2024年12月16日月曜日

木原敏江作「それは常世のレクイエム~夢みるゴシック~(Gothicism - dreaming by Toshie Kihara)」- その1

日本の出版社である株式会社秋田書店から
2012年にプリンセスコミックスの1冊として出版された
木原敏江作「それは常世のレクイエム〜夢みるゴシック〜」の表紙 -
主人公のポーリーン・レミントン(右側の人物)と
案内役を務めるバイロン卿(左側の人物)が描かれている。


今回は、日本の漫画家 / イラストレーターである木原敏江(Toshie Kihara:1948年ー)が、2012年に株式会社秋田書店からプリンセスコミックス(Princess Comics)として出版した漫画「それは常世のレクイエム~夢みるゴシック~(Gothicism - dreaming)」について、紹介したい。


日本の出版社である株式会社秋田書店から
2012年にプリンセスコミックスの1冊として出版された
木原敏江作「それは常世のレクイエム〜夢みるゴシック〜」の裏表紙


本作品において、案内役を務めるのは、第6代バイロン男爵ジョージ・ゴードン・バイロン(George Gordon Byron, 6th Baron Byron:1788年ー1824年 → 2021年5月9日および2024年8月24日 / 8月30日付ブログで紹介済)である。


第6代バイロン男爵ジョージ・ゴードン・バイロンは、英国のロマン派詩人で、SF の先駆者と見做される英国の小説家メアリー・ウルストンクラフト・ゴドウィン・シェリー(Mary Wollstonecraft Godwin Shelley:1797年ー1851年 → 2021年3月9日 / 3月16日付ブログで紹介済)がゴシック小説「フランケンシュタイン、或いは、現代のプロメテウス(Frankenstein; or, the Modern Prometheus. → 2021年3月24日付ブログで紹介済)」(1818年)に登場する「フランケンシュタインの怪物」を着想する場面に立ち会った人物である。

英国において、第6代バイロン男爵ジョージ・ゴードン・バイロンは、一般に、「バイロン卿(Lord Byron)」として知られている。


一方、主人公を務めるのは、ポーリーン・レミントン(架空の人物)である。

彼女は、地主階級出身の名門の末娘であるヘレン・レミントンが、親の反対を押し切り、ジャンブラーであるブライアン・フィールズと駆け落ち結婚をして生まれた一人娘で、12歳の時、事故に巻き込まれて、建物の下敷きになった。その際、彼女の両親が自分達の身体の下に彼女をかばった。両親のおかげで、彼女は無事に建物の瓦礫の中から無事に生還したが、それと引き換えに、両親を失ってしまう。その後、彼女は、孤児院へと入れられた。

ヘレン・レミントンの父で、ポーリーン・レミントンの祖父に該る当主はには、3人の子供が居たが、2人の息子は、結婚前に軍に入隊し、ナポレオン戦争で戦死。また、末娘であったヘレンも既に亡くなっていたため、レミントン家の跡取りとなる孫娘のポーリーンの行方を捜索していた。

孤児院に引き取られ、3年が経過して、14歳になっていたポーリーン・レミントンは、祖父の依頼に基づき、彼女を探していた弁護士により、孤児院で発見され、レミントン家へと戻ることになる。

祖父より「全力でレミントン家を守り立てていく務めがある。」と連日言われ続けたポーリーン・レミントンが18歳になったところから、本作品の物語が始まるのである。


日本の出版社である株式会社秋田書店から
2012年にプリンセスコミックスの1冊として出版された
木原敏江作「それは常世のレクイエム〜夢みるゴシック〜」の内扉 -
主人公のポーリーン・レミントン(画面手前の人物)と
案内役を務めるバイロン卿(画面奥の人物)が描かれている。

本作品には、以下の物語が収録されている。


(1)「それは怪奇なセレナーデ(前編)」(2012年プリンセス GOLD 2月号掲載)

(2)「それは怪奇なセレナーデ(後編)」(2012年プリンセス GOLD 3月号掲載)

(3)「それは常世のレクイエム(前編)」(2012年プリンセス GOLD 8月号掲載)

(4)「それは常世のレクイエム(後編)」(2012年プリンセス GOLD 10月号掲載)


次回以降、「それは怪奇なセレナーデ」と「それは常世のレクイエム」に関して、個別に紹介していきたい。


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