2022年9月13日火曜日

ポール・W・ナッシュ作「シャーロック・ホームズの遺稿」(The Remains of Sherlock Holmes by Paul W. Nash) - その3

英国の Strawberry Books 社から2011年に出版された
ポール・W・ナッシュ作
「シャーロック・ホームズの遺稿」のカバー表紙
(Dust-jacket design by Armand Dill /
Wood^engraving by Paul W. Nash)

(5)教授の助手の冒険(The Adventure of the Professor’s Assistant)


1898年の秋の事件である。


ハラム・パルフィット(Hallam Parfitt)という若い男性が、ベーカーストリート221B(221B Baker Street)のシャーロック・ホームズの元へ、事件の捜査を依頼しにやって来た。


彼は、ピナー(Pinner - ハーロウ・ロンドン特別区(London Borough of Harrow)内にある地区)に住む人類学者(anthropologist)であるエドワード・ブォーモント教授(Professor Edward Beaumont)の助手で、彼によると、5週間前のある夜、メイドがブォーモント夫人(Mrs. Beaumont)の寝室に入ると、カーペットの上に、夫人がブロンズ像で頭部を殴打されて死亡しているのを発見した、とのこと。

夫人の寝室の窓が開いていたため、警察は強盗の仕業だと考える。カーペットの上に残されていた毛を警察が調べたところ、教授が実験のために連れてきた「教授の助手(Professor’s Assistant)」である「サイラス(Silas - 西アフリカ原産のオナガザル科マンドリル属のヒヒ)」のものであることが判明。

「サイラス」自体は非常におとなしいため、警察は夫人の殺害容疑者から外すが、教授は、何故か、口を閉ざすのであった。


果たして、事件当夜、夫人の寝室において、何が発生したのか?


(6)沈黙した下男の冒険(The Adventure of the Silent Valet)


1901年5月に発生した事件である。


スコットランドヤードのグレッグスン主任警部(Chief Inspector Gregson → 警部から主任警部へ昇進している)の指示で、部下のフランシス・アラルダイス警部(Inspector Francis Allardyce)が、ホームズの元を事件の相談に訪れる。


前日の夜、トゥイッケナム(Twickenham - リッチモンド・ロンドン特別区(London Borough of Richmond)内にある地区)に住むマラビー伯爵(Earl Mallerby)が、内側から鍵がかかった自宅の寝室において、至近距離から銃で撃たれて殺害されたのである。

執事のジョイス(Joyce)が寝室のドアを押し破って内に入ってみると、殺害された伯爵の死体の側には、下男のヘンリー・ミドルトン(Henry Middleton)が気を失って倒れていた。ジョイスがミドルトンを起こしたところ、気が付いたミドルトンは、何故か、押し黙ったままで、何も語ろうとしなかった。


果たして、事件等や、伯爵の寝室において、何が起きたのだろうか?


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