英国の Faber & Faber Limited から 2020年に刊行されている ピーター・スワンスン作「8つの完璧な殺人」のペーパーバック版の裏表紙 (Design by Faber + Cover image by Kasia Baumann / Getty.Shutterstock) |
米国の小説家であるピーター・スワンスン(Peter Swanson:1968年ー)が2020年に発表した「8つの完璧な殺人(Rules for Perfect Murders)」の場合、クリスマス間近のある日、マサチューセッツ州(Commonwealth of Massachusetts)のボストン(Boston)でミステリー専門書店 Old Devils Bookstore を経営している店主マルコム・カーショー(Malcolm Kershaw)の元を、FBI の女性捜査官(Special Agent)が訪れるところから、物語が始まる。
グウェン・マルヴィー(Gwen Mulvey)と名乗った FBI 捜査官は、マルコム・カーショーに対して、数名の人物の名前を挙げた。
(1)ロビン・キャラハン(Robin Callahan)- ローカルニュースのキャスター(local news anchor)/ 1年半前に、コンコード(Concord)の自宅において、何者かによって射殺。
(2)ジェイ・ブラッドショー(Jay Bradshaw)- デニス(Dennis)在住 / 8月に、自宅の車庫において、何者かによって撲殺。
(3)イーサン・バード(Ethan Byrd)- 大学生 / 1年前に行方不明となり、その約3週間後に、州公園に埋められているのが発見。
彼らの名前に心当たりがないマルコム・カーショーに対して、グウェン・マルヴィー FBI 捜査官は、驚くべきことを告げた。
マルコム・カーショーが、以前、ミステリー専門書店 Old Devils Bookstore のブログに掲載した「8つの完璧な殺人(Eight Perfect Murders)」のリストに含まれている作品の手口に似た殺人事件が続いている、と言うのだった。
マルコム・カーショーは、1999年に大学を卒業した後、Redline Bookstore に5年間勤務していたが、妻を乳癌で亡くして、すっかりと気落ちした店主が店を閉めることに伴い、2004年に Old Devils Bookstore に転職した。
その際、当時の店主であるジョン・ヘイリー(John Haley)に言われて、店のブログを開設した時に、最初の記事として、彼は、「完璧な殺人」が出てくる犯罪小説8作品を選んで、店のブログにリストを掲載していたのである。
そのリストに掲載された犯罪小説8作品は、以下の通り。
(1)アラン・アレクサンダー・ミルン(Alan Alexander Milne:1882年ー1956年)作「赤い館の秘密(The Red House Mystery)」(1922年)
(2)アントニー・バークリー・コックス(Anthony Berkeley Cox:1893年ー1971年)作「殺意(Malice Aforethought)」(1931年)
(3)アガサ・メアリー・クラリッサ・クリスティー(Agatha Mary Clarissa Christie:1890年ー1976年)作「ABC 殺人事件(The A.B.C. Murders)」(1936年)
(4)ジェイムズ・マラハン・ケイン(James Mallahan Cain:1892年ー1977年)作「殺人保険(Double Indemnity)」(1943年)
(5)パトリシア・ハイスミス(Patricia Highsmith:1921年ー1995年)作「見知らぬ乗客(Strangers on a Train)」(1950年)
(6)ジョン・ダン・マクドナルド(John Dann MacDonald:1916年ー1986年)作「溺死者(The Drowner)」(1963年)
(7)アイラ・レヴィン(Ira Levin:1929年ー2007年)作「死の罠(Deathtrap)」(1978年)
(8)ドナ・タート(Donna Tartt:1963年ー)作「黙約(The Secret History)」(1992年)
グウェン・マルヴィー FBI 捜査官による推測通り、犯人は、マルコム・カーショーがミステリー専門書店 Old Devils Bookstore のブログに掲載したリストに従って、殺人を行っているのか?
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