2024年に英国の HarperCollinsPublishers 社から出版された アガサ・クリスティー作「白昼の悪魔」の 愛蔵版(ハードカバー版)の内扉 (Cover design and illustration by Sarah Foster / HarperCollinsPublishers Ltd. ) |
英国の HarperCollinsPublishers 社から、2024年に刊行されたアガサ・メアリー・クラリッサ・クリスティー(Agatha Mary Clarissa Christie:1890年ー1976年)作「白昼の悪魔(Evil Under the Sun)」(1941年)の愛蔵版(ハードバック版 → 2024年6月8日 / 6月12日付ブログで紹介済)では、デヴォン州(Devon)の密輸業者島(Smugglers’ Island)にあるジョリーロジャーホテル(Jolly Roger Hotel)に滞在する探偵、被害者および各容疑者達の住所について、以下のように記載されている。
なお、「白昼の悪魔」は、アガサ・クリスティーが執筆した長編としては、第29作目に該り、エルキュール・ポワロシリーズの長編のうち、第20作目に該っている。
(1)オーデル・C・ガードナー(Odell C. Gardener - 米国人)/ キャリー・ガードナー(Carrie Gardener - オーデルの妻)
住所: New York
(2)パトリック・レッドファン(Patrick Redfern - アリーナ・マーシャルと不倫関係にある)/ クリスティーン・レッドファン(Christine Redfern - パトリックの妻で、元教師。夫の不倫のため、アリーナ・マーシャルを恨んでいる)
住所:Crossgates, Seldon, Princes Risborough
(3)バリー少佐(Major Barry - 退役将校)
住所:18 Cardon St., St James, London, SW1
(4)ホーレス・ブラット(Horace Blatt - ヨットが趣味)
住所:5 Pickersgill Street, London, EC2
(5)エルキュール・ポワロ
住所:Whitehaven Mansions, London, W1
(6)ロザモンド・ダーンリー(Rosamund Darnley - ドレスメーカー / 以前、ケネス・マーシャルと交際していた)
住所:8 Cardigan Court, W1
(7)エミリー・ブルースター(Emily Brewster - スポーツが趣味。以前、投資話でアリーナ・マーシャルに損害を負わされたため、彼女を恨んでいる)
住所:Southgates, Sunbury-on-Thames
(8)スティーヴン・レーン(Reverend Stephen Lane - 元牧師)
住所:London
(9)ケネス・マーシャル(Captain Kenneth Marshall - 実業家 / 以前、ロザモンド・ダーンリーと交際していたが、アリーナ・ステュアートと結婚)/ アリーナ・ステュアート・マーシャル(Arlena Stuart Marshall - 美貌の元女優)/ リンダ・マーシャル(Linda Marshall - ケネス・マーシャルの娘 / 継母のアリーナを疎ましく感じている)
住所:73 Upcott Mansions, London, SW7
上記のうち、ロンドンが住所になっているのは、(3)、(4)、(5)、(6)、(8)および(9)であるが、地図で調べてみると、現在の住所表記上、どの住所も存在していないので、全て架空の住所だと思われる。
探偵であるポワロについては、実在の通りを使用しても、問題ないのではないかと考えられるが、各容疑者達(犯人を含む)に関して、住所として、実在の通りを使用すると、差し障りがあるので、アガサ・クリスティーは、架空のものを使用したのであろう。
0 件のコメント:
コメントを投稿