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英国の HarperCollinsPublishers 社から以前に出版されていた アガサ・クリスティー作「死者のあやまち」のペーパーバック版の表紙 -物語の舞台となるナス屋敷の敷地内に建ち、 後に重要な役割を果たす阿房宮が描かれていると思われる。 |
英国の Orion Publishing Group Ltd. から2023年に発行されている「エルキュール・ポワロの世界(The World of Hercule Poirot)」と言うジグソーパズル内に散りばめられているエルキュール・ポワロシリーズの登場人物や各作品に関連した112個の手掛かりについて、引き続き、紹介したい。
前回に引き続き、各作品に出てくる登場人物、建物や手掛かり等が、その対象となる。
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| ジグソーパズル「エルキュール・ポワロの世界」の完成形 <筆者撮影> |
(93)ナス屋敷(Nasse House)
ジグソーパズル中央に立つエルキュール・ポワロ(Hercule Poirot → 2025年10月11日付ブログで紹介済)の左斜め後ろに居るアーサー・ヘイスティングス大尉(Captain Arthur Hastings → 2025年10月12日付ブログで紹介済)の背後の壁に、ナス屋敷を描いた絵が掛けられている。
(94)ボート小屋(boathouse)
ジグソーパズル中央に立つポワロから右真横へ移動した位置に居る執事のジョージ(George → 2025年10月23日付ブログで紹介済)の左側に建つ柱の壁に、ボート小屋を描いた絵が掛けられている。
(95)5種類の凶器(five murder weapons)
ジグソーパズルの右上の角に見える回廊の床の上に、5種類の凶器が置かれている。
これらから連想されるのは、アガサ・メアリー・クラリッサ・クリスティー(Agatha Mary Clarissa Christie:1890年ー1976年)が1956年に発表した「死者のあやまち(Dead Man’s Folly)」である。
「死者のあやまち」は、アガサ・クリスティーが執筆した長編としては、第48作目に該り、そして、エルキュール・ポワロシリーズの長編としては、第27作目に該っている。
1954年11月、アガサ・クリスティーは、自分の生まれ故郷デヴォン州のチャーストン フェラーズ(Churston Ferrers)にあるセントメアリー聖母教会(St. Mary the Virgin Church)に寄付するため、ある中編を執筆して、その印税収入を充てようとした。そこで、彼女は自分の住まいがあるグリーンウェイ(Greenway)を小説の舞台にした。それが、「エルキュール・ポワロとグリーンショア屋敷の阿房宮(Hercule Poirot and the Greenshore Folly → 2014年9月27日付ブログで紹介済)」である。殺人事件が発生する小説の舞台に実在の場所である「グリーンウェイ」をそのまま使用できないので、「グリーンショア」と変更したものと思われる。なお、この中編は、雑誌掲載には難しい長さであったため、残念ながら、未発表のままに終わっている。
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| 2014年に英国の HarperCollinsPublishers 社から出版された アガサ・クリスティー作「エルキュール・ポワロとグリーンショア屋敷の阿房宮」の ハードカバー版本体の見開き画 (By Mr. Tom Adams) |
アガサ・クリスティーは、中編「エルキュール・ポワロとグリーンショア屋敷の阿房宮」を長編にして、2年後の1956年に出版している。それが「死者のあやまち」である。
中編と長編を比較すると、物語のメイン舞台となるのが、グリーンショア屋敷とナス屋敷で名前が異なることや登場人物の名前の一部が変更されていること等を除くと、基本的なプロットは同じである。
「Folly」を辞書で調べると、「あやまち」や「阿房宮」等、複数の意味がある。長編を読んだ方だと判ってもらえると思うが、物語の中で「阿房宮」はとても重要な役割を担っているし、また、「死者のあやまち」というのも、なかなか意味深な内容で、二重の意味をもつ「Folly」を使うクリスティーのタイトルの付け方も素晴らしい。









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