2024年8月18日日曜日

<第1600回> ミス・マープルの世界<ジグソーパズル>(The World of Miss Marple )- その7

英国の Orion Publishing Group Ltd. から2024年に発行されている「ミス・マープルの世界(The World of Miss Marple)」と言うジグソーパズル内に散りばめられているミス・ジェイン・マープル(Miss Jane Marple)シリーズの登場人物や各作品に関連した68個の手掛かりについて、前回に引き続き、順番に紹介していきたい。


(13)レナード・クレメント牧師(Reverend Leonard Clement)


レナード・クレメント牧師は、
ジズソーパズル中央のやや右側の位置に居て、
ミス・マープルの右隣りにあるテラス用の椅子に座り、
右手に帽子を持っている。

レナード・クレメント牧師は、ロンドン郊外のセントメアリーミード(St. Mary Mead)という小さな村にある英国国教会の司祭(vicar)である。

彼は、ミス・マープルシリーズ長編第1作目に該る「牧師館の殺人(The Murder at the Vicarage → 2022年10月30日 / 10月31日付ブログで紹介済)」(1930年)に登場する。


本作品の場合、レナード・クレメント牧師が、語り手を務める。


ある水曜日の午後、牧師館において、クレメント牧師は、若き妻のグリゼルダ(Griselda - クレメント牧師よりも20歳近く年下)と甥のデニス(Dennis - 16歳)と一緒に、昼食をとっていたが、その際、彼らの話題は、ルシアス・プロセロウ大佐(Colonel Lucius Protheroe)のことでもちきりだった。

プロセロウ大佐は、治安判事かつセントメアリーミード村の教区委員で、次の日の午後、牧師館にやって来て、教会の献金袋から盗まれた1ポンド紙幣の件について、クレメント牧師と話し合うことになっていた。

プロセロウ大佐は、クレメント牧師を困らせることを何よりも至上の楽しみにしていたので、昼食の席上、クレメント牧師は、思わず、「誰でもいいから、プロセロウ大佐をあの世へ送ってくれたら、世の中は随分と良くなるだろう。」と口走ってしまうが、翌日の午後、彼が放った言葉が現実のものとなってしまう。


また、同作品内において、レナード・クレメント牧師は、「自分は自転車に乗れない」と言及している。

更に、「自分は、時間に正確な人間ではないが、几帳面で、整然と物事を記録しておくことが好きだ」とも述べている。


(14)ヘイドック医師(Dr. Haydock)


ヘイドック医師は、
ジズソーパズル中央のやや右側の位置に居て、
テラス用の椅子に座って、編み物をしているミス・マープルに背を向け、
左手に紅茶カップを、そして、右手に受け皿を持って、立っている。


ヘイドック医師は、セントメアリーミード村に住む医師で、レナード・クレメント牧師の友人である。

彼は、後にミス・マープルの主治医を務める。


「牧師館の殺人」において、レナード・クレメント牧師は、


・善良な人間で、大柄の上、がっしりしており、正直な厳つい顔をしている。

・陽気で楽しげな人物。


と述べている。


ジズソーパズル上、ヘイドック医師は、ラドフォードシャー州(Radfordshire)警察の本部長(Chief Constable)を務めるメルチェット大佐(Colonel Melchett)の部下であるスラック警部(Inspector Slack)と親しげに話をしている。

ところが、「牧師館の殺人」において、ヘイドック医師は、レナード・クレメント牧師を前にして、スラック警部を「自惚れ屋」と、手厳しく評している。


ヘイドック医師の登場作品は、以下の通り。


<長編>

*「牧師館の殺人」(1930年)

*「書斎の死体(The Body in the Library)」(1942年)

*「鏡は横にひび割れて(Mirror Crack’d from Side to Side)」(1962年)

*「スリーピングマーダー(Sleeping Murder)」(1976年)


<短編>

*「管理人事件 / 管理人の老婆(The Case of the Caretaker)」(1941年)


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