![]() |
| 英国の Titan Publishing Group Ltd. の Titan Books 部門から 2019年に出版された フィリップ・パーサー=ハラード作「シャーロック・ホームズ:人間消失」の表紙(部分) (Images : Shutterstock) |
読後の私的評価(満点=5.0)
(1)事件や背景の設定について ☆☆☆半(3.5)
英国のファンタジー / SF / 推理作家であるフィリップ・パーサー=ハラード(Philip Purser-Hallard:1971年ー)が、Titan Publishing Group Ltd. から、「シャーロック・ホームズの更なる冒険(The further adventures of Sherlock Holmes)」シリーズとは別シリーズの「シャーロック・ホームズ(Sherlock Holmes)」シリーズの一つとして、2019年に発表した「人間消失(The Vanishing Man)」の場合、1896年9月14日(月)から9月15日(火)にかけて、トマス・ケルウェイ(Thomas Kellway)と名乗る人物が「テレキネシス(Telekinesis)」を使って、物体を移動する実験を、リッチモンド(Richmond)にあるサー・ニューナム・スペイト(Sir Newham Speight - The Society for the Scientific Investigation of Psychical Phenomena の会長(Chairman))の自宅 Parapluvium House 内に設けれらた実験室で実施した際、衆人環視の中、トマス・ケルウェイが隔離された室内から姿を消してしまうと言う非常に不可思議な事件が発生したため、サー・ニューナム・スペイトは、シャーロック・ホームズに対して、助けを求める。
![]() |
| ヴィクトリア女王の生誕200周年を記念して、 2019年に英国のロイヤルメール(Royal Mail)から発行された切手の1枚 |
ハノーヴァー朝(House of Hanover)の第6代女王であるヴィクトリア女王(Queen Victoria:1819年ー1901年 在位期間:1837年ー1901年 → 2017年12月10日 / 12月17日付ブログで紹介済)が統治していたヴィクトリア朝(1837年ー1901年)、産業革命(Industrial Revolution)による経済の発展が成熟して、大英帝国は絶頂期に達した時代である。
ヴィクトリア朝の後期(1870年代ー1901年)、特に1890年代に神智学(theosophy)やその他のオカルト趣味が勃興しており、フィリップ・パーサー=ハラード作「人間消失」事件は、丁度この時期に該っている。
![]() |
| リッチモンドにあるサー・ニューナム・スペイトの自宅 Parapluvium House 内に設けられた 実験室の見取り図 - Titan Publishing Group Ltd. の Titan Books 部門から2019年に出版された フィリップ・パーサー=ハラード作「シャーロック・ホームズ:人間消失」から抜粋。 |
(2)物語の展開について ☆☆半(2.5)
サー・ニューナム・スペイトから依頼を受けたシャーロック・ホームズとジョン・H・ワトスンは、トマス・ケルウェイによるテレキネシス実験に立ち会ったサー・ニューナム・スペイト、タルボット・ライヌ(Talbot Rhyne - サー・ニューナム・スペイトの助手)や The Society for the Scientific Investigation of Psychical Phenomena の会員達から事情聴取を行うが、実験に立ち会った関係者の数が多く、この事情聴取にページ数が割かれており、残念ながら、話がなかなか進まない。
![]() |
| リッチモンドにあるサー・ニューナム・スペイトの自宅 Parapluvium House 内で行われた 実験における見張りのスケジュール / 組み合わせ - Titan Publishing Group Ltd. の Titan Books 部門から2019年に出版された フィリップ・パーサー=ハラード作「シャーロック・ホームズ:人間消失」から抜粋。 |
(3)ホームズ / ワトスンの活躍について ☆☆☆(3.0)
ページの大部分が、ホームズ / ワトスンによる関係者の事情聴取に取られてしまい、話がなかなか進まない上に、活躍の場が少ない。
(4)総合評価 ☆☆☆(3.0)
フィリップ・パーサー=ハラード作「人間消失」の場合、衆人環視の中、トマス・ケルウェイが隔離された室内から姿を消してしまうと言う非常に不可思議な事件が発生。本格推理小説的な事件である。
シャーロック・ホームズシリーズ作品に対して、本格推理小説的な解決を求めることは、正直なところ、酷なことなのかもしれないが、事件の真相は平凡で、あまり魅力的ではない。
前述の通り、ページの大部分が、ホームズ / ワトスンによる関係者の事情聴取に取られてしまい、話がなかなか進まない上に、活躍の場が少なく、物語のカタルシスを感じられない。





0 件のコメント:
コメントを投稿