2024年8月26日月曜日

ミス・マープルの世界<ジグソーパズル>(The World of Miss Marple )- その10B

ビル・ブラッグ氏(Mr. Bill Bragg)が描く
ミス・マープルシリーズの長編第2作目「書斎の死体」の一場面


ビル・ブラッグ氏によるイラストには、

邸宅ゴシントンホールに住むアーサー・バントリー大佐が、

書斎の暖炉の前の敷物の上に、

若い女性の絞殺死体が横たわっているのを発見する場面が描かれている。

あるいは、ある人物が、酔っ払って真夜中に帰宅した際、

自宅の部屋の敷物の上で発見した女性の死体を、

以前から気に入らないバントリー大佐の邸宅へと運び、

書斎の暖炉の前の敷物の上に放置した場面だろうか?

Harper Collins Publishers 社から出版されている

「書斎の死体」のペーパーバック版の表紙には、

ビル・ブラッグ氏によるイラストが

卓上ランプの形に切り取られているものが使用されている。


「奥様、奥様!書斎に死体があります!」

メイドのメアリーが発するヒステリックな第一声で、ドリー・バントリーは目を覚ますと、退役軍人である夫のアーサー・バントリー大佐を起こす。こうして、邸宅ゴシントンホール(Gossington Hall)における平和で穏やかな秋の朝は、メイドの叫び声で打ち破られるのであった。


バントリー大佐が書斎に駆け付けてみると、暖炉の前の敷物の上に、銀色のスパンコールを散りばめたイヴニングドレス姿の、背の高いプラチナブロンドの若い女性の絞殺死体が横たわっていた。ところが、大佐には、殺されている女性の身元に心当たりがなかった。

バントリー大佐は、直ぐに警察に連絡を行い、メルチェット大佐(Colonel Melchett)とスラック警部(Inspector Slack)が派遣されてくる。

一方、妻のバントリー夫人は、人間の本質を鋭く見抜く眼力を持つ旧友のミス・マープルに、助けを求める。


何故、閑静な屋敷に、それも、書斎に、若い女性の死体が突然現れたのか?彼女の身元は?何故、彼女は絞殺されることになったのか?そして、彼女は、どこからここまでやって来たのか?


様々な噂や憶測が、セントメアリーミード村(St. Mary Mead)の中を駆け巡るのであった。 


(22)ガールスカウトの服のボタン(Girl Guide button)



物語の中盤、デーンマス(Danemouth)のマジェスティックホテル(Majestic Hotel)に滞在しているジョージ・バートレット(George Bartlett)の車が盗まれる。そして、翌朝、燃えた車が発見され、その中から黒焦げの死体が見つかる。車内に残された片方の靴とボタンから、その死体は、前夜に両親から捜索願が出されていたガールスカウトのパメラ・リーヴス(Pamela Reeves)と判明。

ジズソーパズルの中央に座るミス・マープル(→ 2024年8月8日付ブログで紹介済)とレナード・クレメント牧師(Reverend Leonard Clement → 2024年8月18日付ブログで紹介済)の間のテラスに落ちているボタンは、被害者であるパメラ・リーヴスが着ていたガールスカウトの服から落ちたものである


(23)ホテルのルームキー(hotel room key)



本作品の場合、セントメアリーミード村以外に、ゴシントンホール以外に、デーンマスのマジェスティックホテルが、主な舞台となる。

ジズソーパズルの左下に立つドリー・バントリー(Mrs. Dolly Bantry → 2024年8月14日付ブログで紹介済)と夫のアーサー・バントリー大佐(Colonel Arthur Bantry → 2024年8月14日付ブログで紹介済)の右側にあるテーブルの下のテラスに落ちているホテルのルームキーは、マジェスティックホテルのものである。


0 件のコメント:

コメントを投稿