2026年7月27日月曜日

ロンドン リッチモンド劇場(Richmond Theatre)- その2

リトルグリーン越しに
リッチモンド劇場を臨む。
<筆者撮影>

アガサ・メアリー・クラリッサ・クリスティー(Agatha Mary Clarissa Christie:1890年ー1976年)が1963年に発表した「複数の時計(The Clocks)」は、アガサ・クリスティーが執筆した長編としては、第54作目に該り、エルキュール・ポワロシリーズの長編のうち、第29作目に該っている。


英国の HarperCollinsPublishers 社から現在出版されている
アガサ・クリスティー作「複数の時計」の
ペーパーバック版の表紙


英国の TV 会社 ITV1 で放映されたエルキュール・ポワロシリーズ「Agatha Christie’s Poirot」の第12シリーズ / 第65話「複数の時計」(放映日:2011年12月26日)において、物語の舞台が、原作上のサセックス州(Sussexウディーン(Crowdean)からケント州(Kent)ドーヴァー(Dover)へと変更されている。


リトルグリーン通り(Little Green)の対岸から
リッチモンド劇場を見上げたところ
<筆者撮影>


そして、物語の冒頭、物語の冒頭、友人のアリアドニ・オリヴァー(Ariadne Oliver)作の芝居「善きサマリア人(The good Samaritan)」を観劇していたエルキュール・ポワロは、その幕間、年若き友人のコリン・レイス大尉(Lieutenant Colin Race)から声をかけられる。

アガサ・クリスティーの原作では、警察の公安部(Special Branch)に勤務するコリン・ラム(Colin Lamb)と言う設定になっているが、TV 版では、MI6 の秘密情報部員(intelligence officer)であるコリン・レイス大尉と言う設定に、名前と共に変更されている。

コリン・レイス大尉は、ドーヴァーのウィルブラームクレッセント19番地(19 Wilbraham Crescent)の居間で死体となって見つかった身元不明の男性について、ポワロに助言を請うために、劇場までわざわざやって来たのである。

この場面は、リッチモンド劇場(Richmond Theatre)で撮影されている。


リッチモンドの周辺地図 -
Google Maps から抜粋。
画面中央から左側にある大きな緑地帯が「リッチモンドグリーン」で、
その北側にある小さな緑地帯が「リトルグリーン(Little Green)」。


リッチモンド劇場は、ロンドンの特別区の一つで、ロンドン南西部郊外のリッチモンド・アポン・テムズ区(London Borough of Richmond upon Thames)のリッチモンド(Richmond → 2018年3月17日 / 3月24日付ブログで紹介済)内に所在し、リッチモンドグリーン(Richmond Green → 2026年7月24日付ブログで紹介済)と呼ばれる大きな緑地帯の北側にあるリトルグリーン(Little Green)に面して建っている。


ナショナルポートレイトギャラリー
(National Portrait Gallery)で販売されている
ウィリアム・シェイクスピアの肖像画の葉書
(Associated with John Taylor
 / 1610年頃 / Oil on panel
552 mm x 438 mm)


リッチモンド劇場は、劇場の建設やデザインを専門とする英国の建築家であるフランク・マッチャム(Frank Matcham:1854年ー1920年)によって建設され、1899年9月18日、リッチモンド劇場&オペラハウス(Richmond Theatre and Opera House)として、イングランドの劇作家 / 詩人であるウィリアム・シェイクスピア(William Shakespeare:1564年ー1616年 → 2023年5月19日付ブログで紹介済)作「お気に召すまま(As You Like It)」(1599年)で開演を迎えた。


リッチモンド劇場の入口右側の外壁に、
同劇場を建設したフランク・マッチャムのプラークが、
Frank Matcham Society によって掛けられている。
<筆者撮影>


リッチモンド劇場の建物は、1972年に「グレード II(Grade II)」の指定を受けている。


リッチモンド劇場の入口左側には、
身障者用の入口がが設けられている。

<筆者撮影>


1990年に英国の舞台美術デザイナー(set and costume designer)であるカール・トムズ(Carl Toms:1927年ー1999年)がリッチモンド劇場の大改修を引き受け、客席の増設を含む拡張工事が行われ、1991年に竣工、現在の収容人数は約900名となっている。


リッチモンド劇場の左隣りの建物には、
リッチモンド図書館(Richmond Lending Library)が入っている。
<筆者撮影>


リッチモンド劇場の場合、ポワロシリーズの他にも、その外装や内装が映画や TV ドラマ等の撮影に多く使用されている。


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