝石箱を調べたところ、中は空で、「青いガーネット」は、影も形もなかったのである。

修理工のジョン・ホーナーが、宝石盗難の容疑者として逮捕されたが、彼は宝石の盗難を頑強に否定していた。


          

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