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| 2026年に英国の HarperCollinsPublishers 社から出版された アガサ・クリスティー作「書斎の死体」の 愛蔵版(ハードカバー版)の裏表紙 (Cover design and illustration by Megan Smith / HarperCollinsPublishers Ltd. + Cover illustsrations: Shutterstock.com) |
メイドのメアリー(Mary)が発するヒステリックな第一声で、ドリー・バントリー(Mrs. Dolly Bantry → 2024年8月14日付ブログで紹介済)は目を覚ますと、退役軍人である夫のアーサー・バントリー大佐(Colonel Arthur Bantry → 2024年8月14日付ブログで紹介済)を起こす。こうして、邸宅ゴシントンホール(Gossington Hall)における平和で穏やかな秋の朝は、メイドの叫び声で打ち破られるのであった。
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| ドリー・バントリーは、 ジズソーパズルの左下の位置に居て、 夫のアーサー・バントリー大佐と立ち話をしている。 <筆者撮影> |
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| アーサー・バントリー大佐は、 ジズソーパズルの左下の位置に居て、 妻のドリー・バントリーと立ち話をしている。 <筆者撮影> |
バントリー大佐が書斎に赴くと、暖炉の前の敷物の上に、銀色のスパンコールを散りばめたイヴニングドレス姿の、背の高いプラチナブロンドの若い女性の絞殺死体が横たわっていた。ところが、大佐には、殺されている女性の身元に全く心当たりがなかった。
バントリー大佐は、直ぐに警察に連絡を行い、バントリー大佐の友人で、ラドフォードシャー州(Radfordshire)警察の本部長(Chief Constable)であるメルチェット大佐(Colonel Melchett)が、部下のスラック警部(Inspector Slack → 2024年8月20日付ブログで紹介済)を伴い、ゴシントンホールへと駆け付ける。
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| ジズソーパズルのやや右上の位置で、 右手を右頬に当てて、ヘイドック医師と話をしている背広姿の男性が、 スラック警部である。 <筆者撮影> |
一方、妻のバントリー夫人は、人間の本質を鋭く見抜く眼力を持つ旧友のミス・マープルに、助けを求める。
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| ミス・ジェーン・マープルは、 ジズソーパズル中央のやや右側の位置に居て、 テラス用の椅子に座り、得意の編み物をしている。 <筆者撮影> |
何故、閑静な屋敷に、それも、書斎に、若い女性の死体が突然現れたのか?彼女の身元は?何故、彼女は絞殺されることになったのか?そして、彼女は、どこからここまでやって来たのか?
様々な噂や憶測が、ゴシントンホールが所在するセントメアリーミード村(St. Mary Mead)の中を駆け巡るのであった。
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| ビル・ブラッグ氏(Mr. Bill Bragg)が描く ミス・マープルシリーズの長編第2作目「書斎の死体」の一場面 |
メルチェット大佐とスラック警部は、ゴシントンホールの書斎で死んでいた女性が、撮影所の大道具係として勤めているバジル・ブレイク(Basil Blake)の恋人で、同じプラチナブロンドの ダイナ・リー(Dinah Lee)ではないかと考え、セントメアリーミード村の郊外にある彼のコテージへと赴いた。ところが、メルチェット大佐とスラック警部の2人がバジル・ブレイクのコテージを訪問している最中、当のダイナ・リーがコテージに戻って来たのである。残念ながら、メルチェット大佐達の予想は外れてしまった。
ヘイドック医師(Dr. Haydock → 2024年8月18日付ブログで紹介済)による検死の結果、
(1)女性は前日の午後10時から午後12時までの間でに死亡したこと
(2)薬物を投与された後に、絞殺されたこと
(3)性的な虐待は受けていないこと
等が判明。
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| ヘイドック医師は、 ジズソーパズル中央のやや右側の位置に居て、 テラス用の椅子に座って、編み物をしているミス・マープルに背を向け、 左手に紅茶カップを、そして、右手に受け皿を持って、立っている。 <筆者撮影> |
一方、ミス・マープルは、死体の噛まれた爪や古びたドレス等に気付き、女性の外見と合致しないことを、ドリー・バントリーに伝える。
そんな最中、セントメアリーミード村の近隣のデーンマス(Danemouth)にあるマジェスティックホテル(Majestic Hotel)に滞在中の大富豪であるコンウェイ・ジェファースン(Conway Jefferson)が、ホテルのダンサーであるルビー・キーン(Ruby Keene:18歳)が行方不明であることを、現地警察に届け出た。
メルチェット大佐からの依頼に応じて、ルビー・キーンの従姉妹で、彼女と同じく、ホテルのダンサーであるジョージー・ターナー(Josie Turner)が、ゴシントンホールの書斎で死んでいた女性が従姉妹のルビー・キーンであることを確認。
マジェスティックホテルの宿泊客達の証言によると、前日の午後11時頃まで、ルビー・キーンがホテルの宿泊客の一人であるジョージ・バートレット(George Bartlett)と一緒に踊っているところを見ていたが、その後の真夜中のダンス演技に、彼女は姿を見せなかった。そのため、ジョージー・ターナーが、急遽、ルビー・キーンの代わりに、ダンス演技に出た、とのこと。
大富豪コンウェイ・ジェファースンは、8年前の飛行機事故により、妻、息子と娘の3人を亡くしており、現在、義理の娘であるアデレイド・ジェファースン(Adelaide Jefferson)と義理の息子であるマーク・ギャスケル(Mark Gaskell)と一緒に暮らしていた。
今回のホテル滞在時に、コンウェイ・ジェファースンは、ルビー・キーンに出会い、気に入った彼女と養子縁組するつもりであったこと、また、その手続が完了するまでの間、彼女を優遇するために、遺言書を修正したことを、警察に告げる。
当然のことながら、自分達の取り分が減ることになるアデレイド・ジェファースンとマーク・ギャスケルに容疑がかかるものの、彼ら2人は、事件当夜、コンウェイ・ジェファースンやジョージー・ターナーと一緒に、ずーっとブリッジをしていたと言うアリバイがあった。
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| ジズソーパズルのやや左上の位置で、 右手に紅茶カップを、そして、左手に受け皿を持って、 歩いている背広姿の男性が、サー・ヘンリー・クリザ・リングである。 <筆者撮影> |
事件の捜査が進展しないことに苛立ったコンウェイ・ジェファースンは、知り合いで、スコットランドヤード(ロンドン警視庁)の元警視総監(retired head of Scotland Yard)だったサー・ヘンリー・クリザリング(Sir Henry Clithering → 2024年8月20日付ブログで紹介済)をマジェスティックホテルまで呼び出すと、捜査への参加を求めた。
サー・ヘンリー・クリザリングは、ドリー・バントリーに帯同して、ホテルへ調査に来ていたミス・マープルを偶然見かけると、彼女を捜査に誘うのであった。











































