2026年7月12日日曜日

エルキュール・ポワロの世界 <ジグソーパズル>(The World of Hercule Poirot )- その37B

英国の HarperCollinsPublishers 社から現在出版されている
アガサ・クリスティー作「マギンティー夫人は死んだ」の
ペーパーバック版の表紙 -
背景は、事件が起きたブローディニー村の風景だと思われる。
ただし、それを切り取る形は、
マギンティー夫人殺害に使用された凶器の砂糖ハンマーとは思えない。
雑役婦 / 掃除婦であるマギンティー夫人が使っていた肉切り包丁なのだろうか?


アガサ・メアリー・クラリッサ・クリスティー(Agatha Mary Clarissa Christie:1890年ー1976年)が1952年に発表した「マギンティー夫人は死んだ(Mrs. McGinty’s Dead)」は、アガサ・クリスティーが執筆した長編としては、第42作目に該り、そして、エルキュール・ポワロシリーズの長編としては、第24作目に該っている。


なお、当初、米国のシカゴトリビューン紙(Chicago Tribune)の日曜日版に、1951年10月7日から同年12月30日にかけて、13回の掲載が行われた際、「Blood Will Tell」と言うタイトルが使用されている。


エルキュール・ポワロは、
ジグソーパズル「エルキュール・ポワロの世界」の中央に立っている。
<筆者撮影>


「マギンティー夫人は死んだ」の場合、キルチェスター警察に勤務し、間もなく定年を迎えるスペンス警視(Superintendent Spence)は、友人であるエルキュール・ポワロ(Hercule Poirot → 2025年10月11日付ブログで紹介済)の元を訪れるところから、その物語が始まる。

スペンス警視は、ポワロに対して、「僅か30ポンドのために、家主であるマギンティー夫人(Mrs. McGinty)を殺害した罪状により、死刑判決を受けた間借り人のジェイムズ・ゴードン・ベントリー(James Gordon Bentley)が真犯人だと思えないので、事件の再調査をしてほしい。」と依頼するのであった。


スペンス警視は、事件の詳細について、ポワロに説明する。


雑役婦 / 掃除婦(charwoman)として、いくつもの家に通っていたマギンティー夫人は、自宅の客間の床の上で死んでいるのを発見された。マギンティー夫人の家内は、家探しされており、寝室の床板の下に隠してあった30ポンドの現金が紛失していた。マギンティー夫人を殺害した凶器は見つかっておらず、押し入れられた形跡もなかった。


マギンティー夫人の間借り人であるジェイムズ・ベントリーは、上着の袖口に血がついていたにもかかわらず、マギンティー夫人が殺害された前夜以来、彼女の顔を見ていないと主張した。

また、マギンティー夫人の寝室の床板の下から紛失した30ポンドの現金は、後に家の外に隠してあるのが見つかる。


2025年に英国の HarperCollinsPublishers 社から出版された
「アガサ・クリスティー 2026年オフィシャルカレンダー」のうち、
2026年11月のカレンダーに描かれている
エルキュール・ポワロシリーズの長編第24作目「マギンティー夫人は死んだ」(1952年)-
自宅の客間の床の上で、マギンティー夫人が殺害されているのを発見され、
警察が彼女の庭を捜索している場面が描かれている。
<筆者撮影>


当然のことのように、間借り人のジェイムズ・ベントリーは、マギンティー夫人殺害の罪で逮捕され、事件が公判に付されると、彼はあっさりと有罪となり、死刑が確定し、死刑を待つ身となった。

あらゆる証拠がジェイムズ・ベントリーを指しているものの、スペンス警視は「事件があまりにも単純過ぎる。」と懸念を示すと、スペンス警視の話を聞いていたポワロも、彼のコメントに同意するのであった。


