2026年8月27日木曜日

エルキュール・ポワロの世界 <ジグソーパズル>(The World of Hercule Poirot )- その42B

英国の HarperCollinsPublishers 社から現在出版されている
アガサ・クリスティー作「複数の時計」ペーパーバック版の表紙 -
壁紙が、時計の形に切り取られている。
欲を言えば、原作通り、
時計の針が(午後)4時13分を指しているとベストだった。

アガサ・メアリー・クラリッサ・クリスティー(Agatha Mary Clarissa Christie:1890年ー1976年)が1963年に発表した「複数の時計(The Clocks)」の場合、キャサリン・マーティンデール(Miss Katherine Martindale)が所長を勤めるキャヴェンディッシュ秘書紹介所(Cavendish Secretarial Bureau)から派遣された速記タイピストのシーラ・ウェッブ(Sheila Webb)が、ウィルブラームクレッセント通り19番地(19 Wilbraham Crescent)へと急いでいるところから、物語が始まる。

ウィルブラームクレッセント通り19番地に到着したシーラ・ウェッブが電話で指示された部屋(居間)へ入ると、彼女はそこで身なりの立派な男性の死体を発見する。男性の死体の周囲には、6つの時計が置かれており、そのうちの4つが何故か午後4時13分を指していた。

鳩時計が午後3時を告げた時、ウィルブラームクレッセント19番地の住人で、目の不自由な女教師ミリセント・ペブマーシュ(Miss Millicent Pebmarsh)が帰宅する。自宅内の異変を感じたミリセント・ペブマーシュが男性の死体へと近づこうとした際、シーラ・ウェッブは悲鳴を上げながら、表へと飛び出した。そして、彼女は、ちょうどそこに通りかかった青年コリン・ラム(Colin Lamb)の腕の中に飛び込むことになった。

実は、コリン・ラム青年は、警察の公安部員(Special Branch agent)で、何者かに殺された同僚のポケット内にあったメモ用紙に書かれていた「M」という文字、「61」という数字、そして、「三日月」の絵から、ウィルブラームクレッセント19番地が何か関係して入るものと考え、付近を調査していたのである。「M」を逆さまにすると、「W」になり、「ウィルブラーム」の頭文字になる。「三日月」は「クレッセント」であり、「61」を逆さまにすると、「19」となる。3つを繋げると、「ウィルブラームクレッセント通り19番地」を意味するのだ。


クローディン警察署のディック・ハードキャッスル警部(Inspector Dick Hardcastle)が、本事件を担当することになった。

シーラ・ウェッブは、「ミリセント・ペブマーシュの家へ今までに一度も行ったことがない。」と言う。また、ミリセント・ペブマーシュは、「キャヴェンディッシュ秘書紹介所に対して、シーラ・ウェッブを名指しで仕事を依頼する電話をかけた覚えはない。」と答える。更に、シーラ・ウェッブとミリセント・ペブマーシュの二人は、「ウィルブラームクレッセント通り19番地の居間で死体となって発見された男性について、全く覚えがない。」と証言するのであった。


ミリセント・ペブマーシュの居間においてキッチンナイフで刺されて見つかった身元不明の死体は「R.・H・カリイ(R. H. Curry)」とされたが、スコットランドヤードの捜査の結果、全くの偽名であることが判明し、身元不明へと逆戻りする。彼が目の不自由な老婦人の居間で刺殺される理由について、スコットランドヤードも、そして、コリン・ラムも、皆目見当がつかなかった。

途方に暮れたコリン・ラムは、エルキュール・ポワロに助けを求める。年若き友人からの頼みを受けて、ポワロの灰色の脳細胞が事件の真相を解き明かす。


エルキュール・ポワロは、
ジグソーパズル「エルキュール・ポワロの世界」の中央に立っている。
<筆者撮影>


アガサ・クリスティー作「複数の時計」は、エルキュール・ポワロシリーズの長編ではあるものの、今回、ポワロは殺人事件の現場へは赴かず、また、殺人事件の容疑者や証人への尋問も直接は行わないで、ロンドンにある自分のフラットに居ながらにして(=完全な安楽椅子探偵として)、事件の謎を解決するのである。


(99)(午後)4時13分を指した4つの時計(four clocks set at 4:13)






キャヴェンディッシュ秘書紹介所から派遣された速記タイピストのシーラ・ウェッブが、指定されたウィルブラームクレッセント通り19番地に到着して、電話で指示された部屋(居間)へ入ったところ、そこで身なりの立派な男性の死体を発見した。男性の死体の周囲には、6つの時計が置かれていたのだが、不可解なことに、そのうちの4つが何故か午後4時13分を指していたのである。


(100)通り名を示す標識(street sign)



キャヴェンディッシュ秘書紹介所から派遣された速記タイピストのシーラ・ウェッブが身なりの立派な男性の死体を発見したのが、ウィルブラームクレッセント通り19番地の居間だった。


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