Metro Media Ltd. の SelfMadeHero シリーズの一つとして 2008年に出版されている オスカー・ワイルド作「ドリアン・グレイの肖像」のグラフィックノベル版 (構成: Mr. Ian Edginton / 作画: Mr. I. N. J. Culbard) |
1884年2月の事件である。
降霊術に心酔する公爵夫人は、ある晩、滞在するホテルにおいて、降霊術の会を開催。公爵夫人は、自分の亡くなった夫を呼び出してもらったのだが、密室となった降霊術の場から、彼女が着けていたティアラ(頭飾り)にちりばめられたダイヤモンドが全て消失してしまったのである。
ブラウンズホテルの入口 |
グレートポートランドストリート(Great Portland Street)にあるオフィスからブルートンストリート(Bruton Street)にある自宅へ歩いて帰る途中、彼は自宅のドアが路上に打ち捨てられているのを見つける。慌てて自宅に戻った彼は、自宅内を見て廻るが、特に盗まれたものはないと言う。
果たして、この2つの事件は、どう結び付くのか?
(4)ドリアン・グレイの謎(The Mystery of Dorian Gray)
1890年の夏に発生するした事件である。
グローヴナースクエア内に所在する広大な公園 |
ある夜、グローヴナースクエア(Grosvenor Square → 2015年2月22日付ブログで紹介済)にある自宅において、内から鍵がかかった屋根裏部屋で、ドリアン・グレイは、心臓をナイフで刺されて、死亡しているのを、使用人達が発見したのである。
彼の死体を見つけた使用人達は、皆一様に驚く。何故ならば、一夜にして、ドリアン・グレイは、醜く年老いていたからであった。そして、彼の死体の傍らには、若く美しいままのドリアン・グレイの肖像画が残されていた。
密室となった屋根裏部屋の中で、一体、何が起きたのか?それに加えて、いつまでも若く美しい姿を保っていたドリアン・グレイが、一夜にして、醜く年老いた姿に変わったのは、何故なのだろか?
この事件に非常な興味を覚えたホームズは、ジョン・H・ワトスンと一緒に、早速、捜査に取り掛かるのであった。
ナショナルポートレートギャラリー (National Portrait Gallery)で販売されている オスカー・ワイルドの写真の葉書 (Napoleon Sarony / 1882年 / Albumen panel card 305 mm x 184 mm) |
オスカー・ワイルド作「ドリアン・グレイの肖像」においては、幻想的と言うか、それとも、ホラー的と言うか、非科学的な結末を迎える訳であるが、本作品「ドリアン・グレイの謎」の場合、作者であるポール・W・ナッシュ(Paul W. Nash)は、ホームズを使って、非常に理論的かつ合理的な解決へと導いている。
0 件のコメント:
コメントを投稿