スペンス警視からの依頼を受けたポワロは、事件が起きたブローディニー村(Broadhinny village)へと向かった。

ブローディニー村の隣町にある唯一の宿屋で、サマーヘイズ夫妻(Maureen Summerhayes + Major Johnnie Summerhayes)が営むゲストハウスに滞在したポワロは、早速、事件の調査を開始する。


ポワロが調査したところ、マギンティー夫人は、殺される3日前に、


*タブロイド紙に掲載された昔の事件に関係して、その後、行方不明になった4人の女性達の写真を切り取っていたこと


*「そのうちの誰かがブローディニー村に居る。」と手紙に認めて、新聞社宛に送っていたこと


を突き止める。


ブローディニー村の住民達の年齢を考慮して、ポワロは、4人の女性達のうち、


*僅か12歳で肉切り包丁によりおばを殺害したリリー・ガンボル(Lily Gamboll)- 釈放後、アイルランドへ転居


もしくは、


*雇い主であるクレイグ氏(Mr. Craig)と不倫関係にあり、クレイグ夫人(Mrs. Craig)の殺害を疑われた家庭教師(governess)のエヴァ・ケイン(Eva Kane)- オーストラリアへ逃亡 / イヴリン(Evelyn)と言う名前の子供が居たらしい。


のどちらかだと推理する。


果たして、ジェイムズ・ベントリーの死刑が執行されるまでに、ポワロは、真犯人を見つけることができるのか?


(84)砂糖ハンマー(sugar hammer)



ポワロは、滞在先のサマーヘイズ夫妻が営むゲストハウスににおいて、血痕が付いた古い砂糖ハンマーを発見。これが、マギンティー夫人を殺害した凶器と考えられた。生憎と、ゲストハウスには、鍵がかかっておらず、砂糖ハンマーは、誰でも容易に使用可能だった。


(85)写真(photograph)



ポワロが調査を進めた結果、ブローディニー村に住む裕福なローラ・アップワード(Laura Upward)の家から、イヴリン・ホープ(Evelyn Hope)の名前が入った本が発見される。

更に、ポワロは、サマーヘイズ夫妻が営むゲストハウスの引き出しの中から、一枚の写真を見つけ出し、それがマギンティー夫人が問題視した写真であることに気付く。それは、エヴァ・ケインの写真で、裏には「my mother」と書かれていたのである。


(86)口紅が付いた紅茶茶碗(teacup with a lipstick stain)



ある夜、ブローディニー村に住む裕福なローラ・アップワードが、自宅において、絞殺死体となって見つかる。

生憎と、メイドは休みの夜の上、ローラ・アップワードの息子で、劇作家(playwright)のロビン・アップワード(Robin Upward)は、フィンランド人探偵(Sven Hjerson)を主人公とするシリーズで有名な女性推理作家であるアリアドニ・オリヴァー(Ariadne Oliver → 2025年10月26日付ブログで紹介済)の小説を戯曲化する関係で、アリアドニ・オリヴァーと一緒に、劇場へ出かけていたため、ローラ・アップワードは自宅に一人だった。


アリアドニ・オリヴァーは、
ジグソーパズル中央に立つエルキュール・ポワロのすぐ右側に居て、

肘掛け椅子に座っている。

<筆者撮影>


ロビン・アップワードとアリアドニ・オリヴァーの2人が劇場から戻ったところ、ローラ・アップワードは絞殺されていたのである。

現場には、絞殺されたローラ・アップワードが、彼女を殺害した犯人と一緒に飲んだと思われるコーヒーカップが残されていた。コーヒーカップには、口紅が付いており、また、室内には、香水の匂いが残されていた。

調べたところ、その夜、ローラ・アップワードは、イヴ・カーペンター(Eve Carpenter)、ディアドレ・ヘンダースン(Deirdre Henderson)とシェララ・レンデル(Shelagh Rendell)の3人を、個別に招いていたことが判明する。


ジグソーパズル「エルキュール・ポワロの世界 (The World of Hercule Poirot)」では、「口紅が付いた紅茶茶碗」となっているので、これは誤りと言える。


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